私と彼女と彼の三角春夏秋冬（ひととせ）

夏

「とうもろこし」

「これはまた……たくさん貰っちゃいましたね」

　学園でもらってきた段ボールを開くと、中にはこれでもか！　と詰め込まれたとうもろこし。しばらく考え、ここは夏らしくと七輪を取りに蔵に走った。

「端女よ、なんだこの香ばしいにおいは！！」

「あ、いらっしゃい。焼きもろこしができないかと思って」

　良かったらどうぞ。半分に切った醤油ダレで味付けされた大粒揃いのとうもろこしの誘惑には勝てなかったようで。彼女はかぶりついた。