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第百六十九話

 結局、セイレーンの魔女とワイバーンのドラゴンメイドの二人を仲間にすることに決めたアルハレムは、二人を仲間にするべく契約の儀式を行った。


「それじゃあ二人とも、俺の仲間になってくれるな?」


「うん。いいよ」


「ああ、構わないよ」


 部屋の床に四本の儀式の短剣を突き刺して作り出した光の陣の中でアルハレムが仲間になるかどうか確認をとると、セイレーンの魔女とワイバーンのドラゴンメイドが了承をする。すると二人の胸のあたりから光の玉、魂が出てきて魔物使いの青年の中に入っていき、契約の儀式は無事に完了した。


「これでまた新しい仲間が二人か……。全員合わせて十一人、随分な大所帯になったな」


「本当ですね。旅を始めた頃と比べて賑やかになりましたね」


 リリアはアルハレムの呟きに相槌を打つと彼の顔を見て口を開いた。


「それでアルハレム様、少しお話があるのですが……」


 ☆★☆★


「はい。アルハレム様、終わりましたよ」


 数分後。リリアはアルハレムに一枚の光の板を手渡した。それは魔物使いの青年が呼び出した、彼の能力を記したステータス画面であった。


 リリアは部外者であるミナル子爵に部屋を出てもらうように頼んで彼が退室すると、次にアルハレムにステータス画面を呼び出してほしいと申し出たのだ。飛行船のダンジョンで自分の主が大勢の敵と戦った話を聞いたサキュバスの魔女は、今ならば才能を強化できるかもしれないと考えて確認してみたら、彼女の予想通りに才能を強化できるだけの経験値がたまっていた。


「ダンジョンでは随分とご活躍をしたのですね。才能が一度に二回も強化できましたよ。それに……ふふっ♪」


「……? 何だよその笑いは?」


 小さく笑うリリアを奇妙に思いながらもアルハレムは手渡された自分のステータス画面を確認する。



【名前】 アルハレム・マスタノート

【種族】 ヒューマン

【性別】 男

【才能】 6/55

【生命】 1960/1960

【輝力】 0/0

【筋力】 37

【耐久】 38

【敏捷】 37

【器用】 42

【精神】 44

【特性】 冒険者の資質、超人的体力、力の模倣

【技能】 ☆身体能力強化(偽)、☆疾風鞭、☆轟風鞭、★中級剣術、★中級弓術、★中級馬術、★初級泳術、★契約の儀式、★初級鞭術

【称号】 家族に愛された貴族、冒険者(魔物使い)、サキュバスの主、ラミアの主、グールの主、猫又の主、霊亀の主、ギルシュの勇者、インテリジェンスウェポンの所有者、ゴーレムの主、セイレーンの主、ワイバーンの主、見習いハーレム王



「…………………………おい。何だこれは?」


 ステータス画面に記された情報、正確には称号の欄にある「見習いハーレム王」という文字を苦虫でも噛み潰したような顔で見ながら呟くアルハレム。そんな魔物使いの青年にサキュバスの魔女は笑みを浮かべながら話しかける。


「別にいいじゃないですか。アルハレム様は魔物の中でも上位の存在である私達魔女を大勢従える稀代の魔物使いとなるお方。この称号もその始まりだと思えば名誉なことだと思いますよ」


「………」


「確か、に、今更、な、称号、かも」


「そうでござるな。というか今までのアルハレム殿の周りを見ていたら今までその称号がなかったほうが不思議でござる」


「は、ハーレムって……わ、私もお兄様のハーレムに入っているのかな……?」


「あ、あの旦那様。私はあまり気にしなくてもいいと思いますよ?」


「一度ステータス画面に記されたら二度と消すことはできないんですから諦めたらどうですか、マスター?」


「ハーレム王ですか。『王』というのはいい響きですね」


「まあ、英雄と権力者には女性が集まるっていうんだから、今その称号がつかなくてもいつかはついていたんじゃないの?」


「そもそもハーレムってのは男は一度は見る夢の一つだろ? 何が不満なんだい?」


「……」


 リリアだけでなくレイア、ルル、ツクモ、アリスン、ヒスイ、アルマ、そして新しく仲間になったゴーレムの魔女とセイレーンの魔女にワイバーンのドラゴンメイドにまで言われて、アルハレムは何も言えなくなった。

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