第百四十六話
今回も文字数千文字以下で申し訳ありません。
「あっ、戻ってきた」
アルハレムとアルマが真紅の髪の女性を見ているとセイレーンの魔女が二人が戻ってきたことに気づく。
「ちょっと遅かったね。何かあったの?」
「いや……。アルマと少し話していたんだけど……彼女は?」
アルハレムは階段を降りて広間にいるセイレーンの魔女に答えてから真紅の髪の女性に視線を向ける。真紅の髪の女性はアルハレム達に気づいていないのか、今も骸骨の人形達の残骸を集めていた。
「ああ、コイツ? コイツはアタシと一緒に貴方達をここに連れてきた魔女だよ。『ワイバーン』の魔女。……いや、『ドラゴンメイド』って言った方がいいのかな?」
「ワイバーン!?」
「しかもドラゴンメイド……!」
セイレーンの魔女の言葉にアルハレムとアルマが絶句する。
ワイバーンとはこの世界に生きる全ての魔物の中で「最強」とされている魔物「ドラゴン」に属している種族の一つである。ワイバーンはドラゴンの中では下位に位置する種族だが、その実力は他の魔物とは比べ物にならず、魔物の中でも上位の存在とされている魔女にも匹敵するとされている。
そしてドラゴンの一族は、ごくまれに人間の女性に似た姿と輝力を操る能力を持った個体を産むことがある。このドラゴンの血を引いた魔女こそが「ドラゴンメイド」である。
ドラゴンの戦闘能力の高さに加えて輝力を操ることができるドラゴンメイドはもはや「生きる災害」と言っても過言でもない。セイレーンの魔女の話を聞いたアルハレムの額に一筋の冷や汗が流れた。
「彼女がワイバーンのドラゴンメイド……?」
言われて見れば真紅の髪の女性の頭部には二本の角が、臀部には鱗に覆われた尻尾と、翼と脚以外にもドラゴンを連想させる要素があった。
「ふ~んふふ~ん♪ おっ宝♪ おっ宝~♪」
「……とてもそうとは見えませんけど」
今も鼻唄を歌いながら骸骨の人形達の残骸を集めているワイバーンのドラゴンメイドを見てアルマが呆れたように呟いた。
今回の新キャラは最初、「ワイバーン」という種族の魔女として出す予定でした。
しかし途中でこれから先に別のドラゴンの魔女も出したいと思い、「魔女の特徴を持つドラゴンの変異種=ドラゴンメイド」という設定を新たに作ってみました。
龍系の魔女をリクエストしてくれた遊び連合さん、ありがとうございます。
これからも魔女のリクエスト、待ってます。




