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現実なんてそんなもの。

作者: 雪りんご。

現実なんてそんなもの。

誰もがみんな知らないフリ。

いつだって誰かを傷つけ、優越感に浸ることで生き延びる。

「お前はバカだ」

その言葉で自分と他人に線を引き、優越感に浸るための権利を得る。


何がバカだ。

何にも知らないクセに、大きな顔でどうでもいい小さなことを威張る奴。


そんな奴らのほうが、よっぽどバカだ。 


「お前みたいな奴が一番危ない」?

では、どのような人間が一番危なくないのだろうか?


危険なことにまったく縁のない人間でも、ふとした拍子に巻き込まれる。

危険とはそういうものではないのであろうか?


曖昧に引かれた線。


現実なんてそんなもの。


誰もが知らないところで危険への道を歩んでいるのに。


優越感。

劣等感。


優越感を得るためには、誰かの劣等感が生まれることになる。

そのために、誰かが傷つく。

仕方がないこと。

必然の理。

悲しい。こんなくだらないことが、繰り返される。

負のスパイラル。

抜け出せない、無限ループ。


傷つくとは、どういったものか。

それこそ、人それぞれの感じ方がある故に、曖昧だ。


誰かを傷つけるということに対して、 

大人も、子供も、みんなもっと神経を張り巡らせるべきだ。


自分の優越感を得るために、他人を見下すような人間。

それは子供の中だけでなく、本当に残念なことに大人の中にもいる。

それらは、確実に人間の一番奥の深いところにある。


どんなに心がきれいな人間でも、多少の優越感に浸る。

それは、仕方がないことだ。


誰もがみんな、そうなるように作られている。


だが、その優越感に浸るのは、もっと人間の醜くない部分であってほしいと願う。

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