無理なお願い
ちょっと話ながいけど、多分次かその次で幼少期終わります。
三人が席に着くと用意してあった紅茶を飲もうとしてロイストスの手が止まる。
「む、すっかり冷めてしまっているなすまない新しい物を用意してもらえるか」
「かしこまりました」
ロイストスは何もないところに話しかけるとそこから返事が返ってきて驚くジン。全く気配がしなかったからだ。
「いつからそこに?」
「ああ、すまないまだ紹介していなかったな。セバスチャンだ俺の本当の専属執事だな」
「ご紹介に預かりましたセバスチャンと申します」
「よろしくお願いします」
おずおずと挨拶するジンだが、まさか気配すら気づかないとは思いもしなかった。多分本業は執事ではないなと思う。
セバスチャンが新しい紅茶を用意するとロイストスが紅茶を飲みながら先程の謝罪をする。
「いや先はすまないことをした、単純に悪戯の類だったのだが、まさか勘づかれるとは思いもしなかった。それも二つも年下のお前にな」
「まぁ、勘はいい方なので」
「ふむ、いやこれはだいたい会う貴族の同い年くらいの者にやっているのだが皆反応がさまざまでな、面白くてやめられんのだ」
「面白い?」
「ああ、私が執事だと思って取る態度が変わる者変わらない者見下す者もいたな。反応はさまざまだが見抜かれたのは初めてだ」
ジンは心の中で同じ境遇の子供たちに同情した。
「さて、話は変わるが私は大変お前が気に入った。どうだ?私の友人としてこれから付き合っていかないか?」
友人とは簡単に言うが貴族の友人関係はそんな単純なものではない、家格によって友人関係が決まり、家格の釣り合わない友人関係は中々にないことだった。あるとすれば家の伝がある場合のみだ。
例えば、下の爵位の者が上の爵位の者に婿、又は嫁として送り出した場合や過去にそういった事例だあり長い間関係を築いて者たちなどだ。
オオトリの家は成り上がりの男爵でこの先、三等親までしか貴族として認めてもらえない領地を持たない貴族だ。
貴族との繋がりなどないに等しい存在だそれがいきなりこの国の王位継承権第一位といきなり友人など身分差の結婚よりもありえない状況だった。
「それは無理だと思いま......思う。俺と殿下では身分が違いすぎるかな」
敬語を使おうとしてロイストスに睨まれたジンは慌てて取り繕う。
「確かにそうね、ジン様とロイでは少し身分に差がありすぎるわ。ロイはいいかもしれないけれどそれで迷惑するのはジン様ですもの、無理を言ってはダメよ」
今まで黙っていたサファイアが諭す様にロイストスに言う。
「だが姉上、私はどうしてもジンを気に入ってしまった」
「そうねぇ、ロイがそこまで言うのは珍しいしなんとかしてあげたいのだけれど」
(王族ヤベェ、俺置いてけぼりだ)
ジンの思惑など全く考慮せずに話が展開されて行く中ジンはどこか達観した感覚で話を聞いていた。
サファイアはこの中では唯一の二桁の歳なので、二桁といっても十二歳ではあるが。ロイストスよりも貴族社会とはどういうものか理解しているため強くは言わないが、どうやらジンをロイの側に置きたがっている様な雰囲気がする。
正直どれだけロイがゴネようとジンの身分では叶わない願いである、そのことでジンはある意味では安心して話を聞いていられたからかもしれない。
「でも、これは仕方のないことよ?お父様でもこの問題は難しいわ、あなたの願いのために内戦にでもなったら困るでしょう?」
内戦と物騒な言葉が出てきて少しギョッとするジンだが確かに起きかねない事柄である。
次期国王の側に仕えると言うことは将来を約束された様な者であり本来は侯爵など王家に近しい者がその役割を担う、がロイストスの側にそういった者がいないのかと疑問に思いジンは会話に参加する。
「殿下に乳兄弟などはいないのか?」
これ以上ロイストスに睨まれるのも嫌なのでジンは努めていつも通りの話し方をする。
「それなら弟の側に仕えているだろうな」
「弟君の?」
「ああ、奴とは話が合わなくてな気づいたら弟の側に仕えておったわ、別になんとも思わないからいいのではあるがな」
「なるほど、なれば侯爵家の令息とかはどうでしょうか?」
「奴らとも会ったが友と呼べるものは二人だな。後はやはり話が合わなそうなのでな気づいたら弟へって感じだ」
「えっと、話が合わないから弟君の側に行く意味がよくわからないんだけど」
「私とあいつでは思想や理想が真逆でな、私と合わないと言うことは弟と話が合うってことなのさ」
なるほどと呟きながら弟の不満を漏らすロイストスを少し心配してサファイアに目を向けるジン。
ジンの視線に気づき微笑むサファイア。
「私からしたらどちらも可愛い弟ですが、ドールの考えは少し過激ですから」
だからロイとこうして紅茶を飲んでいるのだと暗に言うサファイアに王族も大変だと思うジンだった。
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おなしゃす




