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梅雨入り前の良く晴れた土曜日の午後

作者: 東京 澪音

嬉しい時に涙して、苦しい時にこそ笑う。

僕が好きになった人はそんな素敵な女性ひとでした。


そんな彼女の事をよく思わない同性もいました。

全ての人に好かれてるとは言いませんが、それでも僕が彼女に魅了されていたのは確かです。


初めて会った時から、彼女ほ僕をとても可愛がってくれました。

結局最後まで一人の男性としてはみてもらえませんでしたが、まるで本当の姉弟の様に僕をかわいがってくれたのをよく覚えてます。


色んな事を話してくれて、色んな所に遊びに連れて行ってくれて、僕の悩みを真剣に聞いてくれたり。

僕には女姉弟はいませんが、本当の姉の様に慕っていたのは確かです。あ、ほんの少しの恋心も、ね。


僕らの楽しい時間は、これからもずっと続いて行くものだと思ってました。

最後に会話をしたのは、夜のファミレス。


夏休みに海やプールに行く約束なんかもしてたんだ。

でも僕と別れた20分後、居眠り運転のトラックがノーブレーキで後ろから突っ込んで、お姉さんの車は炎上。


即死だったらしいです。


その話知ったのは翌日のニュースで、僕は人目も気にせずボロボロに泣きました。

声を上げて、まるで子供の様に。


なんでこんなに悲しいの?胸が壊れてしまう位痛くて苦しくて。

涙はしばらく止まる事はありませんでした。


あれから随分時間が流れたけど、この時期が来るとどうしても思い出しちゃうんだ。

嬉しい時に泣いて、悲しい時にこそ笑う。


「僕もそんな人に少しだけだけど、近づけたような気がするよ。」


あの人の墓前でそう小さく呟いた、梅雨入り前の良く晴れた土曜日の午後でした。




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