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6.

5月5日(水)


6.



翌日、水曜日の朝。


私は親睦会に美智と一緒に行こうと思って、家に電話を掛けた。


だが、あいにくすでに部活で出た後だったらしく、家には美智の母親しかいなかった。


しかも、今日は一日中部活で、終わるのは夕方になるんだとか。


一応ケータイにも掛けてみたが、こちらも捕まらなかった。


多分練習中で手元に置いてないのだろう。


まぁ夕方から始まるのだから、部活を終えた後で直接教室に向かうだろう。



ちぇ、美智がいれば自転車で学校まで行けたのに。



おじぃとおばぁはまだ寝ている。


私は台所で昨日の残り物をあさってきて、それを朝食にした。


その後、ボーッとしてるのもなんだったので、買い物に出かけることにする。


夕飯の材料と、お昼に食べる為の惣菜を買い込む。


おじぃは歯が弱いのであんまり固いものは選ばない。



家に帰ると、おばぁは起きてきていた。


夕飯の下準備だけすませ、冷蔵庫に入れておく。


もうすぐ11時だ。そろそろ、おじぃも起きてくるだろう。




なんだろう。妙に落ち着かなかった。




なんだかよくわからないが、今日の私は変な焦燥感にかられている。


何かをしていないと首の後ろがむず痒いような、引っ張られるような感覚。


そんなにも私は夕方から始まる、クラス親睦会が待ち遠しいのだろうか。




そうこうしているうちに居間の時計の針は4時を指していた。


あと30分ほどで家を出なくてはならない。


そこで気付いた。


今日は私服でいいのだろうか。


私はしばらく悩んだが、無難に制服を着ていくことにした。


身支度を整え、時計を見ると、4時20分を少し回ったところだった。


まぁ、少し早く着いてしまうけど遅れるよりはいいか。



私は家を出た。




2年B組の教室に到着する。


まだ誰も来ていないようだった。



はぁ……。やっぱりちょっと早かったかな。


何でこんなに焦って来てしまったんだろう。



私は自分の席に座り、そんなことをボーッと考えていた。




5時を少しまわった頃、数人の男子が現れた。ぞろぞろと。一斉に。


その中央には、柏木くんも混じっていた。


二人の男子が廊下に出て扉の前に突っ立っている。


よく見れば、その一方は榎本くんだった。



この頃になるとさすがにこの場の異常さに私も気付いていた。



……よく考えてみろ。


私はこの場に早く来たと言っても、たかだか10分か、そこらだ。


前もって計画されていて、5時にイベントが始まるのなら、10分前の現場が無人なんて、あり得ないじゃないか。


その時点ですでにおかしかったんだ。




――あぁ、そうか。




もし虫の知らせというものが存在するのなら、今朝から感じていた、あの焦燥感こそがそれだったんだろう。


この場に集まった男たちの視線がすべて私に向けられていることに気付き、完全に悟る。




―――私は、こいつらに、ハメられたのだ。




連中の勝ち誇ったようににやけている顔をひとつずつ眺めながら、私は、



『あぁ、前に美智と見たアダルトビデオでこういうのあったなぁ』



……などと、バカなことを考えていた。


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