第4話 ちょこ納豆くんからのご相談〜揺れるバレンタインデー 前半
「華子と夏子のお悩み相談室!!
バレンタインデースペシャル。
春にいちゃん拍手!」
〜パチパチパチパチ〜
「茨城県在住17歳の高校二年生、ちょこ納豆くんからのお便りです。
華子さん、夏子さん、今年も、ついにあの日がやってきます。イケメンパワーランキング下層民の僕にとって、恐怖に満ちた魔の一日が。そう、バレンタインデーという地獄です。
去年のバレンタイン、僕が密かに好きだったマカロンちゃんが、あのイケイケ単細ボーイにチョコを渡したことを知った時の絶望、今でも100回かき混ぜた納豆の糸のように引きずっています。
ただ今年は、14日が何と土曜日、じゃあ前日の金曜日に渡そうと思っても、何と13日の金曜日。
さらに、素晴らしいことに、ホワイトデーも同じ日回りなんです。
そんな、そら恐しい日に愛の告白なんて、絶対みんなしないと思うじゃないですか。
でも、バレンタインデーの魔力は僕の予想をはるかに超えて、人々を蝕んでいたんです。
恐れを知らない女の子達、そんなの全く気にせず、学校でバンバン、チョコが飛び交ってるんです。
だって、13日の金曜日ですよ。
覆面のあの恐いおじさんが、お仕置きしに来そうじゃないですか。
もはや、あの恐いおじさんですら、この日を止められなくなってしまっていたんです。
7月10日が納豆の日だと知ってますか。
僕は、いつか偉くなったら、バレンタインデーを禁止し、この茨城県民が愛する納豆の日を、愛の告白の日にしたいと思っています。
納豆なら、匂いとかあって、学校とかに持ってくるのが難しいし、僕のようなチェリーボーイが、悲しい思いをすることはなくなると思ってます。
クリスマスの闇を暴いた華子さん、バレンタインデーに隠された恐ろしい陰謀も暴いてください。
とここまで書きながら、なんですが、
学校帰りに近くのコンビニのおばちゃんが、ジュースと肉まん買ったら、ブラックなんとかチョコくれました。
ありがと、おばちゃん!
涙の、、バレンタイン。
最後の、、バレンタイン。」
「夏ちゃん、ちょこ納豆くんは、結局バレンタインが好きなのか、嫌いなのか、どうなんだろう?
良く分からないのだが?」
「そうだね、春にいちゃんどう思う?」
「くぅ~、お兄さんにはよく分かるよ。
ちょこ納豆くんの揺れる気持ち!
俺も欲しいよ、おばちゃんのほろ苦いチョコ。
納豆の日のアイデア、ナイスですよ〜!!」
「えぇ~、そうなのぅ?」
「まあ、春二郎が共感出来るのも、何となく理解できるな。
とはいえ、バレンタインデーとは、ちょこ納豆くんがこれから戦わなければならない、スペック格差社会の最初の洗礼なのだ。
信念を持って戦えば、バレンタインデーなど恐れるに足りん。
負けるな、ちょこ納豆!
男はスペックだけではないのだ。
そう、粘り強く頑張れば、いつか本物の、誰もが引き寄せられる、そう、納豆王子になることができるのだ!」




