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ゴブリンの王国  作者: 春野隠者
群雄時代
310/371

ギルギメル平原の戦いⅢ

 ギルギメル平原の戦いが始まって1刻。

 戦況は徐々にゴブリン側に傾きつつ在る。ギ・グー・ベルベナ率いるフェルドゥークの前衛戦力が、シュシュヌ教国側の長槍兵を押し始めているのだ。

 長槍の間合いの内側に潜り込まれて斬りかかってくるゴブリンの攻勢は、歩兵戦力だけに限って見ればシュシュヌ教国を圧倒している。だが、シュシュヌ教国側は後退を繰り返しながらも未だ崩壊には至っていない。

 彼らの後ろに控えるのは戦姫ブランシェ・リリノイエ。“串刺し公女”とも言われる苛烈な指揮者である。特に歩兵達はシュシュヌの庇護下にある小国から抽出された戦力である。彼女の意に反した国がどうなるのか、つい先だってまざまざと見せつけられたばかりだった。

 数少ない常備軍から引き抜かれた彼らは、それだけに必死に戦わざるを得なかった。逃げれば、故郷は串刺し公女の怒りに触れる。国に忠誠を誓う者程必死になって、ゴブリンの攻勢を受け止めねばならなかった。

 とは言っても、ゴブリン側の攻勢も凄まじい。

 これまで幾多の戦を潜り抜けてきた教訓を充分に生かしたフェルドゥークの戦い方は、ゴブリンの攻撃力をこれ以上ない程に高めていた。

 だが、それでもシュシュヌ教国側を崩せないのは、敵の騎兵戦力が未だに大きな脅威となって左右から彼らを分断しようと狙っていたからだ。

 シュシュヌ教国側は横陣を敷いている。

 最前列には諸国の歩兵と弓兵。第二陣には騎馬兵達。第三陣には弓兵達。シュシュヌ教国側は戦闘が始まると、すぐさま基本的な形から第二陣を分断して左右に配した。

 その左右に配した騎馬兵達がゴブリン側の攻勢が強まると突撃の姿勢を見せるのだ。半円状に展開したゴブリン達は、敵と交戦に入るや陣形が変化していた。敵と交戦している所は同じく横陣になり、左右の兵は突撃の姿勢を見せる騎馬兵の牽制である。

 本来ならば左右の兵を推し進めて敵歩兵を半包囲下に置き、殲滅へと持っていく筈だったが、騎馬兵の動きはゴブリン側の予想を上回って俊敏であった。

 ゴブリン側の騎馬兵を率いるのは誇り高き血族(レオンハート)のザウローシュ。熟練の指揮官であると同時に、鎌槍を使う優れた戦士である。

 だが、シュシュヌ教国側には遠距離から攻撃出来る弓騎兵と魔導騎兵が彼らの倍以上存在している。特に魔導騎兵は戦姫の直轄であり、熟練の魔法使い達が揃っている。

 優男の号令で動く彼らは、突撃の構えを見せる槍騎兵を援護する形で左右から魔法弾を浴びせるだけで、ゴブリン達の進撃速度が落ちることを知っていた。

 ザウローシュとて、その状態を打ち破ろうと指揮する兵を率いて積極的に槍騎兵に戦いを仕掛けているのだが、そもそも兵数が少なく、援護に徹する騎馬兵達は一撃を加えると直ぐに離脱してしまうので、会敵すら困難だった。

 草原という障害物が殆ど無い戦場に合わせて、彼ら魔導騎兵達は魔法弾の威力を調整し強烈な一撃を加えるよりも射程を長く保つことに重点を置いている。

 普段よりも長い射程で積極的に交戦するつもりがないとなれば、如何にザウローシュが歴戦の指揮官といっても敵を捉えるのは難しかった。

「やり難い……! が、このままでは終わらん」

 ただ、ザウローシュもこのまま敵が遠距離からの攻撃に終始するとは思っていなかった。今は歩兵で蓋をされた状態だが、敵の歩兵は直ぐにでも崩れそうに見える。その時こそが勝負時だと己に言い聞かせ、湧き上がる焦りを沈めていた。

 一方、軍師であるプエル・シンフォルアはザウローシュよりも更に広い視野で戦場を見渡していた。早晩敵の歩兵はゴブリン側の攻勢に耐え切れなくなる。敵が弱いというより、幾多の戦いで実力を付けたフェルドゥークのゴブリン達が強いと言うべきだろう。

 それは良い。

 だが、そんなことは当然敵も分かっている筈だ。

 これまで直接干戈を交える機会は無かったが、戦姫ブランシェ程の戦巧者ならばゴブリン側の身体能力の高さは確実に把握している。その上で何らかの対策を講じてくる筈だとプエルは考えていたが、未だにシュシュヌ側からの動きはない。

「或いは、思い過ごし……?」

 ゴブリン側の戦力を読み違えた? そう考えて、プエルは首を振る。

 そのような誤算を期待出来る相手ではない。

「ですが、何れにしても攻勢を強めましょう」

 敵がどんな策を練っていようが、歩兵を尽く討ち取ってしまえばそれを使うことは出来ないだろう。フェルドゥークに前列の交代を指示すると、最前線での戦いは一層激しさを増す。

 戦い疲れた前衛を交代させ、攻勢を強めると敵の後退が加速していくのが手に取るように分かる。それに比して討ち取られる敵の歩兵の数も増えていく。

「……まさか」

 一旦頭を整理すべく軍の配置を見直したプエルは、直感的に嫌なものを感じた。正面に蓋をするように歩兵の戦列。左右に2000近くの騎馬兵。

 もし、である。

 この状態で後ろに誰かが来たのなら──。

「む?」

 それに気が付いたのはゴブリンの王が最初だった。激しく動く最前線には目もくれず、王は後ろを振り返った。

 目を細めるゴブリンの王に、プエルは背筋の凍る思いで自身も振り返る。

 遠くに見える土煙は、この戦の根底を覆す敗戦の足音に聞こえた。


◆◆◇


 ギルギメル平原の戦いが始まる3日前。

 シュシュヌ教国からの別働隊としてクシャイン教徒側に侵攻した戦乙女の短剣(ヴァルキュリア)の中にブランシェは居た。彼女からすれば、クシャイン教徒にゴブリンとの戦に介入されたくないとの思いがある。ならば先制の一撃を加え、手を出させる余裕を失わせた上でゴブリン達と雌雄を決するのを選んでいた。

「ふむ。士気も高く、中々の戦巧者ぶりじゃの」

 全身鎧を纏ったブランシェは、ヴァルキュリアの指揮官ファルの直ぐ近くに侍る従者として、その姿を隠していた。

「盟主が居られるお陰でしょう。皆、奮い立っております」

「元、盟主じゃ」

「はっ!」

「さぁて、邪教徒共に先制の一撃は加えたことだし、そろそろ戻るとするかの」

 散歩にでも行くかのような気楽な調子で彼女は笑う。フルフェイスのヘルムを脱ぎ捨てて黄金色の髪を風に靡かせると、戦場跡を見渡した。

「これから戻れば、ゴブリン共の後背を取れよう」

「速度は如何程に?」

「無論、最強行軍でじゃ」

 にんまりと笑みを浮かべるブランシェは、ゴブリン達の行動速度をほぼ正確に読み切っていた。赤の王の遺産である諜報組織はエスガレの死によって弱体化したが、目的を一つに絞れば未だ使うことが出来る。

 集めさせた情報を元に予測を立てた上で、彼女はクシャイン教徒に戦を仕掛けていたのだ。誘い込まれるようにして来たゴブリンの軍勢を、ギルギメル平原で待ち受けるのも、彼女の指示である。

 ゴブリン達が城攻めを選択していれば話は別であっただろうが、これまでのゴブリン達の戦歴を見る限り、重要な戦いでは常に平原での決戦を志向している。シュシュヌを下すとあらば、当然ブランシェを除かねばならない。その力の源泉である魔導騎兵達も同様である。

 ならばこそ、彼らは平原での決戦に拘るだろうと読んだのだ。

 決戦に勝利し、速やかにシュシュヌ教国を平定し、次なる戦場を東に求める。何が理由かは知らないが、ゴブリンの進軍速度と国を平定する速度は異常ですらあった。

 まるで何かに突き動かされるように貪欲に国を平定し、次の国を攻め滅ぼそうとしている。

 何がそこまで彼らを焦らせるのかまでは流石に分からなかったが、現実問題として速やかな国の平定には決戦の方が都合が良い。現に王都を攻めた旧ゲルミオン王国や旧交易国家プエナは、未だに彼らの統治を良く思っていない反ゴブリン色の強い地域となっている。

 踵を返したブランシェに続き、ヴィラン相手に押していた戦乙女の短剣は全軍がその進路をギルギメル平原へと取る。

「さあ、ゴブリン共よ。優雅に、艶やかに、妾と踊ろうぞ。せめて美しい死に花を咲かせておくれ」

 口元に刻む笑みは、残虐な支配者のもの。

 戦姫は掌の上で踊るが如きゴブリン達を仕留める為、シュシュヌ教国へと舞い戻る。


◆◆◇


 魔導騎兵の中にあって指示を出していた優男の副官は、ゴブリン達の後方から上がる土煙に目を細めた。

「……到着されたようだ。ご苦労だった」

 副官の声に促されて全身鎧を身に付けていた影武者が兜を脱ぐ。冒険者の中から彼女と年格好の似た者を選んで、身代わりに仕立てていたのだ。

「メラン・ル・クード殿。これで私の任務は終わりでしょうか?」

「ああ、ありがとう。これで勝ち筋は見えたな」

 影武者の少女に頷くと、彼は声を張り上げる。

「聞け! 皆の者」

 咳一つ上がらない魔導騎兵達だったが、彼の声に耳を欹てる気配が伝わってくる。

「黄金の髪を靡かせ、黒き鎧を身に纏った我らが戦姫の帰還である! 遥か彼方より駆けたるその雄姿を見よ! 我らが元に馬を進める戦乙女達の姿を! 我らが主の名は戦姫ブランシェ・リリノイエ! 我らの救い主である!」

 副官の言葉に魔導騎兵達の気配が殺気立つ。勝負の時を感じ取り、魔導騎兵達は奮い立った。騎馬兵達の戦意の高揚は、今まで崩壊寸前だった歩兵達をも繋ぎ止める。

 ──戦姫、援軍を率いて来たる。

 その報は、他のどんな言葉よりも歩兵達を勇気付けた。

「あと少し! あと少しだけ踏ん張れば戦姫が敵の後背を蹂躙する! あと少しだ!」

 各国の指揮官達は、声を枯らして歩兵達を鼓舞する。

 逆にゴブリン達は浮足立ってしまう。粘りを見せる最前線の歩兵達。明らかに殺気に満ち満ちた両翼の騎馬兵。そして後背からは大地を駆け抜ける戦姫。一匹一匹は全体の様子など見えなくとも、プエルを始めとした指揮官級のゴブリン達の動揺は、彼らにも敏感に伝わる。

 攻勢が弱るのを転機として、ゴブリン側は防御に比重を割かねばならなくなっていた。

「包囲殲滅などさせるものですか……! フェルドゥークの両翼を騎馬兵に向けて前進! ザウローシュ殿の騎馬兵は王の騎馬兵と共に後方へ! 戦姫を迎え撃ってください! ギ・グー殿に前線を支えるように指示を!」

 逆転されようとしている戦況に、プエルは着実な手を打つ。

「王よ、決戦の時です! 後方に反転し、戦姫と雌雄を決してください!」

 猛々しい笑みを浮かべた王は力強く頷く。反対にプエルは、忸怩たる思いで唇を噛んだ。

「貴方に無理をさせたくはありませんでした。私の力不足です。どうぞご武運を! 決して無茶は為さらないでください」

「プエルよ、何も気に病むことはない! 我が覇道の前に立ち塞がるのが戦姫ならば、この手で討ち取ってくれる!」

 「推」と名付けた肉喰らう恐馬(アンドリューアルクス)に跨った王は両手で大剣を引き抜き、直接の指揮下にある兵達に呼び掛けた。

「前進! 後背の敵を討つ!」

 ザウローシュの率いる騎馬兵を再統合し、前衛として戦姫率いるヴァルキュリアに当てる。ザウローシュに引き続いて王の騎馬隊を投入すれば、如何にヴァルキュリアだろうと負ける道理はない。

 王の身辺を守る為、ガイドガ氏族やギ・ゴー率いる雪鬼達も同行させる。

 妖精族の弓兵はフェルドゥークに同行させた。左右から突撃を図るだろう敵騎兵に対して弓兵の援護がなければ、いくら歴戦のフェルドゥークと言えども苦戦を強いられるだろう。

 前線を押すフェルドゥークが両翼を開いたことにより陣形に隙間が出来る。だが、陣形を密集すれば両翼から突撃をする騎馬兵の蹂躙を受けてしまう。

 一時的に両翼を開き、左右の敵を牽制。後背からの脅威を取り去った後、騎馬戦力で左右の敵を撃破する。それがプエルの狙いであった。

 ギ・ガー・ラークス率いるアランサインに比して、王の騎馬隊は衝撃力で秀でている。少数精鋭の王の騎馬隊は、忠誠心の高さとレア級以上の騎乗戦闘に長けた者達の中から選出されていた。

 騎馬兵が他の兵種と比して特筆すべき点は、速度と衝撃力である。

 魔法兵・弓兵・長槍兵や剣兵などの歩兵。人間の国に存在するどの兵種と比較しても、ゴブリンの王率いる騎馬隊の衝撃力は突出している。その理由は、彼らが騎乗しているのが魔獣と呼ばれる人間では飼い慣らすことが非常に困難な生き物であるからだ。

 瞬間的な加速に加えて、それを乗りこなすゴブリン達の技量。この2つが揃って初めて王の騎馬隊の衝撃力は発揮されるのである。

 だが、元々馬に乗る文化の無かったゴブリン達には一つの盲点があった。

 楔型の突撃隊形を取って、後方から迫るヴァルキュリアを迎え撃つザウローシュ率いる騎馬隊。騎馬隊の衝撃力を発揮する為には加速が必要である。故に彼らは突撃態勢を取った。

 後方の敵を早く撃破せねば、左右に展開する騎馬兵から横撃を喰らう。突進の威力と士気を引き上げる為に選んだ陣形は鋒矢陣。衝撃力を一点に集中させ、向かってくる敵にぶつかっていく。

 彼らの役割は戦姫率いる敵の騎馬隊の足止めである。彼らの後ろには王の騎馬隊が存在する。

 そのことを十二分に分かっていたザウローシュは、鋒矢陣から左右どちらかの迂回を考えていた。擦れ違い様に敵の背後に回り込み、王の騎馬隊の突撃を援護する。そうなれば、敵も後背を取られるのを防ぐ為に此方の円周運動に付き合うしかなくなる。

 鋒矢陣のままに擦れ違おうとしたザウローシュは、敵陣の動きに目を剥くことになる。

「何!?」

 彼らの先頭が、二つに分かれたのだ。

 擦れ違い様に敵を突き崩そうとしたザウローシュの思惑を外れて、彼らはどんどん距離を取りながら離れていく。ザウローシュが真ん中を突っ切る形でヴァルキュリアは左右に分裂。再び合流する気配も見せずに離れていく。

「──右へ向かう! 転回せよ!」

 どちらに向かうか一瞬だけ迷ったザウローシュだったが、彼の脳裏には両側に別れた騎馬兵が此方に襲い掛かってくる図式が見えた。それならば、再び円周運動に巻き込める。

 だが、ヴァルキュリアはまたも彼の思惑を外す。

「我々を無視するのかっ!」

 騎馬兵を相手にするつもりがないヴァルキュアの騎行は、ザウローシュにも彼らの意図を瞬時に理解させた。

 ──奴らの狙いは、フェルドゥークだ!

 だが、気付いた時にはかなりの距離が開いていた。

「このままでは……軍師殿ッ!」

 ゴブリンの王からも、左右に分かれた騎馬隊は見えていた。

「ザウローシュは右へ向かったか。ならば、我らは左だ!」

 大剣を一閃。

 進軍方向を示す王に従い、ギ・ベー・スレイら王の近衛が加速する。

 狙いは先頭に立つ黄金の髪を靡かせる指揮官。

「突撃だッ!」

 王の咆哮に答え、騎馬隊全騎が喚声を上げる。

 左右へと分かれたヴァルキュリアを追って、王の騎馬隊とザウローシュ率いる騎馬隊は左右に分かれた。


◆◇◆


「速いのう。流石は魔獣じゃ」

 迫り来る圧倒的な体軀のゴブリンを見て、戦姫ブランシェは薄く笑みを浮かべた。正面からぶつかれば、如何に練度の高いヴァルキュリアとて壊滅を免れ得ぬ戦力である。

「真面にぶつかれば、じゃがのぅ……弓兵!」

 騎射を部隊として運用し、実戦で自在に使いこなすのは相当に難しい。が、難しいだけで不可能ではない。シュシュヌ教国では、大国故の資金と草原という地勢がそれを可能としていた。

 王家直轄の弓騎兵として有名な彼らは、シュシュヌ教国の誇る一大戦力である。

 更に少数だが、戦乙女の短剣でも騎馬兵が弓を扱うことに成功していた。

 ブランシェの指示によって、疾走する馬の上で弓を構えた兵士達がゴブリンに向かって矢を射掛ける。苦もなく薙ぎ払うゴブリンの王だったが、追撃の速度は鈍った。

「転進! 左じゃ!」

 ブランシェ・リリノイエ率いるシュシュヌの正規軍は騎馬を常用している。大国であるシュシュヌ教国において、速度に勝る三つ目の悍馬(ヒッパリオン)を部隊に組み入れないのは統一性が取れないという理由だけではない。

 魔獣と呼ばれるアンドリューアルクスやヒッパリオン。或いは砂馬(サンドホース)等もそうだが、旋回性においては人間の飼育する一般的な軍馬には及ばない。

 今までは真正面からぶつかるばかりで顕在化しなかった問題を、ブランシェ・リリノイエは正確に突いて来た。不規則な軌道を描くヴァルキュアの騎馬隊に、ゴブリンの王率いる王の騎馬隊は完全に翻弄されていた。

 まるで指呼の間を擦り抜ける魚の如く、奔放に動く戦姫指揮下の騎馬兵達。

 王率いる騎馬兵が如何に直線上を速く駆け抜けようと、ブランシェはそれを躱して騎行を続ける。ぶつかればヴァルキュリアを一瞬で壊滅させる力を持った騎馬隊を遇らうようにして、接近を許さない。

「怖いのう。恐ろしいのう」

 口元に笑みを湛えたまま、ブランシェは指揮を執り続ける。

「じゃから、真面に戦ってはやらぬ。精々歯噛みするが良いわ!」

 細身の剣を指揮杖代わりに騎馬隊を動かす。優雅な舞踏のように次々と振るわれるそれに従い、不規則な軌道を描くヴァルキュリアの騎行は止まらない。

「そぉら、妾を止めぬと……」

 ゴブリン側の突撃を躱し続け、戦乙女の前には既にフェルドゥークの背中が見えていた。

「さあ、敵の背後に殴り込むのじゃ!」

 但し優雅にのぅ? と笑うブランシェ率いるヴァルキュリアがフェルドゥークに背後から襲い掛かった。それを見極めた左右に控える槍騎兵と弓騎兵、更には魔導騎兵も突撃の列に加わる。

 槍騎兵の突撃槍(ランス)がゴブリンの身体を吹き飛ばし、流れる青い血は川を作る程であった。人馬一体となった騎馬兵達の突撃は警戒していたとは言え、後方からの突撃によって乱れたフェルドゥークの両翼に甚大なる被害を齎す。

「耐えよ! 間もなく王の援軍が来る!」

 背後と両側面から襲われたフェルドゥークは、如何にギ・グー・ベルベナが優れた統率力を誇っていても限界があった。声を上げて士気を鼓舞するのがやっとの有り様で、瞬く間に指揮系統を寸断され、前線に加えていた圧力が消え失せる。

 背後からはヴァルキュリアの突撃。左右からは国軍の精鋭たる槍騎兵が槍先を揃えて突撃を開始する。弓騎兵と魔導騎兵は援護の為にフェルドゥークに向かって雨の如く矢と魔法弾を降り注がせる。

 前からは槍騎兵の突撃槍が迫り、頭上からは大量の矢と魔法弾が降り注ぐ。逃げ場所など既に無いフェルドゥーク。

 フェルドゥークが辛うじて軍としての機能を残していたのは、ヴァルキュリアに向かっていったザウローシュとゴブリンの王が遅まきながら槍騎兵の突撃を妨害すべく戦場に割って入った為だった。

「これ以上、奴らの好き勝手を許すな!」

 ザウローシュの檄に呼応するように、彼の率いる騎馬隊は突撃する槍騎兵の横腹に喰らい付いた。数で劣るとは言え、突撃の勢いを以って乱戦に持ち込む。鎌槍を振るいつつ自軍を鼓舞し、必死の防戦を繰り広げる。

 フェルドゥークの背後から突撃したヴァルキュリアは、既に乱戦に紛れて姿を確認出来なかった。それを確認したゴブリンの王は、歯噛みして目標を変える。

 ザウローシュの横撃は衝撃力で敵の突撃の威力を弱めただけだったが、ゴブリンの王率いる騎馬隊の突撃は次元が違った。

 フェルドゥークに接近しようとした槍騎兵に向かって突撃を開始し、接敵した瞬間に人馬諸共吹き飛ばす勢いで横撃を加える事になる。

「フェルドゥークを救え! 我らの同胞を死なせるな!」

 大剣を敵に向けて指し示す王の言葉に、率いられるゴブリン達は奮い立った。先頭に立つゴブリンの王に続く騎馬隊は、触れるもの全てを薙ぎ払いながら槍騎兵の突撃を出来る限り妨害する。

 だが、それでも大勢を巻き返すまでには至らない。

 フェルドゥークの後背から突撃を加えたヴァルキュリアは戦場を縦断し、最前線で戦っていた兵士達の元へと辿り着く。

 今まで押しに押されていた歩兵達ではあったが、敵の攻勢が弱まり、敵を蹂躙する勢いで駆け寄ってきた戦姫の姿に折れかけていた心を奮い立たせる。

「騎士達よ! 兵士達よ! 今此処で汝らに問う。誇りは残っているか? この絶望の戦場で、生に縋る一縷の望みも無いこの戦場で、国を思う心が残っているか? 忘れ得ぬ家族を想う心が残っているか?」

 血に濡れた剣を鞘に戻し、両手を広げてブランシェは声を上げる。

「残っているのなら攻勢に転じよ! 今こそ逆転の時! 勝利は間近ぞ! 生きて帰り、祖国の民に伝えよ。我らは魔物の軍勢から国を守ったのだとな!」

「認めたくはないが……。まるで戦神のようだ」

 漏れる小国の指揮官の呟きに、畏怖の声が同調する。

「輝く髪を靡かせて来たり。眼光は敵を焼き、幾多の戦乙女を従えし、冥き神の眷属よ」

 それは神々の大戦として語り継がれる戦の一小節だった。

「怯むな! 我らには戦姫が付いているぞ! 前進! 前進だ!」

 指揮官の声に、歩兵達が喚声を上げてフェルドゥークに襲い掛かる。

 歩兵の前進を見届けた戦姫ブランシェは、再び進路を変えて走り出す。槍騎兵の突撃が思うような成果を上げていなかった為だ。特に自軍の左翼。それ程までにゴブリンの王率いる騎馬隊の突撃は凄まじく、僅かながら彼女の思惑を乱していた。

 急速に方向転換し、自軍の左翼の救援に向かう。

 そこで戦姫が見たのは、国軍の精鋭たる槍騎兵が僅かな間に壊滅寸前にまで追い詰められている光景だった。

「怖いのう……。じゃが!」

 恐怖など戦場という極上の美味を味わう為の香辛料に過ぎないとばかりに、彼女は口元に笑みを刻む。

 槍騎兵の後方に割り込むと、弓騎兵と魔導騎兵の指揮官を呼び寄せ、己に同行するよう伝える。崩壊し始めた槍騎兵に撤退の合図を出し、残った騎馬兵全てを引き連れてフェルドゥークの後方に回り込もうと動き出す。

「させぬ!」

 ゴブリンの王はそれを見咎めると、騎馬兵を集結させて再度の突撃態勢を取らせる。

「戦場全体を掌中で弄ぶような動き! あれが戦姫か!」

 黄金の髪を靡かせて先頭を走る戦姫の姿に、ゴブリンの王は我知らず猛々しい笑みを浮かべていた。

「奴の首を取る! 続け!」

 再びゴブリンの王率いる騎馬隊の突撃を躱さねばならなくなった戦姫だが、今回は彼女の手元に魔導騎兵と弓騎兵が存在する。

「寄せ付けるな! 斉射、放て!」

 魔導騎兵らに命じて放たれる魔法弾が王の騎馬隊に殺到する。並みの人間の軍隊なら混乱を起こして引き下がる量と質を備えた攻撃だったが、ゴブリンの王は魔法弾を両断し、叩き落とす。王の騎馬隊は強力な遠距離攻撃を物ともせず前進を続ける。

「速度を保て! 怯むな!」

 それどころか、先の教訓を活かして速度を保ったまま突撃態勢を維持している。

 先頭を疾る巨躯の魔獣と、その背に乗る巨大なゴブリンの姿を認めたブランシェの笑みが僅かに引き攣る。

「正に化け物よのう……! 反転!」

 ゴブリンの王の突撃の線上から逃れるべく、部隊を反転させる。

「……くっ!? 裾を掴まれてしもうたか!」

 が、左翼にいた騎馬兵だけでも2000近くは居たブランシェの軍勢は、率いたヴァルキュリアと合わせても3000近く。その数の多さが禍して、彼女の指揮に付いて来れない者達が出始めていた。

 そこにゴブリンの王の突撃が突き刺さる。

 文字通り軍の最後尾を食い千切られたブランシェだったが、彼女の目の前には混乱を来すフェルドゥークの背中が見えていた。

「蹂躙せよ!」

 戦場最大の騎馬兵を率いる者が自らに狙いを定めたと知ったギ・グー・ベルベナは、覚悟を決めて守りを固める。

「密集せよ! 馬などに付け入る隙を与えるな!」

 突撃を敢行しようとするブランシェに、天から降り注ぐ矢が集中する。

「させません!」

 戦姫の居所を突き止めたプエル・シンフォルア指揮下の妖精族の弓兵が、ブランシェに向かって攻撃を集中させたのだ。その精度は凄まじく、ブランシェの鎧に矢が当たって弾かれる。

「お引きください! 此処は危険です!」

 最前線に居る彼女の危険を察してヴァルキュリアの構成員が進言するが、彼女は笑って拒絶する。

「否じゃ、速度を落とすでない! 魔物風情に出来て、我が配下の騎馬兵に出来ぬなど、あってはならぬ!」

 矢を防ぐべく大盾を持った騎馬兵が彼女の両脇に寄り添い、降り注ぐ矢を受ける。

「矢を!」

 引き絞られるアーチナイトの弓が大量の矢を吐き出す。ほぼ同時に魔導騎兵による斉射がフェルドゥークに殺到する。櫛の歯が欠けたように死傷者を出すフェルドゥークに向かって、戦姫の騎馬隊が突撃した。

 ゴブリンを跳ね飛ばし、馬蹄に掛けて踏み潰し、騎馬隊はフェルドゥークを切り裂く。至近距離で射られる矢と魔法弾が被害を助長していく。

 後背から入ってゴブリン側の左翼方向に抜けた騎馬兵は、ザウローシュ率いる騎馬兵と交戦中だった右翼の騎馬兵を回収しつつ、更にザウローシュの騎馬隊を打ち破って戦場を駆け回る。

 一時的に敵の姿が消えた戦場で、ゴブリンの王とプエルは接触を持った。

「王、ご無事ですか!?」

「無論無事だ。案ずるな!」

 猛々しい笑みを見せるゴブリンの王にプエルは心底胸を撫で下ろし、苦渋に歪んだ表情で進言する。

「王よ、申し訳ございません。全ては私の責。どうか撤退を」

 このままではフェルドゥークが壊滅する。敢えて言葉にしないプエルに、ゴブリンの王は苦い表情で敗戦を噛み締めた。戦姫ブランシェは徹底的にゴブリンの王との直接交戦を避け、攻め易い場所から攻めてきている。今後も真正面から撃ち合う愚を、彼女は決して犯すことはないだろう。

「ここで撤退して、あの戦姫に勝利することは出来るか?」

「必ずや!」

 頷く王は、撤退の許可を与える。

「殿は我が騎馬隊で行う! フェルドゥークに撤退の合図を出せ!」

「御意」

 プエルの出した合図に、ギ・グーは戦場を駆け回る敵騎馬兵を睨みながら叫んだ。

「撤退だと!? ここまで来て!」

 怒髪天を突くが如き怒りを噛み締めながら、それでも王命とあらば従うのが筋である。 

「……分かった。負傷者を回収しろ! 捕虜は要らん、捨て置け!」

 負傷したゴブリン達を回収すると、ギ・グー率いるフェルドゥークは西に撤退を始める。

「王が殿を務められるのか……」

 去っていくフェルドゥークを見送るゴブリンの王の姿に、ギ・グー達は足早に撤退していく。

「食らい付いてくる歩兵を薙ぎ払うぞ!」

 各国の指揮官達は退いていくゴブリン達の軍勢に、今が勝機とばかりに攻勢を仕掛けてくる。一時的に兵を纏める為、ゴブリンの王の騎馬隊は戦姫の居ない戦場で、その驚異的な衝撃力を活かして一気に最前線に突出した。

 王が振るう黒炎揺らめく大剣(フランベルジュ)黒緋斑の大剣(ツヴァイハンダー)が、歩兵を容赦なく切り潰していく。王を傷付けてはならじと、ゴブリンの王に続くギ・ベー・スレイ以下の近衛達も獅子奮迅の活躍で敵の歩兵戦列を食い破っていく。

「何だ!? あの化け物は!」

 驚愕に目を見開く各国の指揮官達。動揺が走り、追撃の手が緩まったところで軍を返し、別の歩兵達に襲い掛かる。

 まるで暴風が吹き荒れるが如く左右の大剣を奮う度に人の手足が吹き飛び、命が砕け散る。黒炎を揺らめかせた大剣は冥府の女神の象徴である。冥府からの使者か、或いは悪鬼の類か。

 人の命を奪い去る黒き炎を操るゴブリンが颶風となって駆け抜ける。振るわれる二対の大剣が暴風となって命を刈り取っていく。その光景に戦慄しない者は居なかった。まるで手の付けられない災厄が沸いて出てきたような、圧倒的な恐怖。

 戦場を蹂躙しながら吠えるゴブリンの王に、各国の指揮官達は部隊を維持することが精々で、とても追撃するどころでは無くなってしまっていた。

 一方、戦場を駆け回りながら騎馬兵力を糾合していたブランシェは、その全容を把握したところでゴブリンの撤退と歩兵戦列に突出したゴブリンの王の存在を確認する。

「恐怖で縛るか。中々やるのう!」

 そう言いつつも、彼女の視線は既にゴブリンの王から撤退していくフェルドゥークへと移っている。獲物を見つめる猛禽の眼光で、彼女は笑う。

「獲物は、逃げていくあ奴らじゃ!」

 指揮杖代わりの剣を振り上げると、優男の副官とヴァルキュリアの指揮官ファルを呼び寄せ、再びの突撃を命じる。

「歩兵に食い込んでいるあの化け物は宜しいので?」

「恐らく、あれが奴らの頭じゃろう。ならば放置する」

「御意」

 ゴブリンの王と正面から切り合って勝てる者が世界にどれ程居ようか? 少なくとも自分の下には居ないとブランシェは考えた。それに最終的な彼女の勝利の為には、あの王には生きていてもらわねばならないのだ。

 だからこそ、徹底的にその配下を叩く。

「敵は逃げるゴブリン! さあ、狩りの時間じゃ!」

 戦姫の合図と共に一斉に駆け出す騎馬兵達が先頭を戦姫とファルの二つに分け、ゴブリン達に肉薄していく。

 戦姫の元には魔導騎兵と弓騎兵が集まり、戦乙女の短剣(ヴァルキュリア)と槍騎兵の生き残りはファルの下に集まっていた。

「さあ、追い立てよ!」

 嬉々として指示を下すブランシェの声に合わせて大量の魔法弾と矢が逃げるフェルドゥークに降り注ぐ。逃げる大型の魚を後背から小型の肉食魚が襲うかのように、ヴァルキュリアと槍騎兵がフェルドゥークの最後尾に襲い掛かる。

 一度の突撃で削り取られていくゴブリンの数は、止まらない出血のようにフェルドゥークの数を減らしていった。歯噛みして、それを見守るしかないギ・グー。そして配下の指揮官ゴブリン達。

「こう、数が多くてはッ!」

 プエルの率いる妖精族の弓兵も、放たれる矢と魔法弾の多さに防戦一方である。だが、それでもただ一方的に逃げ回る策をプエルが打つ筈がなかった。

 逃げるとすれば、当然追撃がある。

 今までの戦い方を見れば、戦姫は当然王を避けてフェルドゥークを狙うだろう。

 そこまで見極めれば、プエルにはこの状況も予測出来る。

 故にフェルドゥークに肉薄する騎馬兵達の後方に、彼女の切り札が見えていた。

 平原を揺らし、土煙を上げて疾駆するその集団の先頭は、巨躯を誇るゴブリンの王。王が率いる騎馬隊が、ヴァルキュリア目掛けて猛烈な勢いで加速してきていた。

「グルウゥゥウオオァァアア!」

 怒りの咆哮は配下達に乗り移り、気勢を上げて加速するゴブリン達の集団。戦姫がそれに気付いたのは、既に避け得るかどうかの瀬戸際であった。

「ファル、避けよ! 援護じゃ! 一点集中!」

 戦姫の指揮杖代わりの剣が振るわれると同時、魔導騎兵の魔法弾がゴブリンの王に降り注ぐ。雨霰の如く降り注ぐ魔法弾に対して、ゴブリンの王は加速を緩めること無く突撃し叩き斬る。中には王の身体に着弾しているものもあったが、それを苦にもせず加速してくる姿は強大な死神にすら見えた。

 這いずる蛇のように黒炎が王の身体に絡み付き、着弾を防ぎ止めているのだ。

「何じゃあれは!?」

 如何な戦姫と言えども、ここまで冥府の女神の加護を篤く受けた魔物を見るのは初めてである。況してや己の力と頼む魔導騎兵の攻撃が殆ど通じていないとあらば、動揺の一つくらいはする。

 だが、それでも彼女は天才的な戦の申し子であった。即座に思考を切り替えると、己の率いる弓騎兵と魔導騎兵に反転を命じる。

「擦り抜けながら、あの化け物の後ろの集団を狙うのじゃ!」

 戦姫率いる本隊が急速反転。ゴブリン側に突撃を繰り返すファル率いるヴァルキュリアの援護を取り止め、ゴブリンの王率いる騎馬隊を引き剥がそうと動き出す。

 ヴァルキュリアのファルが自身の後ろに迫る強大な脅威を感じたのは、距離を詰められてからだった。

「馬鹿な!? 何という加速ッ!」

 彼女も歴戦の指揮官である。驚愕は一旦脇に退け、即座に反転を命じる。だが、その時には既に後続はゴブリンの王率いる騎馬隊に追い付かれてしまっていた。

 ゴブリンの王が先頭で二本の大剣を振るう度、黒炎が人の命を奪い去っていく。騎馬諸共叩き切られる恐怖を背に感じながら、彼女達は必死の思いでフェルドゥークから離れるしかなかった。

 ゴブリンの王に魔法弾の攻撃は通じない。だが、その配下には通じる筈だとした戦姫の直感は正しかった。魔法弾を叩き落とすことに失敗したゴブリンは衝撃で速度を落とすか、馬上から叩き落とされる。

「ファルは撤退したようじゃのう。潮時じゃ!」

 ヴァルキュリアが離脱したのを確認した戦姫は自身も軍を返そうとして、背後にゴブリンの王の咆哮を聞いた。

「ここまで来て、更に此方に追撃を掛けるか!」

 振り返った彼女が見たのは、猛然と向かってくるゴブリンの王率いる騎馬兵。

「……良かろう! 我が手綱捌き、しかと目に焼き付けるが良い!」

 彼女は指揮杖代わりの剣を振り翳すと騎馬隊を展開させ、ゴブリンの王の追撃を躱しながら後退する。圧倒的な加速に曲芸じみた騎行で対抗し、戦場を後にした。

 ゴブリン側の敗北として記されるギルギメル平原の戦いは、こうして幕を閉じたのだった。



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[一言] 姫様はとんでもない頭脳チートですな。。。 しかし今まで出てきたチート連中は病弱やら衰弱やら狂化やら何かしらデバフも一緒に背負い込んでバランス取ってた気がするけど、姫様はそういう対価が無いよう…
[気になる点] 騎馬の千や二千で王の軍団も攻略できてしまうなら赤の王の大軍が破られたのは何だったんだ…? いつまで経っても兵増やし放題なはずのゴブリン側は数の優位に立てないし ゲルミオン王国が攻めあぐ…
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