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帰路

 初日が終わり帰路につくジンは少なくない後悔をしていた。


「やらかしたなぁ、ちょっと悪目立ちが過ぎたな」


「それは、あんな自己紹介をすればな」


 急に後ろからの声にびっくりして振り向くジンは知ってる顔にげんなりする。


「ロイ、お前一応この国の王太子様じゃねーのか」


「いや何、少し面白い話を聞いてな、親友に会いに来たわけだ」


 ジンは害意に対しては敏感だがそれ以外に対してはそこまで気を使っていなかったため、驚く。

 ジンはロイの周辺から警戒を含む視線を感じて少し安心する。明らかに一つ歴戦の猛者のような雰囲気も感じるが多分セバスチャンであろうとさらに安心する。


「はぁ、たく、どこで聞いたんだ?」


「俺はこの国の王太子様だぞ?どこからでも情報は入ってくる」


「どこまで知ってんだ?」


「んー、お前が悪目立ちの末部隊の人間にシカトされるくらいはしってるな」


「ほぼ全部な、おけー」


「しかも、まさか俺と話した日に求婚し、ドールと因縁まで作るとは流石の俺も驚いたぞ」


「うぐっ......」


 たまらずと言った風に笑いながら言うロイにジンは羞恥心で支配される。


「まぁ、その話は置いておいて、すぐに命令が下るから先に言ってしまうがテイランに侵攻が始まった」


 急な話にジンはスイッチが切り替わる。


「とうとう来たか」


「お前としては嬉しい戦争か?」


「バカ、戦争に嬉しいもクソもあるか」


「その通りだ。だが俺らが人間である以上争いは避けられまいよ」


 ロイは空を見上げて言う。


「だがまぁ、攻めてくんなら返さないとな。守りたいもんもあるし」


「そうだな!お前はここ数日で守るもんが増えたしな」


 ジンの言葉に茶化すように返すロイにジンは肩をぶつけて抗議する。


「それと、姉上が会いたがっていたぞ?」


「サファイア様が?どうして?」


「姉上とリナリー嬢は仲が良くてな、どうやら話を聞きたいらしいぞ」


「あまり気乗りしないな」


 苦笑いを浮かべるジンにロイはそれにと付け加える。


「まだあるのか?」


「どうやら、こちらに戻って俺だけに会いに来たのがまずかったらしいぞ?」


「どう言うことだよ?」


「何故自分には会いに来ないんだと少し膨れていたな」


「なんでサファイア様が膨れるんだよ」


「さぁな、自分で聞け。まぁ、出立前に顔を見れてよかった。死ぬなのよジン」


 言いたいことだけ言い終わるとロイは踵を返してきた道を戻っていく。


「まだまだ死ぬ気はねーよ」


 ロイの背中にジンは覚悟を投げかけるのだった。

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