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第五十五話

「さ、才能が二十八回も強化されている……? に、『二十回クラス』の実力者?」


 ツクモのステータス画面を見ながらリリアが信じられないといった表情で呟く。


 この世界の人間と魔物が才能を強化して身体能力を底上げできる回数は、一部の例外を除いて二十回前後とされている。


 その為、世間の人々は経験を重ねて二十回以上才能を強化した戦士を「二十回クラス」と呼んで、畏怖と尊敬の目で見ていた。


「ツクモさんの実力を理解したようでござるな? ツクモさん達、猫又一族は『自動才能強化』という修練を積めば自動で才能が強化される種族特性を持っていて、猫又一族は最低でも十回以上才能を強化しないと里の外に出ることが許されんのでござる。ちなみにそこにいるタマとミケも十回以上才能を強化しているでござるよ」


「「……」」


 リリアの反応に気をよくしたツクモが笑いながらタマとミケを紹介すると、二人の猫又は笑みを浮かべて会釈する。


「まあ、ツクモさんより才能を強化した回数が多いのはアルの母親のアストライア殿くらいでござるな」


「アルハレム様のお母様も二十回クラス!?」


「………!?」


「そんな、に、強い、の? 我が夫、の、母君?」


 アストライアの方がツクモよりも才能を強化した回数が多いという事実にリリア、レイア、ルルが目を丸くして驚く。


「実力主義のギルシュでも特に力を優先しているマスタノート家の当主が、お手伝いとはいえ部下より弱いなんて示しがつかないでござるからな♪ それに……って、おーい、そこの三人ー! ちょっと来てほしいでござるー!」


 ツクモはそこで言葉を止めると、向こうの方で部下と話していたアイリーンとアルテアにアリスン、アルハレムの姉と妹を呼んだ。


「どうした、ツクモ? もうそろそろ出発の時間だぞ?」


 呼ばれてきたアイリーン達にツクモはリリア達三人の魔女を横目で見てから話しかける。


「いやいや、出発の前にリリア達にアイリーン達のステータスを見せてやってほしいでござるよ。ほら、仲間の実力を把握していないと戦いで困るでござるからな」


「何? ……まあ、それもそうか。ステータス」


「私は別に構わないけど。ステータス」


「……仕方ないわね。言っとくけど、お兄様の一応僕だから特別に見せてあげるんだからね。ステータス」


 アイリーン、アルテア、アリスンはツクモの言葉に納得の表情で頷くと自分達のステータス画面を呼び出してリリア達に見せた。



【名前】 アイリーン・マスタノート

【種族】 ヒューマン

【性別】 女

【才能】 15/72

【生命】 600/600

【輝力】 610/610

【筋力】 112

【耐久】 116

【敏捷】 115

【器用】 58

【精神】 60

【特性】 冒険者の資質、奇跡の肉体

【技能】 ☆身体能力強化、☆紅炎刃、☆蒼雷刃、☆蒼紅炎雷刃、★中級剣術、★中級短剣術、★中級格闘術、★中級弓術、★中級槍術、★中級馬術、★中級泳術、★中級交渉術

【称号】 双剣の戦姫、次期マスタノート家当主候補



【名前】 アルテア・マスタノート

【種族】 ヒューマン

【性別】 女

【才能】 8/26

【生命】 410/410

【輝力】 410/410

【筋力】 40

【耐久】 46

【敏捷】 40

【器用】 41

【精神】 43

【特性】 冒険者の資質、癒しの光

【技能】 ☆身体能力強化、★中級杖術、★初級格闘術、★中級馬術、★中級調理、★初級薬術、★初級交渉術

【称号】 慈悲の聖女、マスタノート家の癒し



【名前】 アリスン・マスタノート

【種族】 ヒューマン

【性別】 女

【才能】 3/31

【生命】 210/210

【輝力】 300/300

【筋力】 26

【耐久】 31

【敏捷】 27

【器用】 27

【精神】 27

【特性】 冒険者の資質、長期間活動

【技能】 ☆身体能力強化、☆ギガントアーム、★中級剣術、★中級槍術、★中級杖術、★中級馬術、★中級泳術

【称号】 戦場で遊ぶ悪童、兄を愛する貴族



 ステータス画面に記されていたのは、貴族の令嬢というよりは歴戦の戦士といった高い身体能力の数値と技能の数々。


「「「…………………………………………!?」」」


 アイリーン達のステータス画面を見て目を限界まで見開くリリア達にツクモが顔を近づけて囁く。


「これから先もずっとアルと一緒にいるつもりなら、この武闘派家族に慣れといた方がいいでござるよ♪」

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