03)Please call my name.
1・2話読みかえしたら誤字・脱字だらけですね。
スミマセン・・・
もし、誤字・脱字発見したら教えてください。
宜しくお願いします。
回数を重ねるうちに、エブァンとの息抜きも習慣化してきた。
路地裏に行ってもエブァンと会える頻度は多くはないが、あそこの場所には野良猫ちゃん達がいる。
最初は遠巻きに見るだけだった野良猫ちゃんも、エブァンと一緒にいる時に、あの手この手で慣らしてき、今では触っても逃げられなくなった。
しかも、膝で寝てくれるようになったのだ!!
猫好きな千鶴としては心のオアシスを手に入れたような感じだ。
これもエブァンと出会ったお陰。
別に路地裏に通ってるのは猫のためだけって訳じゃないけどね。
大好きな猫を撫でながら空をぼーっと眺める至福の時を堪能していたら、エブァンがやって来たのが見えたので上機嫌に挨拶をした。
「こんにちは、今日は良い天気ね」
相変わらず、深くまで被っていたフードを外しながらエブァンが挨拶を返す。
「ああ、良い天気。昼寝がしたくなるよ。」
「ええ、猫ちゃん達もぐっすりよ。あの子なんかお腹を出して寝てるし。」
少し先の棚の上で、豪快に寝ている猫を指差した。もふもふのお腹の毛を風にそよがしている。
うりうりっ、て撫で回したいけど、それをしたらまた怖がられるんだろうなぁ。
可愛いけどいつまでも見ていたら、衝動が抑えきれなくなりそうなので視線を外した。
エブァンが壁に腰をかけると、千鶴の膝の上で寝ていた猫が目を覚まして、エブァンの膝の上に移動してしまった。
「あっ!!」
余程残念そうな顔をしていたんだろう。エブァンが困った顔をした。
無理に移動すると可哀想だからしないけど、なんか・・・あんたよりエブァンがいいのよ!!って態度で表されると落ち込むなぁ。
でも、しょうがないよね。エブァンの方は子猫の時からは知ってるんだし。
千鶴は無理矢理納得してから気にしないで、と笑って言った。
エブァンの顔に笑顔が戻る。困った顔させちゃってごめんねー。
せめて撫でてるくらいはいいよねってことでエブァンの膝にいる猫を横から撫で続けた。
「そういえば、この子逹の名前はないの??」
「つけてないよ。よかったら、チズが名前をつけてみない?」
エブァンは少し考えた後、思い付いたように言った。
「私が!?えー…。」
そんなこと言われてもすぐに思いつかない。うぅーと奇声を出しながら考えこんでいるとエブァンが苦笑しながら言った。
なんか、苦笑される回数がやたらと多い気がするのは気のせいか。千鶴の方が年上なのに精神年齢はエブァンの方が上なのかもしれない。
「すぐでなくてもいいよ。良い名前が思い付いたら教えて。」
「んー…そうねぇ。良い名前が浮かんでこないし、時間をかけて考えるわ。」
「楽しみに待ってる。」
そう言われたらこの子逹に良い名前つけないといけない気になる。でも、私ってネーミングセンスないんだよね。タマとかポチっていう名前しか思いつかない。しかもポチって犬の名前だし。前に住んでた場所もマンションということで動物飼えなかったから名前をつけるようになるとは思わなかった。
エブァンにゆっくりでいいよと言われたけれど猫を頑見しながら考えた。
だって、いい名前が思いつく気がしないんだよー。
暫く一生懸命悩んでいると、スウスウと規則正しい寝息が聞こえてきたので、横を見てみたらエブァンが猫と同じように気持ち良さげに寝ていた。
ここは影で涼しいし、眠たくなっちゃうよね。
エブァンの寝顔はいつもより一段と幼くみえた。今はまだ身長も私より少し低いくらいだけどまだまだこれから伸びるだろうし、どんどん格好良く、綺麗になっていくんだろうな。ちょっと寂しいけれど、弟が一人できたようで微笑ましい気持ちになり、エブァンの頭を撫でた。
私も眠たくなって二人(+α)でお昼寝をしていたら、寝すぎてしまって起きたのは日が沈む前。
慌てて帰ると、心配して待っていたアマンダに泣きながらきつく抱き締められた。
つぶやくようにごめんと謝ったけれど罪悪感に押しつぶされそうだった。