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祭りの準備2

広場へ向かう途中途中で里の人へ挨拶をし、40分ほどで目的地に着いた。


「結構、準備が進んでるな。」

「これなら一週間後の祭りには間に合いそうね。」


広場には石でできた直径5メートル程の円形の台があり、祭祀(さいし)に使われたりしている。

その周りには木製のベンチがあるだけだ。

ただ、今は祭りの準備で飾り付けられてとても華やかだ。


「さてさて踊りますか。初めてこの衣装で踊る姿を見られるなんてリオは幸せものだね。」


そう言って、リディアは僕の前で踊りを始めた。

リディアの踊りは僕を魅了するに十分だった。見ているうちにどんどん吸い込まれていった。


10分程の時が経ち、リディアの舞は終わった。


「ふぅ~。どうだった? 上手く踊れていたかな?」

リディアは少し不安そうに僕を見つめた。


「うん。凄く良かったよ! 集中しすぎて(まばた)きもできなったよ」

言葉通りに僕は(まばた)きすらできずに集中していた。リディアの踊りはとても洗練されていて練習が必要なのか疑問に思うほどだった。


「良かった~。リオに見せるから結構頑張ったんだよ。」

リディアがほっと息を吐く。


「緊張していたせいか、息が上がっちゃったわ。少し休憩しようっと。」

僕とリディアは木製のベンチの上で隣り合って座った。


「それにしても早いものね。リオがこの里に来てから5年も経つのね。」

「当時は両親のことで落ち込んでいたけど。リディアと里の人のお陰で今ではすっかり元気になったよ。」

僕は5年より前は王都近くの町で暮していたが、事故で両親を亡くし両親の知り合いであったムガン先生に引き取られこの里にやってきた。

里に来た当時、僕は両親を亡くしたショックで家に(こも)っていた。

そんな僕をリディアと里の人は暖かく見守ってくれて本当に感謝している。


「リオが元気になって本当嬉しいわ。」

そういいながらリディアは僕の頭を優しく撫でてくれた。

リディアの手は暖かく、とても心地よかった。


「さて、呼吸も落ち着いたしそろそろ練習再開しようかしら。」


ウオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!

耳をつんざく獣の咆哮が広場に響いた。


「狼!! こんなところに」

狼なんて里の周りにも滅多に現れたことがないのに。なんで…


「違うわ! あれは…」


僕たちの目の間に現れたのは狼と言うには大きく、余りにも巨大な獣だった。

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