前へ目次 次へ PR 38/118 「鶯餅」 「……蛙か?」 「違いますよ! 鶯餅《うぐいすもち》です。ここ、つまんであるでしょう?」 「笑った蛙かと思ったぞ」 むっと口を尖らせれば、彼女は心底愉快そうに笑った。そして鶯餅に口をつけると、口の周りを緑色に染めてもぐもぐ食べていた。っていうか、前から思ってたけど、食べるの好きな割には食べ方下手だよね。 そんな視線に気づいたのか。 「何だ?」 「いえ、何も」 不快そうに言われたのであえて何も言わずに、私も自身の鶯餅に手をつけた。