先輩と後輩の日常会話(あいうえお作文)
『図書館にて』
「あっ、先輩だぁ〜」
「いきなり声を掛けるなよ、バカ後輩」
「うえ〜ん、先輩が怒ったぁ」
「演技だけは上手だよな」
「十八番なんですっ」
「帰るか黙るか、どっちを選ぶ?」
「聞いてくださいよぉ〜」
「口を閉ざせば美少女なのにもったいねぇな、お前」
「結婚を前提とした告白ですか?」
「怖えよ、思考の飛躍が」
「さ、さては私を騙したんですね!?」
「知るか……」
「好きって言ってくれれば、まぁ、その……」
「責任とってよねっていうセリフは確かに萌えると思うな」
「そうですか、へぇ」
「淡々とした態度だな、急に」
「違いますよ、興味が無いんです」
「つまらないことをオブラートに包めよ」
「てへっ、ドジっちゃいましたっ」
「取り敢えず言うが、読書の邪魔をすんな」
「なんで構ってくれないんですかぁ〜」
「睨まれるんだよ、司書という名の図書室のヌシに」
「ヌシって……」
「眠ってる姿しか見たことないけどな」
「野良猫みたいですね……」
「はぁ……そんなことはどうでも良いんだよ」
「一人でいるのがそんなに好きですか?」
「普通だろ、それが」
「変人というか、偏屈なのには変わりない気がするんですけど」
「放課後くらいは一人で居させてくれ」
「またそうやって一人になろうとする……友達、できませんよ?」
「みんな仲良くは肌に合わねぇんだよ、お前と違って」
「むぅ、先輩のバカ」
「面倒くさいと、お前も構いがいがあるだろ」
「もうちょっとデレてもいいんですよー?」
「やっぱりお前はブレねぇな」
「ゆっくりと立ち上がった先輩は本を閉じると、優しく私の頭を撫でたのであった……」
「予告なしの嘘はやめような」
「来週のデート、どこに行きますか?」
「理解不能のワードが出たぞ……デートの約束なんていつした?」
「留守番電話、聞いてないんですか?」
「連絡は直接以外は無視するもんだろ」
「ろくでもないですよ、その考え」
「悪かったよ……」
「ヲタクの聖地、秋葉原に行きますからね」
「ん、了解」
▽▽▽
『先輩の家にて』
「あんあん! あぁ、らめぇ!」
「いきなりどうした、壁に向かって奇声をあげるとかして」
「うーん、隣の部屋の妹さんに聞こえませんかね?」
「えっと……どういうことだ?」
「大人の遊びを兄がしている様子ですっ」
「勘違いされるようなことするな!」
「きひひ、焦ってる焦ってる」
「くそっ、やっぱり連れてくるんじゃなかった……」
「契約はしっかり守ってくださいねっ!」
「ここで一緒にぐだぐだするだけだけどな」
「ささ、私とゲームしましょう。当然罰ゲーム付きで」
「知ってると思うが、対戦系は少ないぞ」
「少しあれば十分です!」
「折角だし、数合わせで妹も呼ぶか?」
「そうですね……いえ、それはまたの機会にしておきましょう」
▽
「対戦ゲームに慣れてんな」
「ちっさい頃からやってますよー」
「っ、ああ……これで3連敗……くそ」
「てへっ、後輩ちゃん大勝利っ」
「取り敢えず軽めの罰で頼むわ」
「何言ってるんですか、せぇんぱい?」
「ニヤニヤ顔がうぜぇ……」
「ぬふふ、先輩は今日一日中、『にゃ』を語尾に付けてくださいね!」
「猫かよ……にゃ」
「ノリノリでお願いします! ぷくくっ」
「はぁ……ほら、バトルを再開するにゃ。さっさとお前をぶっ倒してやるにゃ」
「ひひひっ、先輩の嫌そうな顔いただきましたっ!」
「ふぅ……ダメだ、殴ったらダメだ……」
「へいへーい! 『にゃ』が抜けてますよ〜!」
「本気出してやるにゃぁ! お前が負けたら明日ノーパンな!」
▽
「ま、負けました……」
「見たかにゃ! これが俺の本気にゃ! ギリギリだったがな! にゃ!」
「むーっ……」
「め、めっちゃ睨んでくる……にゃ……」
「もう、分かりました。私の負けですよ」
「やったぜ」
「許しませんからね……ノーパンとか」
「よいではないか……って、冗談だよ、冗談。だから振り上げたそのゲーム機をそっと床に置くんだ」
「ラッキーで勝っただけのくせに」
「リスのように頬を膨らませても可愛いだけだぞ」
「ルール変えてもう一回……えっ? 先輩、今なんて言いました?」
「レスポンスできない状況です、にゃ」
「ロリコンですもんね。先輩」
「ワッツ⁉︎ お、俺はロリコンじゃないし!」
「をかし(可愛い)、って言いましたよね、私のこと」
「んーん、きっと気のせいだろ! さ! ゲーム続けようぜ!」
▽▽▽
『帰り道にて』
「あーあ、先輩のせいで怒られた」
「いきなり校長室に入り込む方が馬鹿だ」
「うえーん、先輩に命令されたんですーって言ったら先輩ガチで呼び出されてやんの」
「延々と説教されたのはお前が原因か! 俺は関係無いと思ったのに!」
「女の子って、こういう時に徳ですよね」
「勝手なお前の行動のせいで俺の評価はだだ下がりだ」
「気にしなくてもいいじゃないですか。私は先輩のこと、ちゃんと知ってますからね」
「くっ、こういう時だけ美少女しやがって……」
「結婚を前提にしたプロポーズですか?」
「怖えよ……って、このやり取り2回目な」
「さぁさ、嫌なことなんて忘れて今日も先輩の家で遊びましょう!」
「静かにな。昨日、妹にうるさいって言われたから」
「少し、はしゃぎ過ぎましたからね。最初の喘ぎ声も聞こえていたかも」
「せめてそれだけは聞こえて欲しくないな」
「そうですか? 仲良しってことが伝わるだけですよ?」
「ただ仲が良いだけって思う方がおかしいだろ! そいつらは明らかに深い仲だ!」
「ちょっと先輩、私達も深い仲ですよ! それはもう彼氏彼女を超えて夫婦みたいなもんです! ていうかもはや私達は夫婦です!」
「次から次へと嘘を吐くなぁ!」
「照れてる先輩……かぁいい」
「取り敢えず口を閉じろぉ!」
▽
「な、なんだか急に恥ずかしくなってきました……」
「ニヤニヤしながら俺らを見てくる視線が……つらい」
「ぬふふ。先輩、顔真っ赤」
「寝言は寝て言え。顔が赤いのはお前だけだ」
「ノリが悪いなぁ、まったくもう」
「はぁ……お前といると疲れるよ」
「ひどいー! 先輩ひどすぎますっ!」
「ふっ、その程度のパンチ俺には効かぐぺっ⁉︎」
「へっへーん。効か? なんですかぁ?」
「ほ、本気パンチはやめろ……」
「まぁまぁ、今のは悪かったです」
「鳩尾クリーンヒットしたぞ」
「むふふ、そんな先輩に謝罪のパンチラを」
「目に焼き付けないからな」
「もっと言えば、昨日の罰ゲームで今はノーパンなのでパンチラではないのですが」
「やめろ! 完全にアウトじゃねえか!」
「ゆらゆら揺れるスカートの中、焼き付ける準備はよろしいですか?」
「よろしくねーよ! やめろ、その手をスカートから離せぇ!」
「ラッキースケベと思って……あっ」
「り、理不尽な強風ぅうう!」
「瑠璃色の体操ズボンでセーフですっ」
「歴史的瞬間が体操ズボンで台無しにぃーー!」
「露出趣味はありませんので。ま、ノーパンなんですけどねっ。見たかったんですか?」
「わ、忘れてくれ……頼むから……」
「をことわりしまふ。デートしてくれたら別ですけど。全額先輩持ちで」
「ん……分かったよ、このやろー」
気が向いたら続きます。