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19 採集完了からの・・・

ようやく、もともとの目的を達成することができました。


楽しんで頂ければ幸いです。

そして、朝。


「で、採集できたのか?」


「ええ。たくさん採集することができました。ええ。いい薬ができそうです。」


くすくすと笑うサイカを見て、寝不足なラシュたちは目をこすりながら起きた。

ラシュたちが寝ている間に採集作業を終えたようだ。


「じゃ、帰るか。」


「帰ろう、そして、宿屋で寝よう。うち、眠い。」


「そうだな。」


四人は馬に乗り、バーデン高原を越えてレイフェンの街まで帰った。


「俺はとりあえず、討伐依頼の報告に行ってくる。」


「うちはいつもの宿屋で寝とるわ~。」


「おれも。」


「私はさっそく作業にとりかかるので、宿屋にこもります。」


「わかった。」


ラシュと三人はわかれた。




「で、この羊の山かよ。」


「おう。まだ山羊の山がある。」


「このカウンターじゃあ処理しきれねぇな。裏に回れ。」


「おう。」


さっそくラシュはカウンターで話を通し、とりあえずギルマスを呼んでもらい、羊だけ見てもらったが、当然カウンターに乗り切らないので、裏に行くことになる。


「しっかし、これはいい毛糸がつくれそうだな。」


グラーツィアペコラの山を見て、ビオクスが感心していた。


「そうなのか?俺は違いがさっぱりわからないが。」


毛糸の山を見て、ラシュは首をかしげる。


「知らねぇのか?グラーツィアペコラの毛糸でつくった服は高級品だぜ?」


「それは聞いてるが、冒険者の俺じゃあ必要ないからなぁ。」


「そりゃあ、(笑)じゃますますそうだろうなぁ。」


「だから、山羊の角をいくつかだけもらっておいたぜ?」


「ああ、それはそうしとけ。マルヴァジタカプラの角は幻術にいいからな。」


ビオクスが頷く。


「ああ、毛も少しだけもらっておいたぞ。行きつけの店に頼みたいんでな。」


「お、ついにラシュにもいい子ができたのか?あ?シグじゃねぇのか?」


にやにやと問いかけるビオクスに、ラシュが苦虫をつぶしたような顔を向ける。


「邪推するなよ、おっさん。確かに作るのはシグだけどな。」


「くっくっく。お前がシグに熱をあげてるなんてわかりやすいだろうが。」


「別にそんなつもりじゃねぇよ。」


ラシュが表情に困っていると、ビオクスが豪快に笑う。


「そんな顔してっからわかりやすいんだろうが。だっはっは。若えうちはそれでいいんだ。しっかりぶつかっていけ。」


「減らず口め。」


ラシュは作業が終わるまでビオクスに茶化され続け、精神的ダメージを受けつつも、宿屋に帰り寝た。



「で、帰りはどうするんだ?ラシュ。」


「特に考えてなかったからな。また帰りの仕事を探すか?」


「それでいいで。帰り道に討伐依頼ないん?今なら馬があるから乗って帰れるで。」


「そうですね。とくに急ぎませんが、どうせなら仕事があったほうがよいでしょう。」


四人は宿屋で遅い昼ご飯を食べると、今後の予定を話し、冒険者ギルドへと向かう。



「ピュアエキュルイユの捕獲?」


冒険者ギルドで依頼を探していた(笑)を見つけて、ビオクスが仕事を斡旋してきた。


「おう。こいつはとくにめずらしくてな。はっきり言って依頼したところでみつけられねぇよって言ったんだがよ。それでもってんで置いてんだ。」


「何のためにこの魔物を捕獲するん?」


シグが首をひねって尋ねる。めずらしい動物を飼いたい気持ちはわかるが、魔物は魔物である。


「一度会ったことがあるんだってよ。もう一度、一目見たいんだとさ。」


「一体どんな人が依頼しているんです?」


サイカが尋ねる。そんな特異な人とは一体どんな人物なのだろう。


「依頼主は娘。見せたいのは死にそうになっている母に一目会わせたいんだそうだ。」


「魔物に?」


女性が見たいものではないだろうと、ラシュが首をひねる。


「一度だけ触ったんだとさ。そのかわいさに、もう一度会いたいと布団の中で言うらしい。」


「それは、かなえてあげたいな。」


アッシュが純粋にかわいそうに思っているようだが、ラシュはさらに尋ねる。


「それは本当にピュアエキュルイユなのか?」


「さあ、それだって怪しいと、俺は思う。が、それでもそうやって願いを叶えてやりたいって言うガキの健気な気持ちをむげに断れなくてなぁ。」


「で、俺たちにって?」


「ああ。お前らならできるだろ。」


「その依頼だと、ここに戻ってこないといけないだろ。」


「まあな。」


「俺たちは戻るついでにできる依頼を探してんだよ。」


「そういうなって。急がないんだろ?一つぐらい仕事が増えたってかまわないだろうが。」


「それはそうだが。」


「ええやん。ピュアエキュルイユ、探せばええやん。どうせアッシュとラシュがぼーっとしとったら寄ってくるわ。」


シグがけらけらと笑って言うので、ラシュがむくれる。


「適当な事言うなよな。」


「それよりも、その母親の病気は何なのですか?老衰ですか?」


病と聞いて、サイカがビオクスに詳しく尋ねる。


「さあな。そこまで深くは聞いていない。」


「もし受けるならば、ほんとうにピュアエキュルイユなのか、確認したほうがよいでしょう。」


「ああ。違う魔物じゃあせっかくさがしても意味がないからな。」


四人はとりあえず、依頼主に会うことにした。

設定19

冒険者ギルドへの依頼は一応誰でもできるが、あまりにおかしな依頼は断っている。

が、本当に様々な依頼がある。猫さがしや、家事手伝い、店の手伝いなど、何でも屋のような仕事もある。ある意味、仕事斡旋所でもあるのだ。

なので、小さな女の子の依頼でさえも一応取り扱っている。

が、その依頼料は本人が払えるものでしかない。

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