苛烈なる攻勢
ギ・ズー・ルオ、ラ・ギルミ・フィシガ、ブイら三匹が隻眼の聖騎士ジゼに立ち向かっていた頃、シュメアはその他のほぼ全軍を率いて南下の途上にあった。
「くそっ、追手の足が速いね」
ジゼの猛追を阻止する為に自軍の最高戦力を三人も投入せねばならなかったのは、シュメアにとって大きな誤算であった。だが、それでも彼女は表面的には戯ける余裕すら見せて兵を鼓舞する。
「さあ、アンタ達のボスが時間を稼いでくれてる隙に、さっさと逃げるよ!」
心配そうに陣営地を見るオークやゴブリン達に檄を飛ばすと、主力を率いて南へと進路を取る。元々彼女を慕って兵士になった辺境守備隊は問題なく従い、その他の部隊も渋々ながら彼女の指示に従う。
敵の足たる騎馬兵を早々に潰せたのは思惑通りだったが、敵の最高戦力の一人である聖騎士の突破力は彼女の想像の埒外だった。
「まったく! 同じ人間ながら、ありゃ化け物だね」
ゴブリンの王と良い勝負だと小声で呟く。虎口を脱する為とは言え、此方の手札を3枚も切らざるを得なかった。作戦通りなら砦ごと焼き払う計画だったが、若干の修正を加えねばならないだろう。
弓と矢の軍の将軍たるギルミを残してきたのだ。柔軟に対応してもらうしかない。彼女の方も、決して楽な行程ではない。これから追撃してくるだろうゲルミオン王国側の部隊と、付かず離れずの撤退戦を繰り広げねばならない。
撤退の為の経路は何度も確認した。だが、実際に追われてみれば、その経験の何と頼りないことか。圧倒的な速度で迫る聖騎士の姿が幻視され、シュメアは僅かに身震いする。
「ふん、冗談じゃない」
それを誤魔化すように口の端を釣り上げ、彼女は無理矢理にでも笑みを作る。
三人が逃げる為の策も打ってはいるが、彼らが最も危険なことには変わりない。それに比べれば未だマシだと自分に言い聞かせる。短槍を握り直して目を細めた。
「掛かって来なよ、聖騎士め!」
啖呵を切る彼女の視界に、煙を上げ始めた陣営地の姿が見えた。
◇◆◆
「グルウゥゥオオオアアア!!」
「ブルゥゥオオォォオォアァァ!!!」
唸る鉄槍が左右から襲い来る。オークの王たるブイの膂力は生半可なものである筈がなく、並ぶように槍撃を繰り出すギ・ズーも恵まれた体軀と比例するようにゴブリンの中では並外れた腕力を誇る。二匹が繰り出すのは紛うこと無き一撃必殺。並の人間なら防ぐどころか、体ごと吹き飛ばされる程の強撃である。
「ふんっ!」
だが隻眼のジゼはそれを難なく払い除け、更に反撃まで加えていた。
攻撃を受ける刃を僅かに寝かせて力を受け流し、身を沈めて槍の軌道から逃れる。それと同時に次の攻撃の為の構えが既に出来上がっているのだ。ほぼ一瞬にして行われるその動作は卓越した個人の技量と並外れた度胸、更には体が覚え込むまで繰り返し修練したであろう膨大な年月を証明するものだった。
経験と修練に裏打ちされた剣技は、聖騎士の中でも上位に位置する
構えから攻撃に転じる流れは洗練され、ある種の美しさすら感じる。無駄を削ぎ落とし、剣一つ振るのにも考え抜かれた動作。最小限の動きで最大限の威力を発揮する刃の軌道は、ブイの脇腹を掠めて血飛沫を上げさせた。
刃に無駄な負担を与えず、徐々に深く手傷を与える戦い方は、彼が単独での魔物の討伐に長けていることを示している。狂刃のヴィネのように付与魔術で武器を強化している場合を除いて、一般に冒険者が魔物を単独で狩る際には複数の武器を持ち替えながら戦うのが常套手段である。
人間より秀でた身体能力を持つ魔物に対して、手加減は難しい。彼らの武器は優れた身体能力であり、敵を切り裂く爪牙であり、外敵から身を守る硬い外皮であるからだ。その硬い外皮を攻撃するのだから武器の破損は日常茶飯事であり、複数の武器を持つのは至極当然とされた。
だが、同時にそれ以外の方法も考えられていたのである。
それは魔物の弱点を集中的に狙って攻撃する方法だった。
最初は僅かな切り傷でも同じ部分を攻撃することによって傷を深くし、これを連続させれば硬い外皮に守られた内側の肉を切り裂くことが可能だという理屈である。当然、命を懸けた激戦の最中にそんな芸当を行うのは不可能とされているが、武器が一つであろうと複数であろうと魔物との交戦中にそれらを失う可能性は必ず付いて回る。
武器が一つしか残っていない状況で魔物と戦うことも有り得るのだ。冒険者は常に自身の持つ手段の中で生き残りを賭けて戦わねばならない。生死の境を彷徨うような極限の戦場で修練を重ね、その手法を確立したのが他ならぬジゼなのだ。
すり抜けざまにブイの脇腹を切り裂いたジゼに、一瞬の間を置いてギ・ズーの槍が襲い掛かる。溜めを作った状態からの刺突。あまりにも正直過ぎる軌道は、いくら速くともジゼにとっては稚拙な一撃でしかなかった。
直線的に繰り出される槍を避けて、ギ・ズーの間合いの中へ一歩踏み込む。直後に手首を切り落とすべく下から上へと振るわれた刃は、慌てて手を引っ込めたギ・ズーの判断により僅かに手首に傷を残すのみとなった。
驚いて態勢を崩したギ・ズーに更に追撃を加えようと瞬時に上段の構えを取るが、風切り音に一歩下がる。直後に、彼の居た場所を矢が通過した。
「成程……。嫌な機会を狙うのであるな」
ジゼが間合いを外した隙に後退するギ・ズー。それと入れ替わるようにブイが再び前に出て、頭上から殴りつけるように大鉄槍を振るった。地面を砕く一撃を、ジゼはまたしても軽々と避ける。
後方へと飛び退くジゼは、息を細く吐き出して目の前に立ち塞がる二匹と狙撃に徹する一匹に注意を払う。当たれば一撃で命を奪われる攻防の中に身を晒し続けるのは集中力と緊張を強いられる。
ジゼはこの場で仕留めてしまうつもりでいるが、目の前の魔物達はどこかで逃げを打つとも読んでいた。でなければ、態々主力を撤退などさせないだろう。
魔物が策を講じてくるなど悪夢でしか無いが、それでも認めざるを得ない。
「ここまで整然と退却されてはな」
恐らく目の前の敵は時間稼ぎである。多対一とは言え、聖騎士たる自分自身と同等に戦える魔物がそう多く居るとは思えない。恐らく魔物の中でも相当の実力者であろう目の前の三匹。
最大の隙は、彼らが撤退に移る瞬間である。
ジリジリと退がっていたのではゲルミオン王国軍の主力が追い付いてくる。そうなれば、当然脱出経路など無くなるのは分かっている筈だ。となれば、早期にジゼ自身を退けねばならない。若しくはどちらかを犠牲にして脱出を図るか。
どちらにしても、一匹はジゼの手柄になる。
無理をする必要など無い。悠然と構えて、隙が見えた時に彼らを斬り殺せば良いのだ。
故に、ジゼが心配するのは集中力を乱されることのみである。時折休憩を挟みながら集中力を維持し、ジゼは余裕をもって彼らと戦っていた。
一方の三匹は、聖騎士相手に死なないよう立ち回るのが精一杯だった。前衛戦力として申し分のないオークキングたるブイとデューク級のギ・ズー、更にはノーブル級で遠距離攻撃に長けるギルミまで参戦してやっと互角か、やや劣勢という状況。
徐々に近づいてくる喚声が、彼らに敵の接近を知らせる。
「ブイ殿」
ギ・ズーが、禁断の果実を食べて普段とは全く違う雰囲気のブイに小声で話しかける。
「合図をしたら、後方へ下がってください」
「ブルゥゥウゥ……」
荒く息を吐き出しながら僅かに頷くブイに先んじて、ギ・ズーが前に出る。距離を取っていた聖騎士も前進し、瞬時に間合いの中に踏み入ってくる。一足飛びに間合いの中に入るジゼを迎撃すべく鉄槍を振るうギ・ズーだったが、ジゼはその尽くを避ける。
それどころか間合いの内側へ踏み入られ、逆に斬り付けられる始末。口から小さく苦悶の声を漏らしながら、ギ・ズーは時間を稼ぐ。元々聖騎士に勝てるとは思っていない。ギルミとシュメアの策を聞いて最初は憤慨したものの、ジゼと戦う内に彼らの言葉が事実なのだと認めざるを得なかった。
目の前の敵は、明らかに自分達よりも強い。
屈辱的な事実に怒りを燃やすが、それで現実が覆る筈もなかった。だからこそ、ギ・ズーは彼らの策に従う。森で暮らしていた頃、自身よりも強い敵が居るのは当たり前だった。体は大きく、鋭い爪や牙を持った者達。
目の前の人間にそれらは無いが、代わりに積み重ねてきた技量がある。
何度目かに振るった槍を敵は軽やかに躱し、ギ・ズーの腿を切り裂く。思わず膝をついたギ・ズーに間髪入れずにジゼの振るう剣が襲い掛かる。咄嗟に地面を転がるようにして避けたギ・ズーを追撃しようとしたジゼだったが、割って入って来たブイの一撃を回避する。結果として三匹はジゼを辛うじて遠ざけることに成功した。
「聖騎士殿ッ!」
広場の入口からジゼの率いる南方軍が入ってくる。それを確認したジゼは勝利は揺るがないと内心で確信したが、その直後に苦痛で顔を歪めたギ・ズーが叫ぶ声を聞いた。
「ヴェド、今だ!!」
一瞬にして炎が地面を走る。
「これはっ……いかん! 撤退せよ!」
地面の溝に沿って走る炎の線に気付くと、ジゼは声を張り上げて背後に迫る自軍に撤退を命じる。
「親父ッ!」
「くっ……! あの人間、とんでもない強さだ」
物陰に潜んでいたヴェドが傷付いたギ・ズーに走り寄るが、ジゼが追撃してくることはなかった。苦痛に歪む表情で苦々しく吐き捨てるギ・ズーに肩を貸すズー・ヴェドは一瞬だけジゼを睨むが、何も言わずに逃走に移る。
「魔物共め、陣営地ごと焼き払うつもりであるか!?」
ギ・ズー共々逃げ出すヴェドとブイを睨みつけながら、ジゼは忌々しいとばかりに吐き捨てる。今は陣営地に入り込んだ自軍を撤退させねばならなかった。炎に撒かれ、混乱を極める自軍を立て直すのは魔物を追い詰めることよりも優先度が高い。
炎の熱気に揺らめく陽炎の向こう側に、立ち上がる一匹の魔物の姿。
「……」
物陰に潜んで常にジゼを狙っていたラ・ギルミ・フィシガの姿がジゼの視界に入るが、彼は無言の内に踵を返す。
「次は必ず首を貰い受ける」
「聖騎士殿!」
「ジゼ様!」
呼びかけられる声に応えて、ジゼは自軍を撤退させるべく指揮を執り始める。
「慌てるでない! 風は南西である。慌てず風下から陣営地を破壊して外に抜け出すのだ!」
悠然と立ち去るジゼの姿を見送って、ギルミもまた踵を返した。
◆◇◆
陣営地を焼き払い、一旦はゲルミオン王国軍の追撃を切り抜けたように見えたゴブリン達は、亜人達を四方に放って王国軍の居場所を探っていた。撤退の為に燃やした陣営地の煙が辺り一帯を包み、亜人の優れた嗅覚が逆に仇となった為だ。
無事に逃げ切りはしたが、代わりに王国軍を見失った彼らは、索敵に全力を注ぎながら次の罠の準備を進めていく。
「いやぁ~、良かった良かった! 無事で何よりだね!」
そんな中で合流したブイとギ・ズーとギルミに、シュメアは肩を叩いて再会を祝福する。
「流石に聖騎士は強かったな……。陣営地を燃やしていなければ逃げ切れたかどうか」
「僕も散々でした。正直、とても勝てる気がしません」
意気消沈するギ・ズーとブイだったが、ギルミはまた違った感想を口にした。
「だが、無事に逃げ切れた。今後の方針は変わらない。あの人間は俺達の命を奪うよりも部下の命を大切にしているようだ」
遠距離攻撃から罠に至るまで難なく回避し、更に近接戦闘では単騎で此方の主力を上回る聖騎士という存在。一見弱点など無いかのように思えるが、軍を率いる以上、必ず部下が居る筈だ。
敵の弱点を突く。
単独の戦力として抑えきれないのなら、戦術単位で撤退させてしまえば良い。シュメアとギルミの出した結論は確かに有効だったが、それを可能にするには未だ相当の困難を跳ね除けねばならないことを意味していた。
「そりゃあ、朗報だね」
上機嫌に頷くシュメアに、ギルミは同意を示す。
「ブイ殿とギ・ズー殿のお陰だ」
「ああ、そうだね。それよりもあんた達、ちゃっちゃと部下に会いに行ってきな。皆んな死ぬ程心配してたよ?」
「心遣いに感謝する」
ギ・ズーはシュメアの提案に頷くと、部下の元に足を向ける。だが、背中を向けた彼の固く握り締められた拳が、納得出来ていないことを明確に物語っていた。
「ブイ殿も行かれるか?」
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
一方のブイは大役を果たした安心感からか、どこか安堵したような表情でオーク達の元に向かう。
「それで? あんたは行かないのかい?」
「確認したいことがある。援軍の予定だ。ラーシュカは此方に向かっているのだな?」
「予定通りなら合流地点に向かってる筈だよ」
「……ふむ」
腕を組んで考え込むギルミに、シュメアは首を傾げて疑問を口にする。
「何かあったのかい?」
「いや、計画を修正して軍を早めに退かせた方が良いかもしれん。敵は此方の予想よりも好戦的だ」
「好戦的、ねえ」
シュメアは今一度ゲルミオン王国側の事情に考えを巡らす。軍師プエルから齎された情報を脳裏で思い返すが、結論は出そうになかった。
「まぁ、実際に戦ったあんたの意見だから尊重したいのは山々なんだけど。それだけじゃあ、あのお嬢ちゃんを説得出来ないんじゃないのかい?」
「……やはり、そうだろうか?」
ギルミは自身の感じているものが戦場を味わった者にしか分からない感覚だと自覚しており、他者には受け入れ辛いだろうことも理解していた。故にシュメアに相談したのだ。
「あの娘、結構頑固なところがあるからね」
「……ふむ」
「何なら、あたしの方から具申してみるけど?」
「……いや、やはり俺が言う」
軽く頷いたシュメアに、ギルミは用件は終わったとばかりに背を向ける。去り行くギルミの背を見送りながら、シュメアは撤退の準備を早める指示を部下に出しておいた。
「まぁ、念の為だよね」
自分に言い聞かせるように呟くと、シュメア自身も体を休める為に天幕の中へと戻っていった。
◆◆◇
陣営地を抜いたゲルミオン王国軍は、すぐさま王太子イシュタールの元に軍議を開き、今後の予定を話し合っていた。
──全軍を以って即座に追撃すべし。
その主張は先ず貴族軍から出され、聖騎士二人も同意を示す案だった。魔物を撃退したとは言え、西域を取り戻した訳ではない。何より久しぶりの勝利であり、この機会に更なる戦果を得たいと願うのは貴族達からすれば当然である。
無論、それぞれの政治的な思惑が絡んでいることは否定出来ない。
犠牲を最も多く出した騎馬兵達は継戦能力を失っていたが、被害が大き過ぎた為に魔物を追い払ったという戦果だけでは足りないと感じていた。貴族の子弟からなる騎馬兵の損害は、そのまま王国を支える貴族達の力である。それが激減してしまった以上、ここで望み得る最大の戦果を求めるのは当然だった。
そうでなければ、今後のゲルミオン王国の政治で発言力を失うばかりか、没落も有り得るからだ。
王権を強化したい聖騎士と軍部から反対が出なかったのは、偏に軍事的な側面からだった。
王太子の親征において魔物を撃退したという戦果は得た。ジゼとヴァルドーは、これから自分達の為の戦を始めようと考えていた。
両聖騎士の率いる南方軍と東部軍の被害が軽微というのも、追撃への賛成の理由の一つだった。
貴族軍が犠牲に見合う戦果を求めるように、王太子の初の親征において西域を奪還したとなれば、その武勲は何者にも並ぶものの無い唯一無二のものとなるだろう。そうなれば王国に残る他の聖騎士と比較しても、自分達の方が今後一層重用されるのは確実と言える。
それに今回の軍は西域の奪還を企図して編成されている。その目的が一度で達成されるなら、それに越したことはない。
「……少し、意外であった」
「何がだろう?」
軍議が終わった後、各諸将は己の軍を率いて前進する為、部隊に戻ろうとしていた。その中で聖騎士二人は帰り道を同じくしている。
「ヴァルドー殿は慎重である故、追撃には反対なさると思っていたのである」
「……そのことか。王太子殿下に戦果を挙げさせたいのだ」
自らの部隊を率いて魔物の群れを駆逐したという実績は武を重んじるゲルミオン王国において何にも勝る名誉であり、同時に無言の内に他者を圧倒する説得力も併せ持つ。若りし頃のアシュタール王も親征を繰り返して自身で魔物を倒していた。その武勲こそが、今なおアシュタール王が民と貴族達に支持される理由である。
「成程。所謂、親心というものであるな」
そう遠くない未来に王として長い治世を歩み出すイシュタールに向けて、教育係として任命されたヴァルドーは出来る限りの手助けをしてやりたかった。その為の功績を立てるにあたって、今回の西域への遠征は絶好の機会だった。
「笑ってくれて構わん」
「何、拙者も個人的な事情と言えば、それまでであるゆえ」
「ゴブリンとオークの首か」
静かに頷くジゼの脳裏には、自らの軍を罠に嵌めようとした高位の魔物達の姿があった。
「一つ懸念があるとすれば、奴らは我らを西域へ引き込むつもりであると見受けられることですな」
「無論、承知している。決して油断は出来ぬ。敗戦も有り得るが、今の所は勝算なき戦いではない」
勝負は最後まで分からない。そう宣言するヴァルドーに、ジゼは苦笑した。
「双剣の騎士殿らしからぬ戦ですな。拙者個人としては、その方が好みであるが」
「昔から慎重だった訳ではない。この戦、絶対に勝たねばならぬ。故に、今は何よりも速度が重要」
「うむ。拙者も同意見である」
追撃を決めたゲルミオン王国軍は聖騎士二人の軍を前面に出し、夜も明けない内から猛然とゴブリンの軍勢を追い始めた。
次回更新は8月13日