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33 ギルドからの依頼

楽しんでいただけると幸いです。

「なあ、ラシュ、協力してくれないか?」


「藪から棒に、どうした?」


護衛依頼を終えて、いつもの冒険者ギルドの受付に顔を出したラシュは、見慣れたギルド職員に拝み倒されて驚いた。ライル=ラッセルと書かれた名札をつけたギルド職員は、元腕利き冒険者として近隣で名を馳せており、ラシュ達の行動を見守り、叱り、呆れ、後始末を手伝ってくれるよい親父の1人である。


「もうすぐ領主主催の武術指南役の選出大会があるのは知ってるだろう?」


「そうだったか?」


ラシュは首をひねった。そういえば、数年に何回かあると聞いたことがあるような気がするなぁと思ったが、もうすぐとは知らなかったのだ。


「知らなかったのか、ラシュ。」


ラシュの返答を聞いて驚いた様子で問いかけるラッセルに、ラシュはあっさりと応える。


「別に俺は関係ないだろう?」


「お前たちの場合、アッシュの破壊神ぶりに目がいくが、お前も相当な実力があるだろう?」


よく世話になっているラッセルに言われて、ラシュも嬉しそうに目を細めたが、自分の実力を買いかぶられては困ると、訂正する。


「ある程度の体術はできるが、本職にはかなわないさ。」


「そりゃあそうかもしれないけどな。・・・いいや、そういうことじゃなくて、その武術指南役候補たちが試合う前に、演武大会があるんだ。武芸大会にしてもいいんだが、死人がでても困るからな。最初からペアで出場して技を見せ合うものだ。別にそれで互いに了解した上で勝負してもらってもいいんだが、怪我されて領主内の武力が落ちても困るんでなぁ。腕前が良ければ領主にスカウトされることもあるんだが、今年はあまり集まりがよくないらしい。お前たちが演武に出ないか?他にも何チームか頼んでいるんだがなかなか頷いてくれなくてな。」


頭をかくラッセルに、ラシュはため息をついた。


「領主に引き抜かれるなら、参加できない。俺は冒険者。わざわざ領主の番犬になるつもりはない。」


「お前・・・普通は領主に認めてもらえるってことは名誉なことなんだがなぁ。お前ら、とことんずれてんなぁ。」


ぽりぽりと頭をかいて、ラッセルは目を細めた。


「わかった。うちとしてもあまり冒険者が引き抜かれても困るんだ。領主の依頼だから呼びかけているが、戦力が落ちるのは避けたいからな。引き抜きの件はなしで話をしてみるさ。だから、一応頼むな。」


いつも世話になっているラッセルに頭を下げられて、一応望みを飲んでくれたのでラシュは頷いてさらに問いかけた。


「条件はあるのか?」


「演武だからな、別になんでもいいさ。ただ武芸だから、魔法は極力使わない方向だな。」


「極力、であって使ってもかまわないんだな?」


「ああ。多少なりは使って問題ない。魔法がメインでなければいいんだ。」


「俺はアッシュを出して開場が破壊されないか、一番心配なんだが。演武なら確かに本気を出さないだろうけど。」


「俺も、破壊神ぶりには呆れているが、お前がいたらそこまでならないだろ。会場を壊さなければ御の字さ。」


「・・・わかった。見栄えのある演武にしたらいいんだろう?」


「ああ。頼む。」


「期待に応えられるようにがんばるよ。」


ラシュは演武大会の細かい内容を聞いて、ギルドを後にした。




「うおおおお!演武大会かあ!燃える~!」


「燃えんな。俺が相手なんだから、組手だ、組手。」


「それでも、ラシュと手合わせなんて久しぶりじゃないか!俺はすげー楽しみ!!」


にこにこと喜んでいるアッシュを見て、ラシュは嬉しいんだか、呆れるんだか表情に困る。

ギルドから田中屋食堂へ戻ってきたラシュは待ちかまえていた4人にラッセルの話をした。


「それではしばらくは依頼は受けませんか?私はあの薬草でいろいろとしたいので。」


サイカは静かにラシュの話を聞いてから、ラシュに尋ねた。


「サイカはそれでいいだろ。それぞれでできそうな依頼をすればいいだろ。」


「じゃあ、うちらはどないしよか~。」


「そうね、どうしよう?」


にこにこと顔を見合わせるシグとリーザに、ラシュはふっと微笑む。


「なんか、だいぶうちとけたんだな、リーザ。」


「あたりまえや。うちらはもう仲良しや。な!」


「うん。」


笑顔で頷きあう二人に、ラシュは提案する。


「俺たちは演武の打ち合わせ、サイカは薬、二人も自由にしたらいいだろ。もし、手がいるようなら声をかけてくれ。手伝いはする。」


「わかったわ。まあ、しばらくはリーザと買い物とかするわ。」


「ああ、それがいいな。」


話し合いが終わると、アッシュはうれしそうにラシュにすがる。


「ラシュ、ラシュ~、早くしよう!」


「わかった、わかったからちょっと離れろ。動きにくい。」


「ああ、ごめん。」


「とりあえず、街から出るぞ。」


「おう。」


すがってくるアッシュを雑に扱いながらラシュが出口へ向かうと嬉しそうにアッシュはついて行った。

田中屋食堂を二人が出ていくのを見送ると、リーザはふふふと笑った。


設定33

ライル=ラッセル

元腕利き冒険者で街の冒険者ギルド職員。(笑)を見守ってくれる気のいい親父。

得意武器は斧。かなりの大きな武器を振り回していた力自慢。

たまにアッシュと力比べをしているやんちゃな親父。

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