招集命令
間に合ったねぇ
明日はちょっと日曜なので休みです。
幼少サクッと行こうと思ったけどもうちょいお付き合いください。
自室で覚悟について考えていたジンはドアのノックする音で思考の渦から現実に引き戻される。
「坊っちゃま、お食事の用意ができました」
「わかった、すぐにいくよ」
ジョゼの報告にもうそんな時間かと思ったジン。どうやらジンは思いのほか長い間考えていたらしい。
ジンは軽く服装整えて、部屋を出てリビングまで行くとジン以外の家族はもう席についていた。
ジンが席につくと食前の挨拶を済ませて食事が始まる。
いつもなら誰かしらが今日あった事や何かしらの話題を振るのだが今日はすぐにジゲンが真剣な顔で話し始める。
「今日、陛下から城に謁見の召集命令がかかった。明日わしは城に行ってくる、ジンお前はわしと共に城に来い」
「俺が?」
「そうだ陛下からの御達しでな、どうやら歳の近い殿下と合わせるらしい」
「いやいや、でもうちは男爵だよ?殿下とは仲良くなっても身分があまりにも違くはないかな?」
「わしもそう思うが、どうやら殿下は少し特殊な方らしくてな、わしも二度くらいしか会ったことがないからあまりわからんがジンとは話が合うやも知れぬと陛下がな」
「まぁ、別にいいけど。俺が粗相をして親父殿の首が飛ぶのは見たくないぜ?」
「それはわしもごめんだが、まぁ大事なかろう」
なんの気無しにいうジゲン。
(まぁ、いいか)
とジンは割と適当に頷くのだった。
ジゲンの話が終わると、いつものような自然な会話が始まる。
この時、ジン・オオトリとロイストス・バン・ベータルとの歴史に残る初対面が決まった瞬間だった。
翌日、早朝の鍛錬を終えたジンとジゲンは順番で風呂に入り王宮へ向かう準備をしていた。
ちなみにオオトリ家の風呂は和式である。
外見は洋式の屋敷なのに室内は至る所が和風な作りをしているその一つが風呂である。初めジンも和式の風呂に驚いたものだ。
準備の終えたジンとジゲンは家族に挨拶をして屋敷をでる。
「そういえばさ」
ジンは昨日考えていたことをジゲンに聞いてみようと思い口を開く。
「昨日のことなんだけど、剣を持つ覚悟ってやつ」
「ああ、そのことか」
「俺も今まで覚悟して刀は振ってなかった」
「であろうな、だからお前の前であの話をしたのだからな」
「やっぱりか......俺は覚悟ってのはまだよくわかんないけど剣の重みはわかったよ」
「そうだな、お前くらいの歳ならそれで十分だろう」
そう言ってジゲンは息子がしっかりと剣について、人の命について考えていることが誇らしい気持ちになった。
嬉しくなったジゲンはガシガシとジンの頭を乱暴に撫でるのだった。
ジンとジゲンは王宮につき、ジンは王宮というか王城の大きさに唖然としていた。
家から見てもデカかったのだ近づけばそりゃあでかいのだが、前世の記憶でもここまで大きな建物は知らない、これは単純にジンが前世の記憶を断片的にしか所有していないためであるが、ジゲンはジンの新鮮な驚きぶりに少しニヤリとしていた。
ジンは前世の記憶の断片があるため割と何を見ても驚かないからである。
「お待ちしておりました」
門が開き二名のメイドが現れ一礼する。
メイドさんとは思えないほど優雅に一礼をしたことにまた驚くジンはここに来て驚くことばかりだと、ちょっとワクワクし始めていた。
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