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魔女の烙印を押された聖女は、異世界で魔法少女の夢をみる【改稿版】  作者: 黒鍵


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017 創造主の神判と黒雷

 不死王ドラキュラとの戦争から三日後。修道院に戻ってきた私は、鏡に映る額の禍々しい刻印を見つめ、小さくため息をついた。


 軽く頭を振り、気持ちを切り替えると、万能魔法で人工皮膚を生成し、それを刻印を覆うように貼った。


 アイオス殿下に頼まれて魔法少女に変身し、魔族たちと楽しいひとときを過ごしたのはよかった。


 だがまさか、他にも逃げずに魔族と戦っていた者がいたなんて、考えも及ばなかった。しかも、その人物がよりにもよって同級生の大神官ジーク君だとは。


 ……勉強熱心で真面目な彼は、とても優秀だった。本来なら主席で卒業し、いずれは教皇にすらなれるほどの逸材。


 だが、私という規格外の化け物のせいで、その優秀さもすっかり影を潜め、何をしても二番止まりの、ちょっと可哀想なモブキャラと化した。


 そんなモブな彼は、腐ることなく真面目に毎回戦争に参加し、地味ながらも着実に功績を上げた。そして、大神官にまで登り詰めた。


 今回の戦争でも、その勤勉な態度が評価され、教会から特別な任務を任されていた。


 それは教会が保管している聖遺物<創造主の神判>を託され、万が一魔女が現れた場合には「これを使って拘束せよ」というものだった。


 この聖遺物は名前こそ仰々しいが、実際のところは捕縛に特化した魔道具に過ぎない。


 対象に向けて発動すると、一時的に付与されている魔法を解除し、魔法の発動を封じて拘束する。


 さらに捕縛に失敗しても追跡ができるよう対象にマーキングを施す。いわば、前世でいうところの『防犯カラーボール』のような代物だ。


 聖遺物<創造主の神判>で拘束されそうになった――あのときを思い出す。



――――――――――――



 拳に<反魔族粒子アンチデビルマテリアル>を纏わせて、私はデスナイトたちを薙ぎ倒し、その亡骸を山のように積み上げていった。


 気づくと、ひとり残った不死王ドラキュラを「一思いに殺してくれ」と懇願するほどタコ殴りにして高笑いを上げていた。


 ――まさにそのとき、恐怖に震えるジーク君が、突如現れて両手に持った聖遺物<創造主の神判>を発動したのだった。


 彼は持てる魔力のすべてを込めて発動し、私に付与された魔法を解除しようとした。


 だが、歴代の聖女の中でも屈指の魔力量を誇る私に、そんな半端な力が通用するはずもなく、あっさり弾き返した。


 それでも彼は言い放った。


「命を失っても、任務だけは全うする!」


 ブラック企業の社長が喜びそうな言葉に眉をひそめる。前世で真面目に働いていた自分の姿が重なった。


 彼は残り少ない魔力をかき集めて、私に烙印を押そうとした。そんな必死な彼の姿を見て――


「……くだらないことに命を賭けるな」


 毒づくと、ぶん殴って気絶させようと彼を睨みつけた。濁りのない瞳を向けられ、かすかに胸が痛んだ。


 その隙をつき、ドラキュラは蝙蝠に変身して逃走を図った。


 思わずジーク君から視線を切り、反射的に蝙蝠を捕まえる。瞬間、彼が発動した聖遺物の光線をまともに受けてしまった。


 慌てて変身が解除されていないか確認したが、問題なかった。続いて、彼を見やると、魔力枯渇で意識を失っていた。


 もはや私を邪魔する者はいない。確信すると、右手で掴んでいた蝙蝠(ドラキュラ)を天に掲げて必殺技を叫んだ。


「ブラックサンダー!!!!」


 私の声が戦場に響き渡った。


 刹那、上空から漆黒の雷が蝙蝠を掴む右手めがけて落ちてくる。


 大量の反魔族粒子アンチデビルマテリアルを含んだ黒雷は、一瞬で蝙蝠(ドラキュラ)を焼き尽くした。


 焦げた翼膜の匂いが、乾いた風に散っていく。やがて私の右手には、黒く輝く高純度の魔核が収まっていた。

「続きも読もうかな」と思えたらブクマを。

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ジークっす<(_ _)>

挿絵(By みてみん)

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