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剣を持つ覚悟

明日は投稿できるでしょうか?


YES or NO


がんばります。

 ジゲンがオウカを抱きしめていると書斎部屋のドアがノックされる。

 ジゲンが誰だ?と問うとドア越しから男が答える。


「はい!グルーシオです!ジゲン様にお客様なのですが、お通ししてもよろしいでしょうか?」


「む、今は無理だ。後日にするよう伝えてくれるか?」


「はっ!ですが、王からの命だと伺っています!」


「なに?陛下から......ジャスちょっと頼めるか?」


「畏まりました」


 ジゲンに命じられたジャスは姿勢良く一礼して部屋から出て行く。するとジゲンがジンに喋りかける。


「なんだジン、わしを裏切った償いにオウカを寄越したか?」


「それは違うよ、親父殿。オウカが話があるって言うから連れてきたのさ」


「何?オウカが?」


 ジンが諦めたように言うと、ジゲンがオウカに顔を向ける。するとオウカが元気に返事をする。


「うん!あのね!とーしゃま!おうかけんのおけいこしたいの!」


「剣の稽古?」


「うん!」


「なんでまた、剣の稽古がしたいんだ?」


「あのね!にーしゃまととーしゃまがけんのおけいこするのみてたらおうかもしたいくなったの!」


 一生懸命に説明するオウカにジゲンは少し考えてから結論を出す。


「わかった。だがオウカ、一年待て、一年待ってそれでも剣の稽古がしたかったら許可しよう、だがそれまでは見学だけだ。わかったか?」


「なんでいちねんまたなきゃダメなの?」


 オウカは涙目で上目遣いにジゲンを見る。 

 これはオウカの必殺技だ。この技に逆らえる家族は今のところルイ以外はいない。

 だが今回のジゲンはしっかりとオウカの目を見て答えた。


「まだオウカに剣は早い。それにどこまで行っても剣とは人を傷つけるものだ。それを持つのには覚悟がいる男は戦場に出る生き物だが女は違う。女は女の幸せがあるそれはどこまで行っても男とは違う価値観だ。だから一年、父達を見てそれでも剣が習いたいのならわしも許可しよう」


 ジゲンの意思が硬いことを悟ったのだろう、オウカはコクンと頷いた。

 そのタイミングを見計らったように部屋のドアがノックされる。


「ジャスか」


「はい、旦那様。お客様ですが応接間にお通ししています。正式な使者の方でありますのでお急ぎ、お会いしていただきたい」


「あい、わかった」


 ジゲンはオウカをゆっくり降ろすと、オウカに笑いかけ、ジンに真剣な目で見つめてから一言。「行ってくる」とだけ言って部屋を出て行った。

 さっき言っていたことはオウカを通してジンにも言った言葉だ。

 剣を持つならば覚悟を持てと。

 ジンはジゲンが出て行ったドアを見つめ剣を持つ覚悟とは何かを真剣に考えた。



 オウカを部屋に戻してジンは一人、自室で考えに耽っていた、ジゲンとオウカの先程の会話を思い出して『剣を持つ覚悟』とは何かを考えていた。

 剣は人の命を奪う道具だ。

 騎士がどれだけ守る者のために正当化されようとも戦争は起こりうるし起きれば人の命を奪う。つまるところ殺人である。

 この世界では命の重みなど前世とは比べ物にならないくらいに軽い。

 ならば人の命を奪うことの重みも軽いのかと言われればそうではないだろう。

 人の命を奪うとはそんな軽い話ではないのだ、だがジンは騎士を志しているつまり人を殺さねばならない立場に置かれると言うことだ。

 だがジンは騎士以外の選択肢はなかった、ならば奪う覚悟と守り抜く覚悟を決めてその道を歩くしかない。

 

(覚悟は持とう)


 覚悟などしたことがないし、持とうと思って持てるものでもない、だが持とうと思う気さえあれば全く持っていないよりはマシだろうと、ジンは自分に言い聞かせるのだった。

読んで頂きありがとうございました!


ブクマ評価感想などなどお待ち申しています何卒宜しく!

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