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27 護衛道中

楽しんでいただけると幸いです。

「トーマスさん、こっち、新しいうちらの仲間のリーザや。」


「はじめまして、トーマスさん。リーザレインと言います。」


柔らかい雰囲気のリーザレインを見て、トーマスは虚をつかれた。


「お、おう。あたらしい仲間か。トーマスだ。それからこっちは、デンバー=ヒュー。うちの店員だ。護衛、頼むぞ。」


「はい、よろしくお願いします。」


にっこりと笑顔を見せるリーザレイン。


「ん、これで挨拶も終わりや。で、トーマスさん、もう出発でええんやろ?」


「あ、ああ。護衛、頼んだぞ。」


トーマスが操る馬車は2台ある。一台はトーマス自身が御者を務める。もう一台はデンバーが御者を務める。トーマスは短い金髪の体格のいい男で、商人としてはこれから伸びていくであろう若い男だ。アッシュたちが住んでいる街から辺境の村まで旅商人をしている。以前にもアッシュたちに依頼を頼み、例のごとくアッシュに壊され、修理された身である。が、ラシュのおいしいご飯も経験しているため、それほど嫌悪はしていないようである。デンバーはまだ少年である。黒髪の細身の少年は、計算を担当している。アッシュたちは二手に分かれて馬車に乗った。


「トーマスさん、最近はいい薬草はありませんかねぇ。」


「最近はアンタルジークの薬草が最近は安いな。エステで採れるんだが、今年は気候が良かったらしくて大量に出回ってるよ。」


サイカがトーマスの隣に乗って世間話を始める。


「いい天気だな~。」


「そうだな。晴れててよかったよ。」


アッシュとラシュはトーマスの馬車の上に乗って見張りをしている。のんびりと周りをみているようにしかみえないが、ラシュは魔力探知で周囲を警戒している。


「シグさんの武器はたくさんあるんですね~。」


デンバーが御者を務める馬車にはシグとリーザレインが乗っていた。


「そうやな。トラップもよう仕掛ける。そうや、デンバー、あんたにええもんあげるわ。」


「え?シグさんがくれるの?」


ケチとしか思えないシグのあり得ない言葉に、デンバーは目を見張った。思わず手綱を落としそうになって慌てて握りしめ直す。


「そうやで、めったにないんやから、ありがたくもらいや。」


ごそごそとポケットを探ってから、ぽいとデンバーに投げる。

デンバーはおたおたしながら受け取ってよく見てみる。


「ハンカチ?」


よくみると、青いハンカチだった。チェックになっているハンカチをそのまま投げてきたシグは楽しそうに話しだした。


「そうや、この間、ラシュが手ぇあいてなくて、うちが料理作ってやったとき、報酬として受け取ったやつ。」


「いいの?」


「だって男物やん。アッシュが持ってきたから、とりあえず受け取ったんやけど、うちかて男物使いとうないし。あんた商人なんやし、ええもんひとつくらい持っておきいや。」


「そっか。ありがとー。」


シグからもらったハンカチを嬉しそうに眺めるデンバーは素直である。


「よかったね。」


にこにことほほ笑むリーザレインに、デンバーも嬉しくて微笑みかえす。

しばらくのほほんとした時間が過ぎて行ったが、ほどなくして平穏は破られる。


「アッシュ。」


ラシュが魔物の魔力を探知し、アッシュに声をかける。


「何だ?」


ラシュは魔力探知をしながら、ホークアイを使って視る。


「グレイウルフ2体。」


「どこだ?」


「あそこだ。タイミングを数えるぞ。」


ラシュは現在グレイウルフがいる辺りを指差した。


「わかった。」


「カウントスタート、50、49、48・・・」


ラシュがカウントを始めると、アッシュは屋根から飛び降りて、馬と同じ速度で並走し始める。

馬車と並走し始めたアッシュを見て、サイカが尋ねる。


「どうしました?」


「グレイウルフ2体が来るってさ。」


サイカに答えると、アッシュは大剣を背中から抜いて構えながら走る。


「アッシュ、馬車を壊すなよ?」


「わかってるよ。」


トーマスに心配されて、アッシュは頷いた。前科があるだけに、慎重だ。

ラシュのカウントが0になると同時に、視界に現れたグレイウルフをアッシュは一瞬で切り倒す。アッシュはグレイウルフをかばんにしまうと、先に進んだ馬車を走って追いかける。


「うおおおおお!」


「うるさいわ、アッシュ。」


「アッシュさん、馬に追いつけるなんてすごいですね。」


後ろから馬車に迫ってくるアッシュの声に、シグは文句を言い、リーザレインは初めて見るアッシュの人外な行動に驚くやら呆れるやら。


「アッシュ、馬より速いのか?!」


後ろを振り返ったトーマスは、アッシュが追い付いてくるのを見て、驚き叫ぶ。


「最近、特訓してできるようになったんですよ。ラシュの調教のおかげですね。」


「・・・ますます人外になってるな。」


サイカの解説を聞いて、調教ってどういうことだ、聞くんじゃなかった、とトーマスは口を閉ざした。


設定27 トーマス=ラクティ 店主 護衛依頼主 25歳

               店を開いて5年目。

               アッシュたちに護衛してもらうのは2度目。

               ラシュのご飯のファンの一人。

     デンバー=ヒュー  10歳 黒髪の少年。計算が得意。


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