和やかな時間
今日も一日?
ルイに言い包められたジンは一度素振りをやめてルイ達とお茶を楽しんでいた。
「やっぱりジョゼのお茶は世界一ね〜」
ルイがニコニコ上機嫌でジョゼのお茶を褒めるとジョゼは微笑んでゆっくりと頭を下げる。
そのやりとりの横ではジンとオウカが騒がしく言い合いをしていた。
「にーしゃま!おちゃ、おわったらオウカもけんのおけいこしたい!」
「んー、でもオウカにはちょっと早いんじゃないかな?」
「やー!するの!!」
「それよりオウカ鬼ごっことかしないか?」
「やー!けんのおけいこするの!」
「そんなにしたいのか?」
「うん!」
「わかった!」
「やったなの!」
「でも親父殿と母上が許可したのなら一緒にやろう。それなら文句は言わないぞ」
「ええ!」
「ええ!じゃない、許可が出なければ許しません!」
「わかったの、でもきょかがとればいいの?」
オウカが首をコクンと傾げながら言う。
「ああ、男に二言はない」
「わかったの!」
そう言い終えるとオウカはさっそくルイに駆け寄って許可をねだりに行った。
(まぁ、母上ならば大丈夫だろう、親父殿はオウカにすぐ籠絡されるだろうが。)
そう思っていたジンだが、思いの外すぐにオウカがトテトテと帰ってきて。
「かーしゃまいいって!」
「なに!?」
予想外のオウカの回答にバッ!とルイに顔を向けると微笑みながら口をパクパクしている。
よ・ろ・し・く・ね
ジンの予想に反して乗り気なルイに今度はジンが意味もなく口をパクパクさせるが、オウカの嬉しそうな顔を見ていると、ダメなどとは言えず。 「親父殿がオーケーしたらだからな」 と力なく言うだけだった。
オウカを連れて書斎まできた。
ドアをノックして返事を待つとジャスの声が聞こえる。
「どうぞ」
ドアを開けて中に入ると親父殿とジャスが書類と睨めっこしていた。
「親父殿、仕事中申し訳ない」
「なんだ、裏切り者のジンではないか」
「まだ言ってんのかい、それより厄介なことになった」
「なんじゃい」
ジゲンが恨めしそうに目を細める。するとジンの後ろからオウカが顔を出してジゲンへと突っ込む。
「とーしゃま!おしごとおつかれしゃま!」
「おお!オウカがきたか!でかした!ジン!」
オウカを見てすぐに機嫌を直したジゲンは嬉しそうにオウカを抱き止める。
オウカにはジャスも口を出さず微笑んでいる。
「あ、ああ」
多分この後怒られるジンはため息を吐くのだった。
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