相変わらずの
デイダラとテンゼンがジゲン邸に居着いてから一ヶ月が経とうとしていたある日ジンはジゲンの呼び出しで書斎の前に居た。
「親父殿、入るぞ」
ジンはノックをした後一言声をかけて入室する。
「来たか」
「今日はどうしたの?」
「そろそろデイダラ達もこの家に慣れてきた頃だからな、騎士団に顔合わせと入団を明後日にでも行う予定だ」
「ああ、そういえばデイダラさん達も入るんだっけか」
「少し因縁があってな、わしから誘ったんだ」
「ふーん」
ジンは詳しくは聞かなかった。
「では、伝えたからな」
「わかった、心構えはしとくよ」
ジゲンはジンに伝え終えると書類に目を落とすのだった。
二日後ジンは正装に着替えて腰に刀を刺して馬車に乗っていた、この刀は修行中適当に買った刀だ、ガクゼンに修行の身で上等な刀はいらないだろうと言うことで何処にでもある普通の刀である。
そして騎士団入団のため城へ向かう面子はジンにジゲン、デイダラ、テンゼンと馬車の運転をするジャスだ。
馬車に揺られながら剣術について語ること数十分馬車が止まる。
「旦那様、到着いたしました」
ジャスが馬車の扉を開けながら声をかけるとジゲンが「わかった」と短く答えて一行は馬車から降りる。
王城の門番はジゲンの顔を見て姿勢を正しくしジゲンはその前を堂々と歩く、それにジャスを抜かした一行が続いた。
王城に入るとメイドに案内されて一室に通される。
メイドは「少々お待ちください」と一礼してから退出していく。
「すぐに騎士団に合流するんじゃなかったの?」
ジンは言われていた段取りと少し違うことを疑問に思いジゲンに問いかける。
「どうやらお前とデイダラ達に会いたいと言うお方がいるらしくてな」
ジゲンの「お方」と言う言葉に嫌な予感がしたジンはどうやってこの場から退場するかを少し考えたところで部屋の扉が開く。
「やぁ!ジン!久方ぶりだな!」
ジンは嫌な予感の的中とこの件を知っていたであろうジゲンを睨みながら返答を返す。
「殿下、私はいいですがデイダラ殿やテンゼン殿もおりますよ」
大きな音と共に入ってきたのはロイと男女一人づつの少年と少女だった。
「む、そうだな、申し訳ないお客人礼節をかいた」
ジンに言われてすぐに頭を下げるロイ、王族としてはなかなかない行動にデイダラですら少し驚いている。
「いや!いいんですよ、殿下これから騎士団に入ろうって身なんですから」
デイダラは慌てて取り繕う、いくらデイダラが放浪の剣術家であろうとも一国の王子いつも見たいな軽い対応は難しいらしい。それに続いてテンゼンも一礼をする。
デイダラがなぜ驚いたかといえば今まで何人かの王族を見てきたが一伯爵の子息に言われてすぐに非礼を詫びるなどあり得ないことだったからだ。
「うむ、これから我が国をよろしく頼む。ジゲンもよくきてくれた忙しい中時間をとってもらってすまないな」
頭を上げてニカっと笑うロイにデイダラはハハハと乾いた笑い声を上げるだけだった。
「いえ、殿下が息子と会いたいと言うのであれば大歓迎ですよ」
ロイがデイダラとテンゼンに非礼を侘びる、ジゲンに挨拶を済ませるとジンの方に顔を向ける。
これでいいだろう?と顔に描かれたロイにジンは困ったように頷くのだった。
「よし!久しいなジン!」
「殿下、三ヶ月ぶりは久しいとは言わないのではないでしょうか?」
「細かいことを言うな、俺からしたら久しいのだ、頷いておけ、それとその喋りもやめろいつも通りで構わん」
「そーかよ、全くロイ、急すぎるんだよ毎回お前は、少しは考えてだな」
ジンが急に口調を変えると捲し立てるようにロイを非難しようとする。
すると後ろに控えていた少年が大声をあげる。
「貴様!殿下になんて口を聞くんだ!」
急に怒鳴られて停止するジン。
ロイはやれやれと言った表情で少年に話しかける。
「コール、こいつには無礼を許してある、ここに来る前に話したであろう?」
「しかし殿下!」
「いい、これ以上言わすな」
ロイは一言で断ち切るとジンに向き直る。
「すまんな、ジン。付きの者が」
「いやいい、普通はこういうもんだ」
ジンは首を振る。
「ところでそっちの彼と彼女はどちらんさん?」
ジンは自分を睨む少年と特に顔に変化の見えない少女が誰であるのかロイに問いかけるのだった。
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