表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/54

51 VS プテラディアン

続けて投稿しました。

楽しんでもらえたら幸いです。

「まあ~てえ~!!」


「お前が待てー!!!!」


地上を飛ぶように走っているアッシュの後を,ラシュが強化魔法をかけながら必死で追いかける。すでにサイカたちは二人の姿を見失っているが,上空を飛んでいるプテラディアンの姿が見えるので目指す方向を間違えることはない。


「おやおや,よく追いついてくるな。ふふ,あれが王都騎士団。なかなかやる。もう少し強くしてもよさそうかな。」


サトゥは後ろから森の中を追いかけてくるアッシュの魔力を感じ取りながら,目の前の王都騎士団と魔物たちの戦いを見やり,手を戦場へ向ける。


「出でよ,戦いに飢えるものたちよ。」


戦場にまがまがしい色の魔術陣が描かれ,あふれ出る光の中から獰猛な魔物たちが次々と現れ始める。


「魔物が増えたぞー!!」


「なんだって魔術陣が?!」


「嘘だろ?!」


王都騎士団の騎士たちは驚き、善戦していた余裕が焦りに変わり始める。騎士団が複数で戦っていたところへ魔物の数が増えたのだ,対応できる人数比が減り,ぐっと押され始める。


「なんでこんな魔物が現れたのかと思っていたら,召喚されていたのか。」


本陣から戦場を見ていた馬上の騎士がまがまがしい光を見て,納得したとうなずきながらつぶやいた。


「ほう、あんな大きな魔術陣で召喚するとはなかなかの魔術師,いや,召喚士だな。」


フードの男もつぶやく。その事実を受け入れた二人は互いの視線を交わし,ぴたりと硬直した後,再度魔術陣の現れたところを見つめる。


「・・・あんな召喚陣ふつうはできないよね。」


「・・・まあな。」


「・・・あれだけのものができるのは,私が思い当たるのは彼しかいないんだけど?」


「ああ,俺も心当たりは一人だけだ。」


二人は周囲の索敵範囲を広げ,上空を見つめた。


「「サトゥ?!」」


二人は上空を飛んでいるプテラディアンの背に乗る男を見つけて叫んだ。その声に気付いたのか,サトゥは目を丸くしている二人ににこやかに手を振った。


「この魔物大移動はサトゥが召喚したものなのか。」


「なんだってサトゥはこんなところで召喚して戦っているんだろう?」


「そんなの本人に聞いてみないとわからないだろう。」


「そうだね。ちょっと押され始めたみたいだし,私が出よう。イシュレイ,サトゥがこれ以上召喚しないように,頼んだよ!」


騎士はローブの男に言い放つと,馬の頭をなでて耳元で囁き,馬を走らせた。


「まあ,ロディ一人であれぐらいならなんとかなるだろう。サトゥの魔術陣を観察する方が面白そうだな。」


ローブの男はクスクスと笑いながら現れていた魔術陣の構成を考え始めた。


騎士はマントを翻し,魔物を一撃しながら騎士団を手助けしていく。その軽やかな動きは風のようにしなやかだ。次々に魔物を屠り,騎士団は徐々に優勢になっていく。そこへ,


「まあ~てえ~!!」


「だから止まれよ!アッシュー!!」


遠くの方からすごい勢いで戦闘域へ向かってくる生き物に気付いた騎士団は新手の敵かと身構える。しかし,声を聞いて人間だとわかると警戒を解いて魔物へと集中する。アッシュは目の前にいる人は放っておいて,魔物という魔物を一刀両断していく。その後ろからやってくるラシュも騎士団が苦労している魔物たちを魔法で一瞬にして氷漬けにしてはすり抜けていく。


「な、なんなんだ?アレ。」


「一瞬にして氷漬けに?!」


苦戦している騎士団を助けていた騎士は,やってきた二人の腕前を見て目を丸くした。騎士は二人が味方をうまく助けてくれていることもわかったので放っておくことにした。


「行くぞー!!」


アッシュはサトゥの近くまで来ると、大剣を頭の上から振りかぶる。


「いっけぇ!!」


アッシュの剣戟が空中へと向かう。が,プテラディアンが空中バク転を軽やかにして避けてみせる。


「すげえ、あいつアクロバティックだな。」


アッシュを追いかけていたラシュは,プテラディアンの姿に感嘆する。


「くっそう!ラシュ!あれ、打ち落とせないか?」


「・・・やってみるか。『アクアスピア』!」


しかし,ラシュがいくらアクアスピアを放ってもプテラディアンは余裕で回避してみせる。


「ラシュの魔法を躱してみせるなんて,あいつすげーな。」


「まあ、アッシュの剣戟を避けた時点ですごいとは思ってたけどな。悔しい…。」


「あれを打ち落とそうなんて,よくやるねぇ。普通の人はあんな高いところにいるものを倒そうだなんて思わないと思うよ。ただ、狙いは正しい。」


「ん?」


アッシュとラシュの背後に現れたのは,金髪の騎士。普通の騎士と違って豪勢な服装だ。アッシュとラシュは目配せを送り合い、知り合いでないことを確かめた。


「私も狙ってみよう。」


騎士は楽しそうに背負っていた弓矢を構える。ラシュは自分と同じくらいの細身の騎士の様子を見る。


「ブースト,ホーミング!」


騎士の持つ矢が放たれると,ラシュが放っていた魔法よりも速くプテラディアンに向かう。


「インパクト!」


プテラディアンが回避すると同時に,プテラディアンの横を通り過ぎる矢が爆発をした。


「「おおっ!!」」


プテラディアンがよろめき,態勢を崩す。


「今がチャンスだよ。」


「よし!うおりゃあっ!!」


騎士に言われて,アッシュがプテラディアンに向かって,再び剣戟を放つ。と同時に,ラシュも魔法を放つ。


「『アクアスピア』!」


二人の攻撃にプテラディアンは回避が間に合わない。そのまま攻撃を受けて,地面へと堕ちていった。


【設定51】

騎士団長の矢には魔術陣が彫られており,遠くにあっても発動することができるようにしている。「ブースト」と「ホーミング」は騎士団長自らが即かけ,矢に刻まれていた「インパクト」の魔術陣を遠隔操作し,爆発をおこさせている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ