12 希少な小動物との遭遇
アッシュのトラブル吸引体質は魔物に発揮されると、あとは運。
「おい、シグ~。全部外したか~?」
「大丈夫や。このあいだはうっかりしてたけど、今回は大丈夫やで。」
シグが仕掛けた罠を解除しつつ、シグの仕掛けた罠に引っ掛かっていた魔物にアッシュが全てとどめをさしてかついで馬車まで帰って来た。
その間にラシュは朝ご飯を用意して提供していた。
「今日の飯は~?!」
「昨日の夜仕留めたビアベアのスープといつもの。」
腹を空かせたアッシュはすぐに食べ始める。ラシュ達もゆったりと朝ご飯を食べ、馬車は再び進み出した。
昼ご飯を食べていると、一匹の魔物が現れた。ピンク色にそまったリスのような生き物だ。ただし、大きさは子犬ほどである。見つけたミーシャは思わず声をあげた。
「姫リスだっ!かわいいっ!!」
現れた姫リスはおずおずとスープをついでいたラシュの所へと進む。アッシュの隣まで来ると、ラシュはそっとスープを置いてやった。アッシュががつがつと食べている隣で、姫リスはアッシュとラシュと皿を見て、スープを食べ始めた。ゆっくりと食べる様子に、ラシュはくすりと笑う。
「今日は運がええなぁ。姫リスを見つけるなんてめっちゃいいことあるで~。」
飛び出していこうとしていたミーシャを、シグは片手で引き留めた。
この姫リス。すばしっこく、警戒心が強いため、滅多に人里に現れない。基本的に木の上で過ごすため、人は見つけにくいのだ。森の木の中にまぎれてしまうとさっぱりみつからない。こうして人前に出てくるのはめずらしいのだ。
めずらしいが故に、見つけたら幸運をもたらすと考えられている。
また、密漁されることもあり、高級ブランド毛皮に使われていたりする。
「ええ、ですが、あれらはラシュとアッシュにしか懐きませんから、近づいてはいけません。」
姫リスに触りたいミーシャだったが、シグとサイカに止められ、仕方なくみつめるだけにする。
「捕まえないのですか?」
「こういう弱くて珍しいのは基本的に逃がすようにしてる。俺らのところによく現れるのは俺たちが敵意の無いことを感じ取っているからだ。」
ザックに問われ、ラシュは姫リスを脅かさないようにそっと説明する。
「あそこに姫リスの親子がいるみたいだが、手を出すなよ。」
ラシュの言葉に、ザックたちはその木の枝を見る。すると、大きな木の枝にたくさんの姫リスたちがいた。
「まあ、依頼がありましたら引き受けないわけではありませんがね。」
サイカが付け足す。依頼があれば捕まえるが、希少な魔物であり、攻撃してこないものにいちいち攻撃する必要はないのだ。ラシュからもらったスープを半分ほど飲むと、姫リスは一度木の上に帰って行く。そして今度はほかの姫リスたちも連れて、同じ道をつかってラシュのところへと向かう。
「どんだけ食べるつもりだ、こいつら。」
仕方ないとラシュはかばんから皿を取り出してスープを並べてやる。
「今なら触っても大丈夫やで。」
姫リスが食べ始めると、シグはミーシャを連れて姫リスの傍へと進む。
食べているその背中をなでると、毛皮がとてもやわらかく、触り心地がよい。
「うわあ、かわいい。」
「やろ。めっちゃやらかい。」
二人は嬉しそうに姫リスをなでている。
「触るか?」
ラシュがザックとジャクソンに声をかける。
「逃げられないか?」
「背中ぐらいなら触っても大丈夫だ。」
ザックがラシュの傍まで行き、そうっと姫リスの背をなでる。
「すごいな、魔物がこんなにかわいく思えるなんて。」
ザックは楽しそうになでている。
もふもふを堪能して一行は再び旅路を進みんだ。
設定12
姫リスなど小さな魔物で、希少価値の高いものはギルドに持って行くと研究対象になる。
モノケロースなど、希少価値が高いが、強いものに関しては、何か妨害するようなことがあれば、つぶすのが普通。珍しい生き物がたくさんでてくるのは珍しい。




