表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/54

46 マジェンタ領所属地方騎士団

楽しんで頂けると幸いです。

「・・・つまり,あの魔物の軍団のど真ん中に魔物使いがいるってのか・・・」


休憩地の中にある騎士団の本部テントの中で座って話を聞いていた男,マジェンタ領騎士団長ホフマン=パーヴァスは,がくりと首を落とした。その目の前で報告しているのはメリクリウッド=ヴェンザーだ。


「ええ,『笑う太陽』の魔術師ラシュトリカ=レヴェヌの索敵能力は侮れません。彼がなぜ魔術師団に入っていないのかは,・・・相棒のせいだとは思いますが,彼自身,どこで腕を磨いたのか・・・。」


「そんなことはまた調べればいい。レイズ,この件が終わり次第調べろ。かなりの腕前なら,賢者か英雄に教わったのかもしれん。繋ぎができれば後々助かる。」


「はっ!」


メリクリウッドの言葉に,パーヴァス騎士団長は黒髪の眼鏡をかけた男,第4レイズ騎士隊隊長ユトゥティス=レイズに命じる。


「ヴェンザーの話が本当なら,その魔物使いの捕獲作戦が必要だな。だが,今のままでは普通に討伐するので手一杯だ。いい案はないか?」


パーヴァス騎士団長が森の地図を皆に見せながら問う。地図上にたくさんの押しピンが刺されており,現在の森の魔物のおよその状態を表している。マジェンタ領所属の第2コルスト魔術師隊の魔術師達が索敵した情報と斥候が確認した情報が記されている。


「団長,こっちの崖の上をとれば,上から狙えるかもしれません。」


地図上の丘を指差し,第3隊隊長アーヴィレイ=ウィルコットが言う。短い茶髪にがっしりとした体を鎧に身を包み、大剣を振り回すと風圧で周囲の人間が飛ぶほどの怪力の男だが、隊長になるだけの知恵がある。


「弓で狙えるのか?かなり距離があるようだが。」


「ブーストを付与すればなんとかいけるかと思います。」


地図上の距離を見て、細身で茶髪の第2コルスト魔術師隊隊長セザック=コルストが答える。


「王都からの支援が期待できれば、技巧士団から魔銃を借りることもできたのだろうが、今回は無理だな。」


パーヴァス騎士団長の言葉に、みな頷く。


「それに魔銃は未だ精巧ではないと聞く。この距離ではむしろ当てることは不可能に近いだろう。」


ウィルコットの言葉に、パーヴァス騎士団長は肩を落とす。


「結局弓で狙うしかないか・・・。」


そこへ伝令兵が駆けてきた。


「団長!!魔物が進行を再開しました。氷の壁を壊した模様!!」


「なんだと?!」


「もう壊されてしまったか・・・。」


パーヴァス団長、コルストたちが立ち上がりつぶやく。


「しかたあるまい。もう戦闘が始まってしまっただろうな。ウィルコット、弓の腕のいいやつを連れて丘へ。コルスト、魔法で援護してやれ!」


「「了解!」」


ウィルコット、コルスト、メリクリウッドが天幕を出て行く。


「さて、レイズ。大回りに回って狙いに行ってくれるか?」


「わかっている。やってやるさ。」


レイズは第4隊をつれて魔物の群れを大回りするために天幕を去った。


「後はこっちの踏ん張り次第だな。」


パーヴァス騎士団長は天幕を出て戦況の確認を急いだ。




「戦況は?」


天幕から出てきたパーヴァス騎士団長は、天幕の外に待機していた、第1パーヴァス隊第1隊の副隊長ラッセル=サイザルに尋ねた。


「すでに第5ヘンドリック騎士隊第1~5隊、第1パーヴァス騎士隊第2~6隊、第3ウィルコット騎士隊第1~5隊が戦闘中。先程の地点より100メートルほど下がっています。第2コルスト魔術師隊と第3ウィルコット騎士隊第6~8隊が狙撃ポイントへ。第4レイズ騎士隊は魔物を迂回中。」


「冒険者は?」


「騎士団が動く前に先に動いている。」


「さすがだな。もめてはいないか?」


「今は魔物相手の方が忙しいから何も起こっていないようだが、終わった後が面倒だろうな。」


サイザル副隊長の言葉に、パーヴァル騎士団長は肩をすくめた。


「だろうなぁ。さっさと魔物の群れを倒して平和に警邏したいもんだ。」


「ええ。さて、・・・あ、あそこだけ突出しているな。冒険者たちのようだ。」


天幕のある場所は少し小高い丘になっており、ちょうど戦場が見渡せるのだ。見下ろした戦場で魔物と騎士団と冒険者達が戦っている。冒険者たちのいる一部分が少しだけ前方へと進んでいる。


「ありゃあ、さっきヴェンザーが話していた冒険者たちだろうな。氷の壁を作った魔術師。」


「その隣にいる剣士、魔物を一撃で倒しているな。あのパワーは隊長クラスだ。というか、やたら周りをうろうろしているやつ、飛び道具が半端無いぞ。」


「・・・むしろ一番後ろにいるあの女は何なんだ?ずっと演奏しているようだが。」


「・・・生き残っていたらあとで話を聞けばいいだろう。・・・善戦しているようだが、まだまだ討伐までは時間がかかりそうだな。さっさと魔物使いをやれればいいんだが・・・。」


まだまだ移動中の面々の姿を見てうずうずしているパーヴァル騎士団長の肩を、サイザル副隊長がぎりぎりと掴む。


「じっとしてろよ?」


「オレも行きてぇ。・・・わかってるけどな。」


「いらない仕事を増やすなよ。」


二人はじっと戦場を見つめていた。


設定46 マジェンタ領所属 地方騎士団


マジェンタ領騎士団長 第1パーヴァス騎士隊隊長 ホフマン=パーヴァス 

大柄で、短い黒髪を立たせた男。大斧が武器。

マジェンタ領の騎士団をまとめる長。たたき上げの軍人。


マジェンタ領魔術師団の長 第2コルスト魔術師隊隊長 セザック=コルスト

細身の茶髪の男。宮廷魔術師のように研究職を目指さず,魔術陣を現場で使いたかがる戦闘狂魔術師。


第3ウィルコット騎士隊隊長 アーヴィレイ=ウィルコット 

短い茶髪にがっしりとした体を鎧に身を包み、大剣を振り回すと風圧で周囲の人間が飛ぶほどの怪力の男だが、隊長になるだけの知恵がある。


マジェンタ領騎士団暗部の長 第4レイズ騎士隊隊長 ユトゥティス=レイズ

黒髪の眼鏡の男。細身で鋭い目つきをしている。寡黙で敏捷性に優れる。


第5ヘンドリック騎士隊隊長 シュレジェイラ=ヘンドリック 

長い金髪を後ろでくくった細身の女性。

レイピアで素早い攻撃を得意とする。魔法で強化し、知恵で戦場を戦う。


第1パーヴァス騎士隊副隊長 ラッセル=サイザル

パーヴァスの同期。オレンジがかった髪を後ろになでつけたオールバックの男。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ