表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ギャルに優しいオタク君【コミカライズ&書籍化】  作者: 138ネコ
オマケ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

276/292

閑話「拙者は女友達が少ない」

チョバムと歌音が友達になる話です。Twitterでエゴサしてたら「チョバムと歌音の絡みが見たい」とリクエストを見つけたので書いてみました。

時期的には161話の少し後。

 まだまだ気温が20℃を超える11月。

 放課後の第2文芸部の部室で、チョバムが一人でパソコンに向かっていた。

 そんな第2文芸部の扉がガラガラと音を立てて開かれる。


「あれ、今日はチョバム君だけなん?」


 扉を開けた主は、村田姉妹の姉の方。村田歌音である。

 本日は誰も来ないと思っていたチョバムが一瞬だけビクつく。


「鳴海殿とリコ殿と委員長殿とめちゃ美殿なら、小田倉殿に引っ付いて行ったでござるよ」


 チョバムの言葉に「ふーん」とそこまで興味無さそうな返事を返す歌音。

 何故なら彼女の探している本命は優愛ではないので。居たら一緒に帰ろう程度には考えていたが。

 

「それじゃあ、エンジン君は?」


「詩音殿とデートでござるな」


「あー、やっぱりか……」 


 彼女の目的は、妹である詩音である。

 授業が終わった歌音が友達に話しかけられ、おしゃべりに夢中になっている間に妹の詩音が居なくなっていたのだ。

 その時点で十中八九、エンジンとデートするためにこっそり帰った事には気づいた歌音。

 とはいえ、もしもの場合もあるので、一応確認のために第2文芸部の部室にエンジンが居ないか確認をしに来ていた。

 

 そんなコソコソと隠れるようにデートに行かなくてもと思わなくはないが、歌音には前回のデートに無理やりついて行った前科がある。

 本人も、後になって妹のデートについて行くのは流石にやり過ぎたと反省はしている。機会があったらまたついて行こうなどと考えてはいるが、ちゃんと反省している。

 とりあえず、妹は無事と分かり、特にする事もないので、なんとなく部室に入り、歌音はパソコンを覗き込む。


「チョバム君は一人で何してるん?」


「拙者でござるか? 拙者は冬コミで頒布する同人誌の確認でござるよ」


「ふーん」


 特に興味はないが、やる事もないのでパソコンの画面を見つめる歌音。


(興味ないけど、ここで「じゃ」って帰るの、なんか印象悪くね?)


(ぶっちゃけ、やる事はもう終わってるでござるが、来た瞬間にパソコン落として帰るのは感じ悪いでござるな)


 あまり接点のない相手ゆえに、気をつかい合ってしまうチョバムと歌音。

 何か話題を探さねばと思いつつも、ギャルとオタク。共通の話題は少ない。

 そんな少ない共通の話題の中から、最も適したものを考える事数秒。


「そ、そういやさ、最近詩音が『クリスマスにエンジン君へプレゼントどうしようかな』とか言ってたんだけど、何か良いのないかな?」 


「あー。そういえばエンジン殿も同じ事言ってたでござる」


「あ、そうなんだ」


「正直、アドバイスが欲しいんじゃなくて、惚気たいだけでござるよね」


「チョバム君もそう思った!? ウチもそうじゃないかと思ってたんだけど!!」


「最近では『チョバム氏も彼女作った方が良いですぞ。心が満たされますぞ』とか言ってくる始末でござる!」


「うっわ、それ恋人が出来た瞬間にマウント取ってくる奴じゃん」


 大事な親友と、大事な妹。

 話しやすい共通の話題が出来たからか、最初は遠慮がちだった会話が和気あいあいへと変わっていく。

 この前こんな事言っていた。こんな事していた。


 知っている事がほとんどだが、中にはチョバムが知っていて、歌音が知らない事。

 逆に歌音が知っていて、チョバムが知らない事がいくつかあった。


 エンジンと詩音のカップルについて。

 チョバムはオタク君たちと居る時は、あまり多くは語ったりしていなかった。

 どうしても話題が他にいきがちだったのもあるが、下手に水を差しても良くないと思っていたので。


 それは歌音も同じである。からかい気味に詩音に言う事はあっても、それ以上に言及する事はあまりなかった。

 あと、優愛が絡むとマシンガントークで話題があっちへこっちへ行くので。


 なので、お互いこの2人について語りたいというフラストレーションは結構溜まっていたのだ。

 貯まりに貯まった鬱憤を晴らすように、語り合うチョバムと歌音。

 だが、そんな時間も終わりを告げる。


「あっ、もう下校時間か」


「みたいでござるな」


 チョバムと歌音にとって体感5分だが、既に1時間以上が経っていた。

 チャイムの音と共に、外からは運動部が後輩に片付けの指示をする声が聞こえてくる。

 もう少ししたら、教員が見回りに来るだろう。

 まだ語り足りないが、仕方がない。そう思いチョバムがパソコンの電源を落とす。


「チョバム君、この後、まだ時間あったりしない?」


 そんなチョバムに、歌音はニコニコと声をかける。


「特に用事はないでござるが」 


「それじゃあ帰りにカフェ行こうよ。まだ喋り足りないしさ」


 歌音の言葉に「拙者でござるか?」と自分を指さし答えるチョバム。

 そんなチョバムに笑いながら「他に誰が居るんだって」と答える歌音。


「拙者なんかで良いでござるか?」


「はいはい。そういうネガは良いから。それじゃ行こっか」


 強引に連れ出そうとする歌音に、戸惑い気味のチョバム。


「そ、それじゃあ部室の施錠をして、鍵を職員室に返してくるから、先に校門まで行ってても大丈夫でござるよ」


「それなら一緒に行こうよ。一人で行くよりも、話しながら行った方が良いっしょ」

来週4月9日(水)はガンガンオンラインのギャルに優しいオタク君更新日!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読んで頂きありがとうございます!

もし宜しければブックマークと↑にあります☆☆☆☆☆評価欄を、★★★★★にして応援して頂けると励みになります!

↓各通販販売サイト。名前をクリックするとページまで飛べます。

amazon様

ゲーマーズ様

メロンブックス様

BOOK☆WALKER様

特典情報
― 新着の感想 ―
共通ルートwのお話ですから、どのルートでも、この二人は仲良くなっているということですね。 さて、チョバム氏の娘の話は出ていましたが、相手には言及無かったので歌音さんではなかったのかなあ。
優しい世界、好き。 そりゃまあ、地雷原みたいなオタク君チームの前ではそういう話は出来ないでしょうな(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ