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22 シグとアッシュの散歩(捕獲作戦)

楽しんで頂けたら幸いです。

「あいつ?」


「ヴィルだ。」


「ああ、ヴィル!ええんやないの?ヴィルならその薬も作れそうやし。」


「それはどうかわからないけどな。頼めるだろ。」


シグと会話をしながら、ラシュはせっせと薬を作り続ける。シグはその邪魔をしないように、椅子に座ってその様子を眺める。


「で、ピュアエキュルイユはうまく捕まえられたみたいだな。」


「まあ、アッシュの破壊神降臨がなかったんや。キセキやで!」


「?!なんだって?!それは奇跡だっていうか、・・・次からシグとアッシュで組んだらどうだ?」


シグの言葉にラシュは思わず顔をあげた。毎回依頼のたびに何かを壊すアッシュが依頼中に物を壊さないことはなかったのだ。この尋常ではない奇跡に、ラシュは考えた。俺といるときは毎回破壊するのに、今回シグといると破壊しなかったわけだ。パーティの返済額を考えるとその方が助かる。


「!?嫌や!!毎回あんなハラハラするん嫌や!!」


シグが絶叫する。あまりの形相にラシュも冷静になった。


「まあ、嫌なら無理強いはしないさ。ハラハラって一体何したんだ?」


ラシュの言葉に、シグが身を乗り出しながら話し始めた。


「聞いてや!アッシュとこの家出たのはいいけど、ピュアエキュルイユの生息地なんや知らんし、とりあえず、近くの森歩いて見てん。


そしたらグレイウルフやらホーンラビットやらが出てきてん。アッシュがほとんど一刀両断したからええんやけど。


で、しばらく森の中行って、ちょっと小川で休憩してん。そしたらやっぱりアッシュの周りに魔物がたくさん来たわ。あんまり多いからアッシュが魔物にまみれてた。あそこまでたくさん魔物にまみれてるのは初めて見たわ。きっとラシュがいなかったからやね。


その中にピュアエキュルイユがいないかなって思ったんやけど、いなかったんや。


しゃーないからまたうろうろしよ思ってたら、アッシュが突然歩き出すんや。いきなり動き出すからなんやろ思ってたら何も言わんし。何も言わんまま魔物乗っけて歩き出すからついてったんや。


しばらく森の奥の方に行ったら、なんと森の主の木ぃ見つけてん。やたらでっかいわあ思ってたら、目がぎょろって。まさか森の主の木ぃ見つけるとは思わんやん?戦闘するんや思ったら、アッシュが普通に森の主の木と話し始めたんや。びっくりしてたら、そのうちにピュアエキュルイユが森の主の木から現れたんや。しかもたくさん!!そのうちの一匹がするするって降りてきてアッシュの頭に乗ったんや。すっごくかわいいんや!んで、そのまま帰ってきたんやけど。アッシュ、魔物と話でもできるん?」


「・・・まあ、懐いてくる魔物とはある程度意思疎通できるぞ。なんとなくしかわからないけどな。腹減ったとか、食べたいとか。」


「食べることばっかりやん。」


シグがくすくす笑うとラシュはため息をつく。


「仕方ないだろ。あいつらそれめあてで集まってくるんだから。」


「でも、今回は何も・・・ああ、アッシュが食べてたわ。」


シグは首をひねってから、思い出して頷いた。


「だろ?あいつら、よく狙ってくるからなぁ。どうして食べさせてやるってわかるんだか。」


「ラシュ、意思疎通できるんなら、向こうもそんなんわかるやん。」


「まあなあ。」


「で、ラシュの方はもうできるん?」


「もう少しかかる。飯は誰か作ってくれよ?俺はこの薬で手一杯だ。」


「えー、ほんならうちが作ろうか。もーとっておきやで-。」


シグがごそごそと食材を出して準備を始める。


シグが料理、ラシュが薬を作り続ける。シグの料理のよいにおいがし始めると、寝室からレベッカとアッシュが顔を出した。


「わあ、いいにおい!!」


「うまそうだな。ラシュの薬はもうできたのか?あれ?ラシュは薬作ってるのか?」


レベッカがさっと台所へ向かうが、アッシュはラシュが薬を作り続けていることに気付き、首をひねる。


「今日はうちのお手製晩ご飯やで~!後で請求しちゃるわ。」


「ええー!?ラシュじゃないっていうか、シグの料理か。破産しそうだ。」


アッシュはラシュの姿を見て、シグの姿を見て、がっくりと肩を落とした。


「諦めろ。あいつの飯は高い。」


ラシュは淡々と薬を作り続ける。




結局ラシュが薬を完成させたのは夜もふけてからだった。他の皆が寝静まってもごりごりと薬を作り続けていたラシュは静かに寝室へと入った。


「遅かったですねぇ。レイヌーさんはもう寝ています。」


寝ているレイヌーの横の椅子に、サイカが背筋をのばして座っていた。


「悪かったな。意外と薬草の量が多くて時間が足りなかった。とはいえ、まだセーフだろ。」


「私が看病していたからもっているだけですよ。何もしなければすでにアウトです。それにアッシュたちがピュアエキュルイユをつれてきましたからね。」


「ああ、ピュアエキュルイユの別名は『癒しのリス』だったか。」


「そうです。ピュアエキュルイユは触れる物、見る物に癒しの力をほんの少し増加させます。おそらく、レイヌーさんが昔見たピュアエキュルイユも、その目的で彼女にであったのでしょう。さあ、どうぞ。」


ラシュはレイヌーの傍へ行き、レイヌーを起こした。


設定22

ヴィルヘイス=ディル=エルフォス 薬剤師 15歳

薬剤師になったばかりの少年。薬学の腕前はかなりよい。

(笑)に依頼し、いつもどおりに騒動に巻き込まれたかわいそうな人。

(笑)と同じ街を根拠地にしている。

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