お題使用SS「愛」
いつも同じ時間を共有している、僕と君。家が隣同士だからというのもあるけど、一緒にいる時間の長さは、僕らの周りの誰にも負けない。一緒に学校に行って、同じ教室で授業を受けて、他愛ないことで笑いあって、同じ帰路につく。それが当たり前で、変わることなんてないと思っていた、けど。
いつしか大人に近づいて、君といる時間はどんどん減っていく。それを知ってか知らずか、近頃になって、君の口からは今までよりもたくさんの「好き」という音が溢れてくる。
君が好き、歩くスピードを合わせてくれるのが好き、一緒に喋るのが好き、目が合うとにこっと微笑む顔が好き。
そのたくさんの「好き」という君の音は、友愛にしては甘すぎて、愛を囁くには苦すぎる。と、僕は勝手に評してみる。実際、君がどんな意図で言っているのか、僕にはわからない。いや、本当はきっとわかっているのに、そうと決められない。こんなに同じ時間を紡いできたのに、まだ僕には、君の言葉がわからない。
ライクなのか、ラブなのかということ
大人と子供の境界線で、僕は君の音にかき乱されていく。
(お題元 確かに恋だった 様 http://have-a.chew.jp/)
拙い文章ですが、ここまで読んでくださりありがとうございました。次はもう少し長いのを書きたいです。