これから
幼少期最後の話です!どうぞごゆるりと〜
話が一通り終わり、ジンとジゲンは帰宅の準備を終えて城の玄関まできた。
基本的にメイドや使用人が見送るのだが今回は王族がメイドよりも多いという豪華な見送りだった。
「ではジゲン、ジンよ帰りは気をつけるのだぞ」
「「はっ!」」
ジンとジゲンはしっかりと膝をついて一礼する。
「ジン!それでは私はお前がまたここに来るのを首を長くして持っているからな!」
「わかったよ」
ジンはもう諦めて今後もロイストスといい関係を築けたらいいなと思い始めていた。
「それではジン様、私も心よりお待ちしてますわ」
ほぼずっとニコニコしているだけだったサファイアにも待っていると言われて何がそんなに気に入られたのかわからないジンだが思考を停止させて頷く《うなず》のだった。
「ではこれにて」
ジゲンの言葉で締め括られてジンとジゲンは馬車に乗り帰路に着く。
場所に乗った二人は同時にため息吐く。
「親父殿、いくらなんでもぶっ飛んだ話が多すぎるぜ。あれよあれよという間に親父殿は騎士団長で俺は殿下のお友達だ」
「なんだ、不満なのか?」
「不満はねーけど急がすぎるってもんだ。心の準備ができてないな」
「まあ、王宮でお前を褒めすぎたわしに少しの責はあろうがそれも仕方あるまい。殿下があそこまで仰るのだ諦めろ」
「はぁ」
またしてもため息をつくジンにジゲンは疲れたように笑った。
ジンとジゲンが家に着くと家族総出でお出迎えだ。
「おかえりなさいジン」
「ただいま、母様」
「なんだルイ、ジンだけか」
ジゲンは不機嫌そうに眉を顰める。
涼しい顔をして受け流すルイはジゲンの上着を受け取りながら話しかける。
「あら、今日中に帰るとは思わなかったわ。今日は陛下との泡盛はなかったのですね」
「まあな、少々疲れてしまったしジンもいたしな」
「おかえり!おにーしゃま!おとーしゃま!」
「ただいま〜オウカ〜!オウカは今日も天使だな〜」
「オウカ、なぜわしではなくジンなのだ?」
「?」
ロケットのように抱きついてきたオウカをジンが受け止めながら頬擦りをする。王宮で疲れたジンは我が家の天使にデレッデレだった。
ジゲンはジンよりも後に呼ばれたこと抱きついたのがジンだったことに先程よりも不機嫌になる。
何故か不機嫌なジゲンにオウカは頬擦りをされながら首を傾げるのだった。
ジゲンは帰って早々に書斎に入りジンを呼んだ。
「さて、ジン」
「ちょっとは休ませてくれよ、親父殿」
ジンは疲れたと呟きながらジンに文句を言うがジゲンは全く反応せず話を続けた。
「一年後、ひいては数年後に備えて明日より今まで以上の修行をお前につける」
なぜ急にそんなことを言ってきたのかあまりわからないジンは首をかしげる。
「騎士団発足が成ったらお前を騎士団に組み込む」
「え!待ってくれ!騎士団発足ってだいたい一年前後だよ?今俺六歳児」
「構わん、お前に普通の六歳を見るのはもう諦めた」
(なんか失礼な物言いな気がする)
「わかったけど、母様は許可するかな?」
ルイはジンに対して割と過保護だ、七歳で戦場に出るなど許可が降りるような気がしなかった。
「ルイにはわしが言う。いいか、お前は殿下に気に入られたそのことをしっかりと自覚しておけ」
いつもならルイの尻に敷かれているジゲンだが今日は真剣にジンを見つめ、ルイを説き伏せると言った。そのことにジンは少し気を引き締めた。
「いいか。ロイストス殿下とドールスレス殿下は確実に衝突するだろう。お前がロイストス殿下に着いたのならわしらオオトリはロイストス殿下に着く。そしてドールスレス殿下には剣聖がおるつまりはそう言うことだ」
どうやらジンは自分が王国の跡目争いに巻き込まれたのだと知り衝撃を受けるのだった。
「まじでか」
「気を引き締めろ。もう後には引けなくなってしまった」
ディノケイドの前であれだけ親しそうにロイストスが言っていたのならもはやオオトリはロイストスの側に着くことは周知になったと言っても過言ではない。
ジンはあの場でそんなことが決まってしまったなど知らなかったが、ジゲンが自分のせいで覚悟を決めざる得なくなってしまったわけだ。
「すみません、親父殿」
「よい、気にするな元々オオトリはロイストス殿下に着く予定ではあった。だが今回のことでお前がロイストス殿下の直臣といってもいい存在になった。ならばお前はその責任を全うせねばならん」
ジゲンの言葉の重みをじわじわと感じ始めたジンは、どうやら自分は巻き込まれたどころか渦中の人になってしまったことを悟った。
「わかった。頼む親父殿」
「まかせておけ。剣聖など鼻歌を歌いながら退けるくらいにはしてやる」
国一の強者を鼻歌歌いながら退けられるようにととんでもないことをサラッと言うジゲンにジンはこの先の修行に戦慄した。
読んで頂き誠に感謝!
これにて幼少が終わり次に少年に入ります〜では!
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