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30 のほほんと合流

しばらくあいてしまってすみません。

中身は進みませんが、楽しんでもらえると嬉しいです。

「あっ、アッシュさんたちが来た!!」


デンバーは後方から歩いてくるアッシュたちを見て、歓声を上げた。

魔物と遭遇したところからしばらく離れたところで休憩していたサイカたちのところへ、ようやくアッシュたちが辿り着いたのだ。心配はないとは思っても、姿が見えないのが心細かったのだろう、デンバーは嬉しそうな表情で4人を迎えていた。


「やっと追いついたわ~。」


シグが伸びをしながら声を出す。


「アッシュさん、ラシュさん、シグさん、リーザさん、怪我はない?」


元気そうに見える四人だが、どこか変化はないか、デンバーがきょろきょろと観察する。


「大丈夫やで、デンバー。」


「ああ。誰も怪我してないし、魔物は全て片付けたよ。」


シグとラシュがデンバーを安心させていると、馬車の御者席からサイカの声が降ってきた。


「案外早かったですねぇ。もっと時間がかかるかと思っていましたよ。」


にやにやとした表情で声をかけてくるサイカに、ラシュは腹を立てながら応える。


「サイカ、毎度失礼な言い方だな。馬鹿にすんなよ?まあ、今回はリーザの魔奏の効きがよかったからな。いつもより早かったのは確かだろう。」


「へえ、リーザは魔奏で戦うのか?」


ラシュの返事を聞いて、トーマスが御者席から身を乗り出す。


「ええ。」


「なあ、運が良くなる曲もあるか?」


「ええ、まあ、ありますけど、戦闘時のサポートでしかありませんよ?」


「なんだ、ギャンブルの成功率が上がるかと思ったのに。」


リーザの言葉にトーマスががっくりと肩を落とす。その言葉を聞いて、ラシュがぎょっとした。


「え?トーマスさん、ギャンブルまだやってるのか?」


「いいや、今はやってねえ。ひどい目にあったから懲りたよ。だが、運がよければやりたくなるじゃねぇか。」


「いい加減あきらめろよ。トーマスさんはギャンブル運なさすぎだ。」


「わかってるよ。でも、な。」


「男の煮え切らないのは格好悪いでえ~。」


「ぐっ。」


シグに言われてトーマスが言葉に詰まる。


「まあ、不運ナンバーワンのラシュが言えたものやないんやけど。」


「なんだとー!」


にやにやとラシュを見るシグに、ラシュがつっかかろうとしたところへ、馬車に乗り込もうとしたアッシュの肘が、ラシュの後ろ頭をゴッという音を鳴らし、ラシュは頭を抱えてうずくまった。


「くっ。」


「あははははは!言った傍から!ぷっ!あはは。」


「アッシュ!!!何してくれてんだっ!!」


「わ、悪い、ラシュ!!!大丈夫か!?!」


「大丈夫だけど、痛えものは痛え!!」


半泣きで頭を抱えるラシュに、笑うシグ、おろおろするアッシュ、不敵に笑うサイカ、困ったような顔で固まるリーザ、肩をすくめるトーマス、顔を青ざめさせるデンバー。


「ふふふ、回復させてあげましょうか?」


「いらない!なんでわざわざお前の激痛付きをするかよっ!たとえアッシュの攻撃だろうとも、耐えられるっての!!」


にやにやと笑いながらサイカに話しかけられ、ラシュは痛さを忘れて反発した。よほどサイカの魔法はひどいらしい。


「でも、すごく痛そう。」


「いや、大丈夫だから。最初の衝撃がひどかっただけで、そろそろ痛みも引いてくるはず。」


ラシュが体を起してリーザに応えると、リーザはほっとした様子で微笑んだ。


「ま、ラシュは置いといて、デンバー、うちらは馬車乗って出発する準備しよか!」


シグはさっさとデンバーとリーザをひきつれて後方の馬車へと向かう。


「シグのやつ~。」


未だ痛い頭をなでながら、ラシュが馬車の幌の上へと乗りこむ。


「ラシュ~、ごめんって。大丈夫か?ごめん。」


アッシュも馬車の幌の上に乗り込んでもラシュにまとわりついている。


「わかった、わかったから。アッシュ、俺は大丈夫だって。」


「いや、だってさ~。」


「俺が大丈夫だって言ってんだろ!信じろよ!」


「・・・わかった。」


しゅんとうなだれていたアッシュもおとなしくうなずくと、ラシュの隣に座り込んだ。


馬車が走りだすと、ラシュはまた周囲の警戒をする。隣ではアッシュがいつのまにかぐうすか寝ている。


「やることないと、寝るの早いな、アッシュ。」


ラシュはあきれ顔でアッシュを見ると、瞑想を始めた。




後ろの馬車では、御者席のデンバーに馬車の中からシグとリーザが話しかけていた。


「デンバーって好きな人おるん?」


「ええ?!藪から棒に何を言うんですか?」


「単におもしろそうやから聞いただけや。」


「別にいませんよ。」


「そうなんや。てっきり弁当屋のルルフェットが好きなんやと思っとったんやけどなあ。」


「な?!なんで?!」


あたふたするデンバーをにやにやとシグが見やる。


「やって、最近よく来る男の子がいるのって言ってたんや。背格好からして、あんたっぽい思うてな。うちのカン、ええやろ?」


「シグさん、よくわかりますねぇ。」


「まかしとき!」


にこやかに感心するリーザと胸をはるシグの前で、デンバーは顔を真っ赤にしていた。


設定30 

ラシュの不運 

 とにかく、運が悪い。まず、アッシュの幼なじみになってしまった時点で運が悪い。そこからずっとアッシュの世話をし続けている。アッシュからもたくさん被害を被っているはずだが、離れられない、というか、アッシュが離れたがらない。さらに不運が続くスパイラル。たぶん一生こんな感じ。

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