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13 馬車強盗と僧侶サイカ

いろいろ起こりすぎて、話が進んでいない気がしますが、

楽しんで頂けるとよいです。

「畜生!!なんて化け物だっ!!」

馬車を取り囲んでいた男達のリーダーが叫んだ。




「・・・なんか・・・馬車強盗っぽい。」


再び馬車に乗っていたシグがつぶやく。相変わらずアッシュは馬車と一緒に併走し続けている。隣に座っていたラシュが魔力探知で調べる。


「確かに、10人いるな。」


「よっしゃ、さっさと罠しかけとこ。」


シグは馬車の中でごそごそと道具をあさり出す。


「おい、アッシュ、馬車強盗が来るぞ!」


「おう、わかった!!」


ラシュはアッシュに教えると、ひらりと馬車の屋根に登った。ラシュは屋根に魔術陣を描く。


「何の魔術陣や?」


下準備ができたらしいシグが、屋根の上に登り、描いてある魔術陣を見て首をひねる。


「防護だ。馬車を燃やされても困るからなぁ。それに人間だと、サイカが実験し始めるだろ、きっと。ザックたちが巻き込まれないように、な。」


「確かに。っとそろそろ来たみたいや。」


説明を聞いたシグは、気配を感じ、周囲へと視線を巡らす。

馬車と併走するように現れたのは黒い馬に乗った馬車強盗たち。

馬車へと寄せてくる先頭の馬に、アッシュの大剣が襲う。かろうじて避けた強盗がアッシュを見て叫ぶ。


「うおっ、こいつ、馬と同じ速さで走ってんのかっ?!」


「おいおい、気付いていなかったのかよ。アクアスピア。」


「うぐっ。」


「がっ。」


馬車の上から呆れてつぶやくラシュがアクアスピアを放つ。ラシュのアクアスピアは確実に強盗たちの足を狙い撃つ。強盗達も、なかなかしぶとく、馬から落ちない。


「馬車を止めますか?」


御者をしているジャクソンが馬車内に声をかける。


「いえ、それには及びませんよ。」


サイカは御者席に立つと、経典を開く。


「アッシュ、よいですよ。」


「よし!行くぞ、サイカ!!」


アッシュが再び大剣を振り回す。狙いは馬ではなく、上に乗っている強盗たちだ。


「がはっ!!」


一人がアッシュの大剣に吹き飛ばされ、サイカの近くへ吹き飛ばされる。


「オン アミリティ ウン ハッタ、握りつぶせ。」


経典が光り、飛ばされた男が空から現れた握り拳に握りつぶされる。

まるで神の腕が空から現れたようだ。


「がああっ!!」


二人目がアッシュに飛ばされる。


「オン シュチリ キャラロハ ウン ケン ソワカ」


さらに経典が光り、腕がどんどん増えていく。ついには吹き飛ばされていない強盗たちも、腕に捕まり、握りつぶされていく。とうとう、10本の腕が10人の強盗を捕らえ、握りつぶした。


「ナウマク サンマンダ バザラダン カン」


カッと今までで一番強い光が経典からあふれ出し、強盗達が炎に包まれる。


「えげつねぇ。」


「俺の出番が無い・・・。」


ラシュとアッシュが呟く。


炎が消えると同時に腕も消え、10人の強盗の姿も消えた。


「やっほー、馬、ゲット~!!」


ひっそりと馬車の上から降りて逃げて行った馬を全て捕まえたシグが楽しそうに戻ってきた。馬車の中で準備していたのは、馬を奪うための仕掛けだったようだ。


「で、今日は何を試したんだ?」


シグが捕まえた馬を馬車につなぎ、全員馬車に入ったところで、ラシュがサイカに尋ねた。


「今日は明王招来で腕を招き、憤怒の炎で燃やしました。やはり、業の深い人間に対しては効きがよかったようです。経典の効果もよいですね。さすがに、明王招来ですから、全員連れて行かれてしまいましたが。」


「あいつらどこ行ったんだ?」


アッシュが尋ねると、サイカがふふと笑う。


「さあ、明王のいるところですかね。」


「地獄か?」


「さあ、どうでしょう。明王のみぞ知るといったところでしょうか。」


「・・・なんや、それやったら褒賞金ないやん!!」


シグがサイカにつめよる。


「せっかく金になる獲物やったのに。根城を吐かせば強奪品も手に入れられたやんか~!!」


「おや、すみませんねぇ。悪徳には制裁を、と思いましてねぇ。」


「嘘や~。絶対あれ試したかっただけやろ!!」


「それもありますが。」


「しゃーないな、あの馬売るしかないやん!!」


ぷりぷりと怒るシグに、全く気にしていないサイカ。


「ラシュ、俺、走ってくる。」


「おう。馬も手に入ったし、馬で併走するか。シグ、一頭借りるぞ。」


アッシュが馬車から降りて走り、ラシュは後ろにつながれている馬へひらりと乗ると、紐を外してアッシュと併走する。


「な、ラシュ!売りものやって!!まあ、ええか。どうせ強盗の馬やしなぁ。」


「まあ、アッシュが馬をどうにかしないか、ということの方が重要です。」


「そうや!アッシュが馬をつぶすっていうこともありうる!!」


「ラシュがついているなら大丈夫でしょう。」


「そうやな、ラシュがいればなんとか・・・」


シグは不安げに馬車の中から外の様子をうかがう。馬車の横をラシュ、アッシュの順に併走している。


「ただ走っているだけだと、そろそろつまらないから、技を出してもいいか?」


「やめろ、馬車が壊れたら困る。」


「そうか!じゃあ、やめとく。」


「不安だ。」


「不安ですね。」


馬車の中からサイカとシグがつぶやいた。

設定13

僧侶は仏教系なので、仏様関係の魔法がいろいろ使える。ただ、仏の加護がもらえたりするわけではない。菩薩の姿の降臨や明王による攻撃などは高位の僧侶が可能。つまりサイカは結構高位の僧侶にあたる。

神官だと神を招来することも可能。全身は無理でも、一部分なら手伝ってくれる神がいる。神によりけりとも言える。

結構神話がごった煮の世界だと思って頂けたらよいかと。

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