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41 魔物の大量発生

楽しんでいただけると幸いです。

「ラシュ、暇だな~。」


馬車の上でのんびりと周りを見渡しながら,アッシュが隣にいるラシュを見た。のんびりと書物を見ていたラシュは,けだるそうに顔をあげてアッシュに答える。


「いいだろ、護衛で暇なら。」


「それはそうなんだけどさあ。」


アッシュが不服そうに口をとがらせる。


「いまのところ魔物は近くに感知していない。それにしばらく前にブレイズドッグの群れを一人で倒しただろうが。」


ラシュは呆れた顔をすると、答えはするものの、顔を書物の方に向け,次のページをめくり始めた。


「・・・物足りない。」


「・・・遊びじゃない。」


アッシュの言葉に、ラシュは冷たく返事する。顔もまったく書物から離れない。


「・・・暇。」




ものすごく暇な時間を過ごしつつ、一行は平和に王都に着くと思われた。そのとき、王都の一つ手前の街でそれは起こった。


「魔物の大移動?!」


街で一泊すべく宿を取ろうとした一行だが、宿屋の店主から恐ろしい話を聞いたのだ。それまでに、街の中を冒険者や衛兵が忙しそうに走り回っていたり、商人が急いで出て行ったりと慌ただしい街中を歩いて来たので何かあるだろうとは思っていたのだ。知り合いにもなかなか会わず、いつもの宿屋に来てようやく情報が手に入ったのだ。


「俺も詳しくは知らないが、ここから王都へ向かう途中の森に魔物が大量発生しているんだとか。王都へ向かう商隊が必死に逃げてきたらしい。それでこの街の冒険者たちは討伐隊を組むようだ。だから今は王都へは向かえないぞ。」


「そうなのか。仕方ない、しばらくはここで商いをしよう。泊めてくれるか?」


「ああ、お前達でぎりぎりだ。これからまた客が足止めされるだろうが、やって来てもどうしようもできないな。」


ベームたちの会話を聞いて、ラシュ達は目配せをする。そこへ、話が終わったベームがやってくる。


「ラシュ、聞いていたんだろう?」


「ああ。」


「お前達は魔物討伐へ行け。わしたちはここで騒動が収まるまではいるつもりだ。ここで一度、契約を切ることにしよう。」


「それがいいな。俺たちはこれから冒険者ギルドへ行ってくる。契約についてはそっちで手続きしてくれ。それから後でもらうことにする。」


「いいだろう。頼むぞ。」


「任せろ。」


アッシュの生き生きとした瞳や、やる気十分なラシュ、シグの笑みを見て、ベームはにやりと笑う。


「さっさと倒して王都の祭りに間に合わせろよ。」


「もちろんだ!」


アッシュがにかっと笑った。




「冒険者の討伐隊は朝、一団体行ったらしい。様子見だそうだ。王都へは連絡済み、王都からは各街へ連絡してあるらしい。地方騎士団がメインで動くそうだ。俺たちは地方騎士団と一緒に明日森に出ることになった。基本的には魔物の討伐だ。その原因とかの調査は騎士団がしてくれるだろう。」


ラシュが聞いてきたギルドからの話を、四人はカフェで聞いていた。


「ふーん、地方騎士団ねぇ。あんまりいいもの持ってなさそうやなぁ。」


「シグ、盗むなよ。」


「そら、値打ちものでなければな。」


「手癖の悪いことすんなよ。」


シグとラシュがいい合い始める。のほほんと話を聞いていたアッシュが呟く。


「そうかぁ、地方騎士団かぁ。強いかな?」


「お前、騎士団と闘うなよ?アッシュ、味方だからな。魔物と闘えよ。」


シグと言い合っていたラシュが、つぶやきに突っ込む。


「こう、魔物たちと闘う姿なら、いい詩が作れそうですね。がんばって援護します。」


「ああ、この間のやつはやめてよ。気が萎えるから。」


リーザの言葉に、シグが嫌そうに言う。


「え?ああ、第6番『休日の憂鬱』ね。わかったわ。味方の敏捷性をあげる、第3番『風の行進曲』 ならどうかな?」


「なんかよさそうやな、それでいこうや。」


「うん。」


「しかし、なぜ魔物が大量発生しているんでしょうねぇ。今の時期は繁殖の時期ではないし、移動する時期でもない。大量発生の原因が分からなければ、討伐できても祭りがどうなるかわかりませんねぇ。」


「ええ?!それは困るやん!」


サイカが首をひねっていると、シグが抗議する。それに対してラシュは冷静に応える。


「そうか?とりあえず、討伐できて道が整備できたら通れるだろ。」


「祭りはわかりませんよ。多くの人が集まりますからね。」


「王都が危機にはならないだろうさ。王都騎士団、近衛騎士団が揃ってて危機とはならないだろ。魔物では。」


「ですから、魔物の大量発生の原因が自然とは限らないでしょう。」


「人災ってことか?誰かが魔物を操ってるとでもいうのか?」


「可能性はあるでしょう。」


「う~ん、魔物使いでも、そんな大量に操れるのか?」


「餌でつれば操ることはできるでしょう。」


「王都で祭りができないのが一番困るんやって。うちは祭りが目当てやの!!さっさと魔物倒してしまって、サイカ、原因見つけてしまい!」


「無茶言うなよ、そんな簡単に原因がわかってたまるかよ。」


「その魔物使い、見つけて捕まえたら事件解決やん!!」


「いや、だから魔物使いがいるかどうかもわからないんだって。」


いつまでも騒がしい笑う太陽のメンバーの話し合いはなんと1時間続いた。


設定41 地方騎士団

 地方で魔物の討伐を主に任務とする騎士団。平民からなる。

     王都騎士団

 王都で主に護衛や人の犯罪の取り締まりなどを任務とする騎士団。主に貴族。

     近衛騎士団

 王族の護衛が任務。国内最強騎士団と言われている。

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