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魔女の烙印を押された聖女は、異世界で魔法少女の夢をみる【改稿版】  作者: 黒鍵


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007 変身――黒竜へ疾る一蹴

 魔族の軍団の後方から、巨大な黒いドラゴンが現れ、こちらに向かってゆっくりと歩を進め始めた。


 直後、総指揮を任されたゼビウス大将軍が、配下の聖騎士団を引き連れて、真っ向から突撃を仕掛けていく。


 私だったら迷わず逃げるのに責任感があるな、と感心しながら眺めている。


 彼は火の特級魔法を発動し、巨大な炎の剣を作り出してドラゴンに向かって振り下ろした。


 だが、予想通りまったくダメージを与えることはできず、魔法そのものを黒い炎でかき消された。


 相手が魔物や人間であれば、あの魔法でも特大のダメージを与えられるが、魔力の高い魔族は、魔法抵抗が高くダメージは半分以下になる。


 しかも、あの黒いドラゴンはどう見てもラスボス級に魔力が高そうだ。


 たぶんノーダメージだろうなとは思っていたが、まさか魔法そのものを消し去るなんて、ちょっと想定外だった。


 もはや絶体絶命のピンチに、各国から集まった騎士や魔法使い、僧侶や司祭たちは皆、「人類の敗北」という言葉が頭をよぎったのだろう。


 陣営は一気に重苦しくなり、皆、悲壮に満ちた表情だ。


 私は周囲をざっと見渡し、誰もが巨大なドラゴンに目を奪われていることを確認すると、足早に無人のテントの中へと滑り込んだ。


 そして、念のためにもう一度、誰もいないことを確認すると、万能魔法を使って、魔法少女(・・・・)に変身した。





 無人のテントの中でセーラは万能魔法を使い、魔族に甚大なダメージを与える反魔族粒子アンチデビルマテリアル戦闘服(コスチューム)を作り出した。


 全身に強化魔法を付与した彼女は、颯爽とテントから飛び出し、ゼビウスたちに黒炎を吹きかけようとするドラゴンを目がけて駆け出した。


 強化魔法と万能魔法で生み出した戦闘服(コスチューム)の性能によって、常人を遥かに凌駕する速度で魔族の群れの中を走り抜ける。


 ドラゴンまでの距離は二十メートル。彼女は口から黒炎を漏らすその顔面めがけて、鋭い飛び蹴りを放った。


 セーラの飛び蹴りは、ドラゴンが展開していた物理障壁をいともたやすく突き破り、こめかみに直撃し、巨体を吹き飛ばしてドラゴンを地面に叩きつける。


 誰もが何が起きたのか理解できず、呆然と立ち尽くす中、ドラゴンだけが状況を即座に把握し、すぐに起き上がって彼女に黒炎を吹きつけた。


 だが、セーラはそれを素早く回避し跳躍して、ドラゴンの懐に飛び込み、渾身の正拳突きを叩き込んだ。


 ボコッ、と嫌な音を立てて、彼女の拳がドラゴンの鳩尾深くにめり込む。ドラゴンは苦悶の声も上げられず、体をくの字に折り曲げて首を垂れた。


 拳を引き抜いた彼女は、地面に軽やかに着地すると同時に、大きく跳躍してドラゴンの顎を打ち抜き、巨体を仰け反らせる。


 さっきまで人類を滅亡へと追い込むのではないかと思わせるほどの威圧感と威厳を放っていたドラゴン。


 だが今では無残にも、たったひとりの少女に好き放題に殴られ蹴られ、傷だらけの姿で、なんとか立っているだけの存在になっていた。


 セーラは無抵抗で立ち尽くすドラゴンを見つめ、わずかに哀れみの表情を浮かべると、ゆっくりと両手を天に掲げた。

「続きも読もうかな」と思えたらブクマを。

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