表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ギャルに優しいオタク君【コミカライズ&書籍化】  作者: 138ネコ
オマケ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

271/292

閑話「3次元の誘惑(前編)」

 残暑も和らぎ、過ごしやすくなった11月。

 授業も終わり、帰る支度をしているチョバムの元に、エンジンが近づく。腕を組み、うんうん唸りながら

 朝から、なんなら数日前からこんな調子の友人を見て、チョバムが声をかけるべきかどうか考えあぐねていた。なんとなくエンジンが何で悩んでいるか予想がついているから。


「エンジン殿、どうしたでござるか?」


 だが、このままうんうん唸られても正直うっとおしいので、聞いてあげることにしたチョバム。

 そんなチョバムに対し、口を開こうとして、またうんうんと唸るエンジン。


「どうせ、詩音殿にメイド服着た姿見せて貰いたいけど、言い出すきっかけがなくて悩んでるのでござろう」


「何故分かったですぞ!?」


 ズバリ、心中を言い当てられ驚きの声を上げるエンジンに、チョバムがドヤ顔で返す。


「文化祭で詩音殿と仲良くなった後からずっとその調子だから、すぐわかるでござるよ」


 既に2年近い付き合い。

 毎日顔を会わせバカをやっているのだから、お互いに多少の事はお見通しである。 


 ここで下手に照れたり言い訳をしたりしても意味がない。心中を察せられているから。

 なので、素直にチョバムに相談をするエンジン。


 メイド服を着て欲しいけど、下手な頼み方をすれば体が目的だったと思われるかもしれない。

 それが原因で別れ話になってしまうかもしれない。

 でも、メイド服を着た彼女が見てみたい。


 一通りエンジンが話し終わり、チョバムが「なるほど」と言いながら顎に手をやる。


(途中、ただの惚気話がいくつか混ざっていた気がするでござる)


 エンジンの惚気気味な話に、少しの嫉妬と、友人が上手くいってる事の喜びを感じ、チョバムの口元に自然と笑みがこぼれる。


「いたっ、なぜ殴った。ですぞ!」 


 それはそれとして、やっぱり腹が立つのでエンジンのみぞおちに軽くパンチをする。


「良い案を思いついたでござるよ」


「良い案? それと今殴った事は何か関係あるのですかな?」


 ちょっと涙目のエンジンが、みぞおち辺りをさすりながら、今の会話と殴った関係性を問い詰める。

 そんなエンジンを無視してチョバムは話を進めていく。


「詩音殿とプリ機を取りに行くでござるよ」


「プリ機を? それで、某を殴った事とどんな関係が?」


「最近のプリ機は、コスプレしながら写真が撮れるように、コスプレ衣装の貸出があるでござるよ」


「なるほど。それなら自然な流れでコスプレする事が出来ますな!」


 それはそれとして、なぜ殴ったかしつこく問い詰めたいエンジンだが、彼女のメイド姿と天秤にかける。


「この後暇があるか、メッセージで聞いてみるですぞ」


 どうやら詩音のメイド姿を見たい欲望が勝ったようだ。

 スマホを取り出し、エンジンが早速詩音にメッセージを送る。いや、送ろうとする。

 何度も同じような文章を書いては消してを繰り返しているので、中々送信にこぎつけないのである。


「ポチっとな。でござる」


「チョバム氏!? チョバム氏!!??」


 業を煮やしたチョバムが、エンジンのスマホの送信ボタンを横からぽちっと押す。

 あまりに唐突過ぎたせいで、文句を言いたくても思いつかず。クラスメイトが振り返るのも気にせず、エンジンは大声でチョバムの名前を呼び続ける。


『うん。空いてるよ。もしかしてデートの誘い?』


 エンジンのスマホから、ピロンと音と共に、画面に映るメッセージ。

 慌てて「はい」とだけ、短い返事を返し、エンジンがチョバムを睨みつける。

 凄みはするエンジンだが、微妙にニヤケてしまっている口元のせいで全く効果がない。


 その間にも、ピロンピロンとエンジンのスマホは鳴り続ける。

 詩音からの「どこにデートに行く?」などのメッセージで。

 

 スマホにメッセージが届くたびに、口角が上がるエンジン。

 そんな友人の姿を見て、チョバムもどこか満足そうに笑みを浮かべる。


「チョバム氏、某これからちょっと用事が……」


「分かってるでござるよ。小田倉殿には適当に言っておくでござる」


「かたじけないですぞ!」


 浮足立った様子で、エンジンが教室を後にする。

 その姿を見送った後、チョバムはその足で第2文芸部へと向かって行った。

 そして、第2文芸部の部室のドアを開け、開口一番に叫ぶ。


「エンジン殿が詩音殿とこの後デートでござる!!」


「な、なんだってー!!」


 見事な裏切りである。


 一方その頃。

 詩音との待ち合わせ場所についたエンジン。 


「お待たせ、です、ぞ?」


 詩音の姿を見つけ、声をかけるが、どこか戸惑い気味である。

 そんな戸惑い気味のエンジンに、詩音が申し訳なさそうに眉を下げて愛想笑いを返す。


「おっ、エンジン君おまたー」


「あははー……」


 何故なら歌音も居たからである。

ガンガンオンラインにて、ギャルに優しいオタク君の20話ー1が更新されました!

サムネを見たら分かりますが、リコ派には絶対に読んで欲しい内容なので有料ですが是非読んでください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読んで頂きありがとうございます!

もし宜しければブックマークと↑にあります☆☆☆☆☆評価欄を、★★★★★にして応援して頂けると励みになります!

↓各通販販売サイト。名前をクリックするとページまで飛べます。

amazon様

ゲーマーズ様

メロンブックス様

BOOK☆WALKER様

特典情報
― 新着の感想 ―
適当(真実)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ