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中隊

 ジンはテントから出ると自分の中隊長に与えられたテントへと戻ってきた。


「おかえりなさい、隊長」


 ジンを出迎えたのはミシェルだった。


「ただいま、みんなはどうした?」


「隊長がいない間に鈍った体を慣らすって走りに行っちゃった」


「ははは、たしかに俺も混ざってこようかな」


「いけませんよ!隊長はまだ傷が塞がりきっていないんですから!」


「そうは言ってもさ、動かさないと鈍っちゃうし」


「いけません!ただでさえ隊長はダメだって言っても動かすんですから!目の届く範囲では安静にしてもらわないと!」


「だっはは!隊長がミシェルに叱られてんぞ!」


 そこに少し汗ばんだダリル達が入ってくる。


「おい、ダリル、俺は決して叱られていない!」


「嘘つくなよ隊長、めっちゃ叱られてたじゃんか」


「あんた達、水浴びしてから入りなさい!!!」


 ミシェルに怒鳴られて中隊全員がそそくさとテントから出る。

 それに紛れようとしたジンが首根っこを掴まれてミシェルに捕まったのはご愛嬌だった。

 それから中隊全員が汗を流し、再度テントに集結したのを確認してジンが喋り始める。


「さて、今日から俺たちは人数は少ないが正式に中隊と言う名目で動く。どう言う扱いを受けるかはまだ上から聞いてはいないが、お前らを俺につけたってことは中のことは任せるってことだろう。そこで三十人の兵を五人六分隊に分ける!」


「それって小隊長になるってことですか?」


「違う、昇進とは違うがウチでは五人一組の分隊長という職種を設ける。まずはダイナお前が第一分隊の隊長だ」


「はい」


 ダイナが急に言われたが、ジンにあの日先導を任せた日からジンに絶対の信頼を置いている。間髪入れずに答える。


「次、第二分隊隊長はトール、第三分隊長はダリル、第四分隊長はミシェル、第五分隊長はガオンに任す!」


「「「「はい!」」」」


 呼ばれた全員が返事をする、皆ダイナとほとんど変わらない心境だった。


「次に各隊に配属する人員を伝える!」


 そう言って名前を呼んでいき、二十五人が呼ばれた。


「次に今呼ばれなかった者は俺についてこい。お前らは比較的高齢の者を選んだ。別に足手纏いとは思っちゃいない、知識が浅い俺のバックアップを頼む、異議のあるものはいるか?」


「「「「ありません!」」」」


 全員がそういうとジンは頷く。


「よろしい!いいか各分隊隊長、お前らのところに選出したもの達の意味を知れ、自分の仕事理解しろ!わかったな!」


「「「「「了解」」」」」


 ジンが振り分けたメンバーには意味があった。


「第一にダイナ隊には比較的手練れを集めた、お前らはこの中隊の足だ!第二にトール隊お前らは中隊の頭だ、ダリルお前のところは馬鹿力中心だ!中隊の腕になれ!ミシェル、君の隊にはこの中隊の体になってもらう、戦場での手当は任せる。ガオン!お前の隊は中隊の目だ、俺の視野より多くのものを拾ってこい、いいか、お前たち一人一人が中隊を支える柱だと思え!どの隊が欠けても支障をきたす、いいか心に決めろ!死ぬことは許さんわかったか!」


「「「「「「了解」」」」」」


 中隊全体が声を上げて敬礼するのだった。

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