033 六芒星の光柱、最後の希望
アイオス殿下の冥福を祈りながら必死に逃げていると、突然、背後から黒い光が放たれた。
魔女が魔法で攻撃したのかと思い、とっさに身を縮めるが、何も起きる気配はない。
恐る恐る後ろを振り返ると、そこにはタキ〇ード仮面に変身したアイオス殿下が立っていた。
ついに念願のお助けキャラに変身してくれた殿下。心の中で盛大な拍手を送りながら、愛しのタキ〇ード仮面様の戦いをじっくり観戦することにした。
やがて魔女が魔法を発動する。やはり彼女も、聖魔法――もとい万能魔法が使えた。
放たれる魔法はどれもこれも、想像力をそのまま具現化したような規格外の代物だった。
そして、最後に放たれた魔法は、アイオス殿下を彼女が作り出した異界に引きずり込む最悪の魔法だった。
あの中では、反魔族粒子を練り込んだスーツも通用しないだろう。再び私は殿下の冥福を祈って、静かに合掌した。
ふと視線を落とすと、殿下の部下たちが地を這いながら、黒い球体に必死に向かっていた。
――陛下を助けねば。
彼らは懸命に手を伸ばし前へ進む。正直、何かできるとは思えなかったが、それでも諦めずに足掻こうとする姿に、少しだけ胸を打たれた。
そういえば、アイオス殿下も今回、初めてちゃんと約束を守って、〇キシード仮面様に変身してくれた。
――小さくため息を吐いて、ゆっくりと周囲を見渡した。
聖女皇である私を、多くの者が見ている。その目に宿るのは、最後の希望にすがる祈りにも似た視線だった。
正直なところ、こんな幼気な少女にそんな眼差しを向けるなと言いたい。だが、ここで逃げれば、きっと教会に罰せられ、火刑にされる。
――ならば、いっそ好きなことをして死んでやる。
私は腰に巻いた鞄の中から、これまで倒してきた魔王の魔核を取り出し、地面に放り投げた。
――いざという時のために、魔力回復と治癒の術式を施した『とっておき』だったが、まさかここで使うとは。
少し惜しいと思いつつ顔を下げる。音を立てて転がった魔核は、均等に並び、六芒星を描き、淡い光を放ち始める。術式が結ばれ、魔法陣が浮かび上がる。
小さく息を吐き、その中心に立つ。
刹那、真っ白な光の柱が現れ、全身を包み込むと、瞬時に傷と魔力は回復する。
――やがて私は魔法少女の姿へと変身していた。
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