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11 野宿は食料ほいほい

通常の野宿は、そんなに魔物も来ない・・・はず・・・

寝袋でごろりタイプだと思う。

テントなんかない・・・はず・・・

「この辺りで夜を明かそうと思います。」


「わかりました。」


馬車を止めて、ザックがラシュたちに声をかけた。ジャクソンの隣に座っていたサイカが返事をして馬車から降りる。


「おれ、・・・薪・・・拾ってくる。」


馬車の後ろを走って来ていたアッシュは、ふらふらしながら林の中へと入っていく。


「アッシュだけじゃたりないやろ、うちも行ってくるわ。」


シグがアッシュの後を追いながら林へと入っていく。


「二人とも、逃げたな。」


「逃げましたねぇ。私もあちらの川で水を汲んできましょう。」


二人がすぐに消えた後を見てラシュがつぶやくのに返事をしながら、サイカもさっさと歩いて行ってしまった。


「ザックさんたちは馬車で寝る予定か?」


「ええ、そのつもりです。」


「わかった。一応女性のシグも馬車の中で寝させてもいいか?護衛として中に一人は居た方がよいだろう。」


「なるほど。わかりました。」


ラシュはザックと話をつけると、少し離れたところでかばんから、テントのセットと寝袋を取り出す。一人で簡易なテントを建ててしまう。アッシュたちはこれが面倒くさくて逃げたのだ。さらに石を集めて即席のかまどをつくる。

ザックたちが馬を休めたり、馬車内の寝床をつくっている間に、ラシュは一人でさくさくと作業を進める。

しばらくしてサイカやアッシュたちも帰ってくると、シグは馬車内の自分の寝床をつくり、サイカとアッシュで机を並べ始める。


そのうちに、ラシュが食事を作り終え、みんなで食べ始める。


「ラシュさんは本当に料理がお上手ですね!!」


ミーシャがスープを飲んで、目をきらきらさせてラシュを見る。

たった半日でミーシャはラシュの料理のファンになったようだ。


「そうか?まあ、喜んでもらえてよかった。」


「ラシュのめしはうまい!」


アッシュが嬉しそうに話す。あまりにおいしそうに食べるので、みんなの食欲が進む。


「ラシュ、おかわり~!」


「シグ、もうないぞ。」


「えー、もう一口食べたかった-。」


「おれもー。」


「「おまえ(あんた)は食べ過ぎだ(や)」」


二人にアッシュがつっこまれる。

食事が終わると、たき火のみ残し、全てを片付ける。


「あ、今日はシグが馬車で警護するから、おれたちで見張りな。」


「よっしゃー!ラシュ、おれ最後がいい!!」


「私は最初がいいですね。」


「おー、じゃあ俺が2番目な。じゃ、先に寝るぞ-。」


ラシュはさっさとテントの中に入り、寝てしまう。


「えー、ラシュもう寝るのか~。じゃあ俺も寝よう。」


ラシュに続いてアッシュもテントの中へ入る。


「私はもう少しここで日誌を書きます。」


「ええ、どうぞ。見張りはこちらへお任せ下さい。」


ザックがたき火の明かりで文字を書く横で、サイカは静かに本を読んでいる。

馬車の中ではミーシャとシグが女子トークをし、ジャクソンは早々と寝てしまっている。


しばらくしてザックも馬車へと入ると、サイカのみを残して静かな夜を迎えた。




「ウオーン!!ギャオー!!」

「ギャギャガギャー!!」

「ガゴー!」


「おや、シグの罠にかかったようですねぇ。そろそろよい頃合いですね。」


サイカがつぶやく。サイカは動じることなくテントへと入る。


「おう、お疲れ、サイカ。」


「おや、もう起きていましたか。」


「お前、起こすのに何かするつもりだったんだろ。」


「ええ、笑い茸と下剤を混ぜたものを飲ませようかと。」


「ふざけんなっ!!」


ラシュはぶつぶついいながらテントから出て行く。


「からかいがいがありますねぇ。」


くすくすとサイカは笑って寝袋に入った。


「あのやろう、からかいやがって。っと。」


ラシュはサイカが馬車の周囲を覆うように作った結界魔法『護法結界』の様子を見て、問題がないことを確認すると、『魔力探知』の範囲を広げていく。


「めずらしく少ないな。護法結界に阻まれているのは5体か。

 ・・・これはシグの罠にかかった魔物か・・・10体?こっちも少ないな。」


ラシュはすたすたと歩くと、護法結界に阻まれているグレイウルフ3体を強めのインパルスを放って麻痺させる。さらに違う方面にいるブレイズドッグ2体を腰に差していたショートソードで狩る。魔術師とはいえ、接近戦をこなせなくてはアッシュの相棒など務めることはできないのだ。とはいえ、2体同時が厳しかったらしい。かみつかれそうになったところを、アイシクルを放ち、とどめをさした。


「ちょっとなまってんな。」


ラシュはショートソードを拭うと、たき火の傍へと戻り、静かに夜を過ごす。

2度ほど集まってきたブレイズドッグをショートソードで屠ると、そろそろかとアッシュを起こしにテントへ入る。


「おい、アッシュ、起きろ。」


「うう、あ、ラシュ。」


「見張り、交代しろ。」


「わかった。」


アッシュは大あくびをしながらテントから出る。ラシュは入れ替わりにテントへと入った。アッシュは大剣を一振り、二振りすると、護法結界の外へと向かう。


「やあっ!!」


麻痺していたグレイウルフ3体を倒すと、さらに現れたビアベアへと斬りかかる。アッシュは夜が明けるまで10体のホーンラビット、3体のビアベア、10体のブレイズドッグを倒しては護法結界の外に積み上げていた。


「今夜は意外と少なかったなぁ。早く朝にならないかな。腹減った・・・」

設定11

馬車で野宿する場合は、冒険者たち護衛は傍で上着をかぶって寝る程度。野宿で凍死するような時期はしない。結界もたいていは魔石を使うため、アラーム代わりにしかならないことが多い。サイカの護法結界を使うのは破格の待遇。単にサイカが読書を邪魔されたくないだけ。護法結界なので、魔に対する法力が働くため、アッシュは出入りできる。

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