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出撃

 青龍騎士団は嶺暦982年、タイラン防衛のための援軍として出撃していた。


「まじで今日まで走り込みしかしてこなかった」


 行軍中のダイナはそう言うとため息を着く。


「仕方ないさ、隊長命令だ背いたら後が怖い」


 ダイナの隣でトールがそう言うと眼鏡をクイっと上げる。

 不満が溜まりに溜まっている小隊メンバーは自分たちの先頭を歩くジンを睨む。

 小隊がそんな状況だとは知ってか知らずかジンは何食わぬ顔で歩いていく。

 そんなこんな、出撃から三週間、青龍騎士団はタイランに到着していた。


「ここが『不抜のタイラン』か」


 ついて早々ダリルがそう言うとトールが感嘆しているそれに水を差す。


「抜かれたけどね」


「うるせえ」


 トールの空気を読まない発言にダリルは眉間に皺を寄せると吐き捨てながら頭を小突く。


「それで、帝国はどこまできているの?」


 ダリルとトールの掛け合いを尻目にミシェルがダイナにそう尋ねる。


「俺は聞いていないよ、隊長殿は知ってるんじゃないかな」


 ダイナがそう言うとちょうどそこで騎士団全体に集合がかかる。

 騎士団員全てが集合するとジゲンが団員の前に立つ。


「諸君、ここまでご苦労だった。だが、これからが本番である。帝国はもうすでにダーズ荒野の一歩手前であると情報を受け明日、我々はダーズ荒野へと出陣する」


 そこで一度全員を見回して言葉を切るジゲン。


「いいか!奴らは侵略者だ!ここより先は我らが祖国である!貴様らは国で暮らす者の盾だ!そして!のこのこ攻めてきた帝国に対しての矛である!奴らに考えの甘さを思い知らせてやれ!奮い立て武士共よ!」


 そう言い切ると騎士団全体で大きな歓声が上がる。


(流石だな)


 ジンは隣で大きな声を上げるダリル達を見てジゲンの偉大さにまた憧れる。

 一夜開けて隊列を組むとダーズ荒野に向けて騎士団が動き出す。


「そういえば、今回俺らは援軍って話じゃなかったか?」


 進軍を開始してから数時間が過ぎてダリルがそう言うとトールがいつものように反応する。


「その通りです、元々最初に向かったのは白虎騎士団ですから」


「でもまだぶつかってねーんだろ?何でそれで援軍なんだ?」


「簡単な話だよ」


 そこで話に割って入ったのはジンだった。

 ジンが会話に割って入ることはこれが初めてであるために驚く小隊メンバー、だが簡単な話と言われて見当がつかないトールは先が気になり尋ねる。


「簡単な理由とは何でしょう?」


「数、だろうね」


「数?」


「最初に白虎が出て数日すぐに援軍の要請があった、白虎はその多くが貴族で構成された騎士団だ。それがほんの数日で援軍だ、貴族は面子を重んじる。援軍の要請をすればどこがくるのかわかっていてそれでも援軍を要請するってことは自分たちでは手に余ると判断したってことさ」


「たしかに玄武騎士団は王都の防衛、朱雀騎士団は基本的には動かない。つまり出てくるのは青龍騎士団」


「そ、貴族の間じゃ平民騎士団と言われる我が騎士団が来るとわかっていての要請だ。それほどまでのことなんだろう」


「そうか、衝突もしてないのに援軍、それも敬遠している僕たちへの援軍要請、それなら十中八九、数か」


「そう言うことだね。まぁ他には敵の兵器って可能性もあるけどまだ衝突していないんじゃその線は薄いと思うよ」


 そう言うジンに小隊メンバーが納得するがすぐに取り繕うようにダリルが俺もそう思ってたと言うのだった。

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