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ゴブリンの王国  作者: 春野隠者
群雄時代
231/371

自由への飛翔

 黒衣に身を包んだ男が隣にいる剣士に話しかける。視線を目の前で行われている激闘に注いだまま、意識だけを向けた問い。

「あれが豪腕のリュターニュ。恐らく自由への飛翔で最後の強者だ」

 赤の王から派遣されてきた黒髪の剣士は長布で口元を隠したまま視線だけを向ける。鋭過ぎるその気配は、近くにいるだけで殺気を向けられていると勘違いしてしまいそうな程だった。

 黒髪の剣士シュンライは黒衣の男を一瞥すると、目の前で荒ぶる獅子のように戦う男を見る。

「成程。あれは暗殺者風情では無理だな」

「……強者が居れば知らせろと言ってきたのはそちらだった筈だが?」

 言外に殺せなくはないと主張するウェブルスの短剣の暗殺者に鼻を鳴らすだけで答えると、シュンライは担いだ湾刀で一度肩を叩く。

「雑魚どもを下がらせろ。俺の間合いに入れば誰だろうと斬り捨てる」

 布からちらりと覗いだ獰猛な笑みに暗殺者は目を細めると、下部構成員を包囲に切り替える為の合図を出した。

「……宜しいので?」

 影から問う声に、暗殺者は頷く。

「失敗すれば、それまでのこと。それに赤の王には貸しを作っておきたい」

「御意のままに」

 シュンライの前が、海を割るように開ける。その先に待ち受けるのは満身を敵と自分の血に染めたリュターニュ。手にした戦斧は幾人の敵を葬ったのか、刃はボロボロになり、こびり付いた血は固まっている。

「てめえ……」

 白い息を吐きながら剣士を睨むリュターニュに、シュンライは鋭い視線を向けたまま口を開いた。

「俺はシュンライ。強者を求めて、この地へ来た」

 肩に担いだ湾刀を担ぎ直すと、重心を低く構えをとる。

「名を名乗れ。それが貴様の末期の言葉だ」

 シュンライと名乗った黒髪の剣士にリュターニュは見覚えがあった。逃亡の中で仲間を何人も斬り捨てて来た剣士だ。

「死にさらせ!」

 怒りに任せた戦斧の一撃を舞うように避けると、シュンライが必殺の踏み込みで距離を詰める。肩に担いだ湾刀は鉄すら易易と切り裂く逸品。磨き上げたシュンライの腕と併せて使えば、黒鉄だろうが金剛石だろうが、切れぬものはない。

 その湾刀での一撃を加えようと距離を詰めたシュンライだったが、リュターニュは振り切った戦斧の後から、態勢を崩すこと無く手甲での一撃を続けて放つ。

「ほぅ」

 怒りに任せた一撃と見せかけての2連撃。リュターニュの放った戦斧の一撃は空を切るが、手甲で放った一撃は大地を割り、僅かばかりシュンライの眉を跳ね上げさせた。

「怒りは本物。……が、冷静さは失わぬか」

 感心したように笑うと、シュンライは一層距離を取る。一歩の跳躍で遥かに距離を開けられたリュターニュは、目の前の敵が容易ならざる身体能力の持ち主だと認識した。

 だが、リュターニュもここで引き下がるわけには行かなかった。彼の後ろには自由への飛翔(エルクス)の仲間達がいる。相手が如何に強かろうと、目の前に絶望しか残っていなくとも、彼は前に進むしかなかった。

 じりじりと間合いを詰めると、一気に加速し吠えた。

「自由への飛翔の切り込み隊長をナメんじゃねえ!」

 ぶつかる鋼の音と飛び散る火花が、夜の闇に羽音のように舞った。

「……ふむ。意外と、ではないな。やはりあの剣士は尋常でなく強い」

 二人の戦いの成り行きを見守る暗殺者は、冷静に彼らの戦力比を分析する。同盟を組んで以来、赤の王の戦力を直接目にする機会の多いウェブルスの短剣の面々。

 複数の血盟を傘下に加える巨大組織。その中でさえ、飛び抜けて高い戦闘力を持つブランディカ直属の冒険者達の実力は常識を逸している。自分達も暗殺血盟と呼ばれ、中小の血盟に恐れられはしても、それはやはり弱者の選択でしかない。

 正面から戦えば被害が多くなるのを暗殺という効率的な手段で相手の中枢を叩くことにより無力化する。それがウェブルスの短剣のやり方だった。

 暗殺者から見た自由への飛翔の弱点。それは実力ある構成員の少なさであり、常軌を逸する程の実力者の不在である。盟主トゥーリにしても、あくまで人の範疇での強者だった。

 今眼の前で戦っている剣士は、どこか人を捨てた強さを持っている。それが羨ましくもあり憎らしくもあるのだが、暗殺者がその感情を表に出すことはない。

 絶対的な存在が欠如していながら、それでも自由への飛翔が東部で1,2を争う強豪の血盟だったのは、その結束の強さと戦力の効率的な運用が為されていたからだ。

 内通者を作るどころか、情報を集めることすら困難な血盟だった。如何に巨大な血盟だろうと、内情さえ分かってしまえばウェブルスの短剣にも付け込む隙はある。複数の血盟を束ねる赤の王などが、その最たるものだろう。

 一方で、自由への飛翔はウェブルスの短剣にとって正に天敵ともいうべき血盟だった。

 だが、ある時期を境に状況は逆転する。

 彼らの強みである効率的な戦力の運用に陰りが見え始め、東部に割く力の割合が不均衡になっていった。その変化は天敵への警戒を怠らないウェブルスの短剣にも容易に分かった。その状態での赤の王との抗争。

 負けるべくして負けたとしか言いようが無い。

「これで自由への飛翔も終わりだな」

 見れば、目の前で豪腕のリュターニュは倒れ、剣士シュンライは血塗れた湾刀を担ぎ直している。

 誰ともなく呟く暗殺者だったが、突如楽しげな哄笑と共に悲鳴が響き渡った。優れた聴力を持つ彼の耳に聞こえるのは部下の上げる悲鳴だった。

「残党か!?」

 今更何故? 疑問に答えを出す間も無く包囲を展開していた筈の一角が血飛沫と共に崩れた。


◆◇◆


「あはははっ! こいつぁ、いいやァ! 選り取りみどりって奴じゃァないか!」

 哄笑と共に血飛沫が舞う。ヴィネの振るう凶刃が煌めく度に悲鳴が上がり、屍が出来上がる。

「……盟主、悪い癖だぞ」

 ベルクの眉間に刻まれるのは不愉快の度合いに応じた峡谷のような皺。土の妖精族(ノーム)の戦士は眉を顰めながらも援護射撃を放つ。ヴィネの死角に入ろうとする敵を、遠距離からの魔法で狙い撃つ。

 岩弾を尖らせて放たれる魔法の攻撃は闇夜では非常に視認し難い。それだけでなく、例え避けたとしても次に待っているのはヴィネの凶刃である。

 目に留まる者、刃が届く者、その全てを死の淵に誘い込もうと赫月の盟主は刃を振るう。

「さあ、死ねェ! 直ぐ死ね! 今、死ねぇ! あはっ、あっははっは!」

「盟主が道を開いた! 行け!」

 援護射撃に徹するベルクの言葉に従って、プエルは一直線に駆け出す。

「シュレイとルーは後方援護を」

 半弓と呼ばれる小さな弓に矢を番えると、彼女は闇夜の中、気配を頼りに矢を放つ。彼女が矢を放つ度に物陰から悲鳴が上がり、ベルクの岩弾以上の正確さをもって風の妖精族(シルフ)の弓の技が冴え渡る。

「あァん?」

 上機嫌で人を斬り殺していたヴィネが、不機嫌な声と共に進撃を止められる。闇夜に散る火花の向こうで彼女を止めたのは、シュンライと名乗った東方の剣士。

「随分と楽しそうだ。是非お相手願おう」

「スカしてんじゃねぇぞ、八つ裂きにしてやる!」

 刃にこびり付いた肉片と血を瞬時の間に振るい落とし、ヴィネは白刃を鞘に納める。細い曲刀を腰だめに構え、獰猛に笑うと僅かに距離を詰める。対するシュンライも肩に担いだ湾刀の傾きを僅かに調整し、重心を落としていつでも動ける構えを取った。

 ほんの一瞬、静寂が二人を支配する。

「セイ!」

「シャァ!」

 シュンライの気迫の声と、ヴィネの怒声が交差する。白刃の軌道が同時に交わり、火花となって互いの体がすれ違う。未だ死なない相手に内心罵声を吐き捨て再び斬り結ぶ。

 ヴィネの凶刃がシュンライの鼻先を掠めれば、シュンライの湾刀がヴィネの長い黒髪を数本切り飛ばす。シュンライと較べて背の低いヴィネが敵の足元を狙うと、シュンライは脚を防御する素振りを全く見せずに更に踏み込む。低い姿勢となっているヴィネの背中に向かって真上からの一撃を加える。

 舌打ちして数秒後の死を悟ったヴィネは、斬りに動いた凶刃を戻しつつ勘を頼りに真上から振るわれる致死の一撃を横っ飛びに回避。四肢を地面につき、まるで獣のような姿勢になるが、すぐさま反撃の為に前に出る。

 それに合わせて、シュンライが暴風のような横薙ぎの一撃を加える。当たればヴィネの頭など容易に砕け散るだろう力と精度を込めた一撃を、ヴィネは先程の意趣返しにシュンライの頭上を飛び越える跳躍を持って回避。

 剣の勝負は、その一瞬に命を懸けられるかで決まる。剣技、腕力、視力、胆力、速度。その全てが相手よりも上回っていようとも、己の信ずる剣に自身の命を懸けられないのでは結局その剣士は敗北を喫することになる。

 故に彼らは、集中力と同時に常に強気を保たねばならない。

「ッ!」

 シュンライの長布が切り裂かれ、口元には最早隠そうともしない獰猛な笑み。

「なァにを、笑ってやがんだ、てめえ!」

 こめかみに青筋すら浮かべたヴィネは、再び瞬時の踏み込みから曲刀を抜き放ちざま、一撃を放つ。秀麗な顔立ちに、返り血で血化粧をした彼女の憤怒の表情は鬼気迫るものがある。

 鞘走る彼女の一撃を、真正面から湾刀で受け止めシュンライは嗤う。

「いいぞ、もっとだ! ひひっ、ひひひはは!」

「あァン!?」

 目に怒りの炎を宿したヴィネは全身をバネにして湾刀を押し返し、引き際に首を狙った横薙ぎを放つ。だが、同時に引いたシュンライは狂ったような笑みを絶やさぬまま、細くなっていた目を見開くとぎょろぎょろと左右別々に動かす。

 シュンライの異相に、ヴィネは舌打ちすると再び曲刀を鞘に納める。

「ぶっ殺す」

「殺すだと? そう連呼するな。弱く見えるぞ、小娘」

 吐き捨てたヴィネにシュンライの言葉が返される。元々激し易いヴィネは、その言葉に感情の制御すら失って壮絶な笑みを浮かべるが、目は笑わないまま殺すべき敵を見据える。

「行け!」

 言葉と同時に前に出るヴィネの傍をプエルが駆け抜ける。ヴィネはそれに合わせて、プエルと囲い込むようにシュンライに迫るが、シュンライは躊躇せずヴィネに向かってきた。

 その判断の正しさにヴィネは舌打ちする。シュンライがプエルに向かうか、或いは少しでも躊躇を見せれば、その瞬間首を叩き落としてやろうと考えていた。

 プエルが向かっているのがリュターニュの元だと看破したシュンライは、もうすぐ死ぬ男よりも目の前にいるヴィネにこそ興味を唆られていた。本能の赴くままにシュンライはヴィネを標的と定め、思う存分その牙を剥く

 夜闇の狂人達の宴は、未だ終わらない。


◆◇◆


「リュターニュ!」

 駆け寄るプエルの耳には、最早何も聞こえてこない。周りの戦況も、敵も味方もなかった。彼女は懐かしい友に駆け寄ると、血で汚れるのも構わずその体を抱き抱える。彼女の傍で、小屋に隠れていたリュターニュの副官を務めた少女が泣き出しそうな表情で彼を見守る。

 薄っすらと目を開けたリュターニュの息遣いの弱さに、プエルは息を呑む。

「……ひでぇ……ぜ。なん、で」

 プエルを見上げる瞳に涙を溜めたリュターニュ。それを自身を責める言葉と勘違いしたプエルは、抱き抱えた彼に向かって只管に謝罪をする。

「ごめん、なさい。私が、私が森になど行かなければ……あなた達を、私が」

 首を振るリュターニュは既に声を出すのも辛いようで、上手く動かない腕でプエルの閉じた瞼の合間から流れる涙を必死に拭う。

「お姫、さん……」

「大丈夫。大丈夫だから……! だから、リュターニュ、死なないで……!」

「ソフィ……」

 息をするのも辛いリュターニュの声は、既に力ない。

「はいっ! 兄貴っ!」

 視線を向けられた彼女は、涙を拭ってリュターニュの手を取る。

「エル、クス、は解散、だ。好きに、しろ」

「いいえ、いいえ兄貴! 私達はいつでも、ずっと……」

「お姫、さん……こいつらを、頼、み……」

 それ以上、リュターニュの言葉が続けられることはなかった。

「嘘よ、リュターニュ……リュターニュ!」

 プエルは慟哭し、ソフィアは声を押し殺して泣く。シュレイとルーが彼女達を守るが、それもいつまで保つか分からない。ルーの力では死者を蘇らせることなど不可能だったし、シュレイは門外漢だった。

 埒が開かない状況に、苛立ちを隠さないのは彼らを取り囲む暗殺者達だった。

 赤の王の剣士は黒髪の女との一対一の死合に夢中であり、後は女子供に良いようにやられている。その現状は、自由への飛翔を潰した実力ある血盟の矜恃に大いに傷を付けた。

「女子供相手に、いつまでかかっている!」

 怒りを露わにした暗殺者は、構成員達にプエルと自由への飛翔の残党を襲うように命じた。シュレイとルーはプエルとソフィアを中心に守りを固め、離れた場所からはベルクの狙撃がウェブルスの短剣の構成員達を狙い打つ。

 森の中から放たれる岩弾の鬱陶しさに暗殺者は舌打ちして、構成員をそこに向かわせる。見れば岩弾は同じ場所からしか放たれていない。近付く間に何人かはやられてしまうだろうが、牽制の狙撃さえ無くなればガキどもは容易に片が付く。

 そう判断した彼は、予備の兵力までも投入する。

「ウェブルスの短剣を敵に回したこと、後悔させてやる!」

「それはどうかな?」

 背後から聞こえる声。驚愕と共に振り返れば、そこには土の妖精族(ノーム)の戦士の姿。

「な、ぜ……、貴様、この距離をどうやって!?」

「ふむ。これか」

 岩弾を宙に浮かべると、あらぬ方向へ向かって飛ばす。だがその岩弾は曲線を描いて先程森の中から放たれたのと同じ軌道を描き、ウェブルスの短剣の構成員を吹き飛ばす。

「我が故郷の遊びも役に立つものだな」

「おのれっ!」

 慌てて距離を取ろうとする暗殺者。しかしベルクはそれを許さず、そのまま距離を詰めて一刀両断に斬り捨てる。

「ふむ……こんな時は何と言うのだったか?」

 どこか暢気に考え込み、ベルクは息を吸い込む。

「大将首は、ベルク・アルセンが討ち取った!!」

 夜を震わせるその声に、ウェブルスの短剣の構成員達は悲鳴を上げて蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。


◆◇◆


 姉妹の赤い月(エルヴィー・ナヴィー)が、濡れるプエルの瞼に光を注ぐ。

「あ、あぁ……」

 同胞によって塞がれたその両目が月光の女神(ヴァーディナ)の加護により開いていく。だが皮肉なことに、彼女の開いた瞳に映るのは仲間の死という絶望の光景。

「ああぁ、ああ!! リュターニュ!」

 懐かしき仲間の顔は傷に塗れ、体には流れ出た血がこびり付いている。彼はどれ程の時間、仲間の為に命を懸けて戦っていたのだろう。彼のものか敵のものかも判別の付かない血が、既に彼の全身で乾いてしまっていた。

「なぜ……なぜ」

 この世界は、どうして彼女の大切な人々を容易く奪い去ってしまうのか。彼女の胸の内は答えの出ない問いに埋め尽くされる。

「あ~あ、くたばっちまったかァ」

 気安い様子でプエルに声を掛けたのは、先程まで東方の剣士と死合っていた筈のヴィネ。そのあまりに軽い様子に、プエルは思わず彼女を睨む。

「何だァ? 文句でもあんのかい?」

 だが全く意に介さず、ヴィネは笑ってみせる。

「恨むなら筋が違うってもんだろ? そいつを殺したのはウェブルスの短剣、間に合わなかったのは、てめえの無能。助力してやってるアタシに、そんな目ぇ向ける道理はねぇ筈だ」

 内心に湧く汚泥のような感情を、プエルは飲み込む。

 確かに彼女の言う通りだ。そう考えて、視線を逸らす。

「ふん。他人に罵声を浴びせない程度の自制はあるってか? まぁ、冷静なのは良いことさ。で、この後どうすんだい?」

「……この、後?」

 辺りにはヴィネとベルク、そして彼女達が創り出した幾十の屍が血を流して横たわる。

「ウェブルスの短剣。あの連中を、このまま生かしといて良いのかい?」

 その問いは、まるで悪魔の囁きのように彼女の耳から脳髄までを甘く痺れさせる。

「アンタの憎い、憎~い仇だろう?」

「そ、れは……」

 内心に蠢く憎悪の炎。全て燃やし尽くさねば狂ってしまいそうな程に彼女を責め苛むその感情を、初めてプエルは自覚した。

「ウェブルスの短剣は本当の敵じゃない。あいつらの背後にいるのは、赤の王だ」

 涙を拭ったソフィアが、睨むようにプエルとヴィネを見る。

「赤の王……」

「へぇ……」

 呆然と呟くプエルと、意味深に頷くヴィネ。

「……貴方、名前は?」

 プエル・シンフォルアは己の心の闇を覗いていた。真っ黒な淵を開け、それは彼女を見返す。見事な金色の髪はそのままに、宝玉のようだと讃えられた彼女の瞳に映るのは己の身を焼く復讐の黒き炎。

「ソフィア」

「ソフィアさん。私は、ウェブルスの短剣と赤の王を壊滅させます。一緒に来ますか?」

 無言で頷くソフィアと、自由への飛翔の生き残り達。

「ヴィネさん」

「はいよ」

「シュレイ、ルー。……言い難いことですけど、もう後戻りは出来ません」

「な、仲間を見捨てるよりは、マシです!」

 シュレイが答え、ルーは頷く。

「私の指示に従ってもらいます。必ずウェブルスの短剣を崩壊に追い込み、赤の王に復讐を!」

 プエル・シンフォルアは、自身の内に復讐の女神の影が宿ったことを識った。


◆◆◆◆◆◇◆◇


【個体名】プエル・シンフォルア

【種族】風の妖精族

【レベル】89

【階級】戦士長

【保有スキル】《魔素封神》《深謀遠慮》《神算鬼謀》《軍師の才覚》《魔力操作》《勇侠》《弓技B+》《風の声》《栄光の一族》

【加護】復讐の女神(アルテーシア)風の神(カストゥール)

【属性】風

【状態】《復讐の女神の祝福》


《魔素封神》──特殊な矢を放つことで相手の魔素を封じる。

《深慮遠謀》──軍師としての能力に補正。

《神算鬼謀》──軍師としての能力に補正。

《軍師の才覚》──組織を運用する能力に補正。

《魔力操作》──魔素・魔流操作の上位能力。魔法を効率良く使用することが可能。

《勇侠》──危機に陥ると精神が落ち着きを取り戻す。

《風の声》──周囲を把握する能力が向上。盲目状態であっても問題なく日常生活を行える。

《栄光の一族》──妖精族、人間族に対して魅了効果(小)

《復讐の女神の祝福》──闇の属性、またはそれに近しい者達に対して魅了効果(中)


◆◆◆◆◆◇◆◇




プエルさん闇堕ち。


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