表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

05 飛びフグ

年1更新。今年も大晦日に。

 トビウオじゃなくとも魚は水面から空中にジャンプする。観賞魚を水槽に蓋をしないで飼育していると何時の間にか飛び出して、床に落ちてそのまま死亡してしまい、飼い主が気付いた時には乾燥した無残な亡骸に変わっている事例等、それこそ枚挙に遑がない。

 我が家のフグの水槽にも蓋が必要か否か悩んだが、家のフグのおチビちゃんは頭が良くて、何故か人間と念話めいた謎の方法で意思の疎通が可能なので、水槽外への飛び出し等の危ない真似はしないと約束させたので、ずっと蓋は無しの状態である。


 だが或る日、何故にそうなったのか原因は不明だが、唐突にチビちゃんにジャンピングブームが到来したのだった。『外へ落ちなきゃ大丈夫だから、垂直ジャブはOKだよね』おチビちゃんは水面から天空へと向いてジャンプする遊びを始めたのだった。

 何でもかんでも駄目駄目と抑え付けるのは良くないだろうと、外へ飛び出さない様に充分に注意するんだよ、と注意を促しはしたが、おチビちゃんに自由にさせる事にした。おチビちゃんは何は愉しいのか、垂直ジャンプを繰り返していた。

 最初は、水面から5センチ程度飛び上がるだけだったが、回数をこなす間にその高度は段々と高くなっていった。10センチ、15センチ……やがて垂直ジャンプの高度は30センチを超えて、更に飽きずにジャンプを繰り返して部屋の天井近く迄、届く様になっていた。

 なんか色々と性能がおかしい。まあ念話を使うミドリフグという時点で既に摩訶不思議な魚なのだが、水面から1メートル以上の高度へと垂直ジャンプする生物はもう魚と呼べるのだろうか? 既に、可愛いければ細かい事はもうどうでもいいやって感じだが。


 しかし、故事に“龍門という名の滝を登り切った鯉は龍と化す”と聞くが、このおチビちゃんがその滝に挑戦したらあっさりと昇り切りそうである。とすればおチビちゃんは何れ龍と化すのか……。否、もっと凄い何かと化しそうである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ