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【完結】ギャルに優しいオタク君【コミカライズ&書籍化】  作者: 138ネコ
オマケ編

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閑話「オタク君何でモテる?」

皆様、お久しぶりです。

最終話を書いてから三ヶ月ぶりの更新になります。

8月にコミックス第3巻が出るのを祝って、発売まで週1になりますが閑話を更新して行こうと思います。

今回の話は第19話以降(コミック版では12話以降)でのお話となります。

 放課後の教室で、机を寄せ合い、ただでさえ暑苦しい季節だというのに、机から身を乗り出して顔を寄せ合うのは、青塚、秋葉、浅井、池安、そして樽井の五人。


「お前たち、準備は良いか?」


 真剣な顔で、硬い声を出す浅井に、この上なく真剣な表情で頷き返す青塚と秋葉。

 そんな浅井たちとは対照的に、冷ややかな表情で「良いから、はよして(早くして)」と言いたげな池安と樽井。

 池安と樽井の反応を気にする事なく、浅井は満足げに頷くと口を開いた。


「え~、第一回~。小田倉が何故モテるのか会議~」


 浅井の言葉に、小さな拍手が起こる。

 オタク君が、ギャルである優愛と仲が良い事は、もはやクラスメイトの間では周知の事実だった。

 だが、気が付けば、双子姉妹のギャルである村田姉妹と。そして他のクラスの子で「最近可愛くなった」と噂のリコこと姫野瑠璃子とも仲が良い様子。

 そこまでくれば誰もが疑問に思うだろう。なぜオタク君だけがこんなにもモテるのかと。


 事あるごとに「オタク君オタク君」と言って、オタク君の周りを衛星のように付きまとう優愛。

 そんな優愛に付き合う素振りをしつつも、オタク君をチラチラしている村田姉妹。まぁこちらは、優愛に嫉妬されずに、あわよくば自分たちもネイルチップ等をオタク君にお願いしたいなと、邪な考えで見ているだけだが。

 そして、わざわざ毎日のように、放課後になると一緒に帰ろうと迎えに来るリコ。


 ギャルたちに囲まれるオタク君の姿は、まさに学園ハーレム物の主人公である。

 思春期の少年たちが、そんな光景を毎日見せつけられれば、羨ましがるのは当然。

 そして、ついに限界を迎えた浅井たちが、教室の隅でひっそりと、秘密の会議を始めたのだ。……が。 


「筋肉じゃね?」


「やっぱ筋肉かな?」


「筋肉フェチって、顔よりも大胸筋を見てるって聞くしな」


「確かに小田倉の筋肉はすげぇよな」


 始まった瞬間に、満場一致で議題に決着がついてしまう。

 実際は、他にもオタク君の魅力は色々とあるのだが、まだ付き合いが浅い。理解しろという方が無理だろう。

 オタク君のマッチョっぷりが、イメージに合わないせいでインパクトが強すぎたせいもあるが。

 

 そうだよな。筋肉だよな。口々にそう呟きながら、彼らが思い浮かべるのはオタク君の筋肉。

 浅井たちが自分の二の腕をチラリと見る。オタク君とは似ても似つかぬ、すらりとした腕。

 暑いからと、胸元の解放したシャツからは、ペッタンという擬音が似合いそうな胸元が。

 オタク君と自分たち、どちらの方がマッチョか、勝敗など、火を見るよりも明らかである。

 ため息を吐く青塚と秋葉。


「つまり、俺達もマッチョになればモテるのでは?」


「「……確かに!」」


 浅井の言葉に、目を見開き見事にハモりながら納得する青塚と秋葉。

 マッチョだからオタク君がモテている。ならば自分たちもマッチョになればモテる。簡単な方程式である。

 

「とはいえ、どうするよ?」


「俺達もマッチョ目指して筋トレでもするのか?」


 浅井たちを半笑いで煽る池安と樽井。

 少々小馬鹿にしたような言い方ではあるが、内心では彼らも期待していたりするのだ。筋トレ展開に。マッチョに憧れない男の子はいないので。


「そうだな。やるか、筋トレ!」


 浅井が元気よく立ち上がると、その場で腕立て伏せを始める。

 それに倣い、青塚、秋葉も腕立て伏せを始め、やれやれと言いながら一緒に腕立て伏せを始める池安と樽井。

 途中スマホを取り出し、効果的な筋トレの仕方を調べては試し、下校時刻になるまで浅井たちは筋トレに励んでいった。


「帰りにプロテイン買って帰ろうぜ!」


 肩を並べ、仲良く集団下校をしながらプロテインを買って帰った一同。

 そして、翌朝。


「……今日の筋トレ、どうする?」


 教室の戸を開けた青塚が、不自然な歩き方で浅井に近づき声をかける。


「今日は……あー、俺は良いかな」


 浅井は椅子に座ったまま、まるで固まったように動かないままそう答えると、同じように椅子に座って動かない池安と樽井も同じように「今日はパス」と答える。

 その答えに、少しだけ安堵の表情を浮かべ「そっか、じゃあまた今度にするか」と言って、不自然な歩き方で自分の席に向かう青塚。

 張り切って、むしろ張り切り過ぎて筋トレした浅井たち。その結果、歩くのも座るのも一苦労するほどの筋肉痛に襲われたのだった。

 その後、彼らが筋トレを再開する事はなかった。

 

「ねぇねぇオタク君」


 今日も優愛がオタク君に声をかける。

 仲良く談笑をするオタク君と優愛。

 そんな二人の姿を、穏やかな笑顔で見守る浅井たち。


(あの筋肉のために、毎日こんな辛いトレーニングを続けてるんだ。そりゃあモテるよ)


 ちなみに、浅井たちの買ったプロテインは、一度も封を開けなかったので、後日文化祭用のコスプレ衣装を作ってくれたオタク君へのプレゼントに使われた。

コミックス第3巻の、紙及び電子の予約が既に始まっております。

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それと小説版ですが、2巻が続刊するには少々売り上げが足りていないので、もし買う予定だったけどまだ買っていないよという方が居ましたら、下記のURLでも最寄りの本屋さんや通販サイトから購入して頂けますと幸いです!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 筋肉は一要素に過ぎないんだよなぁ(笑) けど、妬んだりとかそういう方向に動かないこいつらは良い奴ら。 コミックスも小説も、続くことを願っています。
[良い点] 勘違いでもオタクくんの凄さが伝わったのは嬉しいですね めっちゃ笑えました!! [一言] 更新ありがとうございます!
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