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桜うさぎっ!  作者: 夢見
桜うさぎっ!闇氷を溶かすチェリ!
6/12

[第五話 男の娘と女の息子!? 錠前の鍵と鍵の錠前]

橙「ま、待って下さぁ〜い!」


紅「あらら…

ちょっと遅く走るか。」


黄「ほら!地面をしっかり

踏んで蹴る!」


紅「わかったよキブロ!」




放課後。


今桜うさぎ達は

街の中心に位置する

山の中にいる。


森の中を走って

桜うさぎの状態を慣らす。




橙「ひぃ…ひぃ…」


元々病弱なダイブロは

桜うさぎに変身しても、

常人より5割ほど

体力が増えただけで


ゆっくり目に走っている

2人にかじりついて

走っていた。


紅「ダイブロ大丈夫?」


橙「は、はひっ!

頑張りまふぅ〜…!」


ベニブロはダイブロの

気を使いながら

いつもより遅めに走っている。


黄「あぁダイブロはもうダメか…

よし!ならあの木の所に

ついたら終わろうか!」


キブロは速さ的に

かなり物足りないのか、

時々バク転などの

アクロバットを決めながら

走っている。




しばらく走り込んだ後、

3人は変身を解いた。


黄「よし!ちょっと休むか!


あ、ダイブロは時間をおいてから

変身解いてね。」


橙「は、はい…ぜぇ…」


ーーーーーーーーーーーーー


しばらくして3人全員が

変身を解き終わると

チェリーがカゴを持って

染好たちの元へ飛んで来た。


チェリー「お疲れ様チェリ〜♡」


染好「あれ?チェリー!

確か集合場所は

山にある小屋って…」


チェリー「小屋で待ってたら

桜の力を感じたチェリ!


強い方に来たら

染好たちの元に

たどり着いたチェリ!」


飛岸「へぇ〜!

チェリーそんなことも

出来るんだ。」


チェリー「染好たちに

何か危ないことが

あったらわからなきゃ

大変な事になるチェリ…


あ、そうだチェリ!


里座、頼まれてたもの

持ってきたチェリ!」


チェリーはそう言うと、

里座に大きめのカゴを渡した。


里座「あ!

ありがとうございます!」


里座がカゴを開いて

取り出した濡れたタオルで

手を吹くと、

染好たちに差し出した。


中には3つに仕切られた

サンドイッチが

ギッシリ入っている。


染好「わぁ!

サンドイッチ?すごい!」


里座「ありがとう染好。

お昼ご飯です。」


飛岸「よ〜こんなに作ったな…w

仕切られてるってことは

なんか違うの?」


里座「はい。


赤い紙に包まれてるのは

染好の好きなハムチーズ


黄色の紙に包まれてるのは

飛岸のカツサンド


オレンジの紙に包まれてるのは

私の栄養満点のシーフード


です。


さぁ、召し上がってください。」


染好「ありがとう里座!

いただきま〜す!」


飛岸「んじゃあたしも

食べよっと!」


3人は木に背中を預けて座ると、

サンドイッチを食べ始めた。


染好「ふおっ!?おいひい!

(もぐもぐ…ごくんっ)

チーズもハムも弾力あって

美味しいけど、

なんかハーブの香りがする!」


飛岸「あたしのにも

ハーブが入ってるけど…

これなに?」


里座「アルファルファという

ハーブなんですよ。

疲労回復を

促進してくれるんです。」


染好「育ててるの?」


里座「いえ、今ではスーパーの

スパイスのコーナーで

粉末状のが売られているんです。」


飛岸「世の中便利に

なったもんだねw」


そんな感じで楽しく

ピクニック気分で

楽しんでいると…


木の後ろから誰かがどさっと

座る音がすると、

急に泣き声が響いた!




「うわぁ〜ん!!

どこにあるんだよぉ〜!!」




チェリー「チェリっ!?」


その泣き声を聞いて

慌ててチェリーがペン姿になった。


…慌てたせいかグニャグニャの

ペンになってしまっているw


染好も慌てて胸ポケットには

入らないのでスカートの

ポケットしまう。


染好「!?」


里座「きゃっ!?」


飛岸「わ!?ちょ、誰かいる!?」


飛岸が変身ステッキを

持って後ろに隠し、

木の後ろを除くと…




飛岸「ん?あぁw 薫じゃんかw

2人とも!来ても大丈夫だよ!w」


染好「え?」


ーーーーーーーーーーーーー


薫「ほわぁ…!美味しい!

ありがとうございます、

サンドイッチ

分けてもらっちゃって。」


里座「いえ、まだたくさん

あるので色んな味を

試して見てくださいね。」


薫「本当!?ありがとう!」


飛岸「いや〜悪いね里座、

私の後輩に飯分けてくれて。」


里座「えへへ…♡」


染好「後輩?知り合いなの?」


飛岸「あぁ、こいつとは

家が近くてさ。


昔っから面倒見てたのよ。」


そう言いながら飛岸が

薫の頭を撫でると、

子犬のようにほのぼのとした

顔で和んだ。




ちょっと寄り道。

ここでこの子の紹介を

しておきましょう。




薫、本名「田国薫(たぐにかおる)」。

飛岸の一つ下の後輩で、

身なりはかわいいが男。


…男なんですよハイw


飛岸とは近所同士の

付き合いがあり、

小さい頃から

女々しい薫の面倒を

飛岸に見てもらってた。




…こんなもんかな、

本編に戻りましょう。




飛岸「んで、何で

急に泣き出したのさ?

めっちゃビックリしたし。」


薫「…実は、


僕の化粧箱の鍵、

なくしちゃって。

ぐすっ…」


染好&里座「化粧箱!?」


飛岸「相変わらず女々しいこと

してんな薫…w


どんな鍵なのさ?」


薫「えっと…こういう鍵だよ、

色違うけど。」


そう言うと、薫は変わった

鍵と錠前を飛岸に渡した。


里座「変わった鍵ですね。」


薫「でしょ?

これはピンクだけど

無くしたのは別の色なんだ。」


どんな風に

変わっているかというと、


まず錠前の方は鍵穴はなく、

U字の部品を開くと

先に鍵の部分がついた鍵。


鍵の方は輪っかがついた

ごく普通の大きめの鍵で、

先端には鍵穴がついた錠前。


薫「錠前の方は開けると…

(カチャリッ)

ほら、輪っかの部分が

開く構造になってるんだよ。」


染好「誰がこんなの

考えたんだろ…w」


薫「オークションで

手作りのを競り落としたんです!」


飛岸「ってことは破壊は

無理そうだね…


落とした場所に

心当たりはあんの?


…まさか山の中にあるとか

言わないよね?(汗)」


薫「ううん、ちょっと

泣きに来ただけだよ…w


学校から外には出していないよ。」


飛岸「んじゃあ決まりだな!

今日はもう遅いから…

明日の昼休みから探そうか。


落し物として職員室に

届けられているかもしれないし。」


染好「賛成!

早く探してあげなきゃ!」


薫「え、いいの!?」


里座「明日は特に

予定はありませんし…


体調がよかったら

3人でお手伝いします。」


薫「あ、ありがとう!」


ーーーーーーーーーーーーー


特訓が終わって解散した後、

染好は公園でくつろいでいた。


チェリーと一緒に

白餡の大福を食べている。


チェリー「相変わらず

すぐ家に帰らないチェリね…」


染好「早かろうが遅かろうが

家帰っても待ち伏せ

くらうからね。


帰るならうちの家族が

晩ご飯食べる時間帯だよ。」


チェリー「それで帰る時

いつも晩ご飯中チェリか!」


染好「晩ご飯中なら

テレビもついてるし、


忍足すれば気づかれないしさ。」


ふふっ、そう染好が笑うと、

1人の学生がブランコに

座り込んだ。


染好「ん?」


幸い、染好の座っているベンチは

その学生は死角になっていた。

チェリーは化ける

必要はないだろう。


横目で見てみると、

そこには怖そうな人がいた。

まぁ一般にいうヤンキーって

奴だろう。


手には…


チェリー「錠前?

…って!?あれ鍵チェリ!


あれ薫って子の鍵チェリよ!

取り返しに行くチェリ!」


染好「と、取り返しに?

いやそれは無理だと思うよ(汗)


逆にチェリーはあの人に

「鍵返せ」って言える?」


チェリー「…怖くて言えない

チェリねw」


染好「かなり乱れてるけど…

あれはうちの学校のジャージだよ、

明日みんなに相談してみよう。」


チェリー「そう…チェリねw

こんな暗いのに話しかけるのは

ちょっと危ないチェリ。」


そんな感じで、染好とチェリーは

そっとその場を後にした。


ーーーーーーーーーーーーー


飛岸「だからって

写真撮ってくるのはちょっとな…w

でもいい手がかりだよ。」


染好「あはは…w やっぱり?」


里座「ちょっと暗いですね…」


染好「さすがにフラッシュは

たけないからね。」




次の日のお昼時に

3人は一通り鍵を探した後

屋上にに集まり、

昼ご飯を完食してから

話をしていた。


染好が撮ったスマートフォンの

写真をみんなで見ている。


染好「ところで、薫君は

まだ学校に来てないの?」


里座「彼なら他の生徒から

化粧水などを借りて

男子トイレで化粧をしています。」


飛岸「本当女みたいだな

あいつは…w」


染好「それにしても…

どこの人だろこれ?」


飛岸「見た感じは男っと…

大人っぽいし、多分

1つ上の学年だと思うよ。」


染好「3年生か…

なら今の時間でも

確認しにいけそうだね。

怖いけど…」


飛岸「大丈夫私がいるからw

いざとなったら

蹴りくらわしてやんよw」


里座「あまり乱暴に

しないで下さいね…(汗)」


染好「よし!早速行ってみよう!

飛岸、御願いします…w」


飛岸「任しとけって!」


そう言って3人は

木箱から立ち上がろうとした…


その時、


ペン姿のチェリーが

頭のキャップをはずして

顔を出して染好に言った。


チェリー「大変チェリ!

この近くに冬将軍の手下が

いるチェリ!


この感じだと…

下の方にいるチェリか?」


染好「うわっ!?

ビックリしたw 下の方?」


里座「下…あっ、もしかして

1つ下の階でしょうか?」


飛岸「とにかく急ごう!

鍵のことわぁ…

仕方ないけど後回し!」


3人は屋上から出て階段を降り、

廊下に出ようとすると…




「いやあああぁー!!!」


「な、なんなのよ!?

女の子みたいな奴ね!」




飛岸「この声…薫!?」


チェリー「もう一つは

アイスチェリ!」


里座「アイス…ですか?」


染好「あぁ里座は初めてか、

アイスってのは冬将軍の手下の

名前よ、3人の中で紅一点。


…それより、薫君がいるなら

出てから変身は無理そうだね。」


飛岸「んじゃここで

変身しよっか!」


里座「そうですね、

別に変身場所は決まってないし。」


染好「わかった!

それじゃあみんな

変身ステッキ出して!」


里座「はい!」


飛岸「了解っ!」


3人は自らのバックから

変身ステッキを取り出すと、

竹とんぼのように回し、

光を貯めて上に突き上げた!




3人「桜の力!


暖かき色彩の輝き!


チェリブロチェーンジッ!!」




ーーーーーーーーーーーーー


チェリーが冬将軍の手下の存在に

気がつく頃、3階では

大変な事になっていた。




アイス「フローズンハート!

その冷たさで全てを冷やせ!!」




魔法をかけられたハート型の氷は

ビキビキとひび割れながら

膨れ上がり、色付き、

巨大な鍵の束の闇氷になった。


薫「ひ、ひえぇ〜!!」


突然現れた見たことのない化け物に

薫は近くの教室に隠れた。


アイス「あ〜ら、

隠れても無駄よぉ〜♡」


薫「うぅ〜…!」


目をウルウルさせて

教室でガタガタ震える薫。


薫「(怖いけど…

僕しかいないし…

なんとかしなくちゃ!)


ん?なんか以外と根性あるなw


アイス「行きなさい闇氷!

いい子にしててちょうだいね、

ボ ウ ヤ♡」


闇氷はカチャカチャと

金属音を立てながら

教室に近寄ると…

少し震えながら薫は

闇氷に攻撃した!




薫「ぴっ、ピンキーック!!」




なんだそりゃ…w

あんた一般人だろ…w


そんな可愛らしい効果のない呪文

とは裏腹に、彼の繰り出した

蹴りは強力な物だった。


不意打ちをくらった闇氷は

ヂャリっと音を立てて

その場に崩れ落ちた!




薫「いやあああぁー!!!




やあぁ!!足痛ぁーい!!(泣)」


力加減を知らなかったのか、

金属を思いっきり

蹴飛ばしたらしく、

その場でのたうちまわっている…w


アイス「な、なんなのよ!?

女の子みたいな奴ね!


でも力だけは強そうね…

先に始末しちゃいますか♡」


そう言って薫に

手を出そうとした…

その時!




黄「待ちな!!」




薫「わあぁ…!?

うさぎ桜だぁ!」


アイス「なっ…!?桜うさぎ!?」


薫「あれ?桜うさぎっていうの?

どっちにしろかわいすぎる〜!」


突然現れた桜うさぎ達に

アイスは驚き、

薫は憧れに会えて

メロメロだった。




紅「春に咲き誇る赤き花!

桜うさぎっ!ベニブロ!」




黄「春に咲き荒ぶ黄色き花!

桜うさぎっ!キブロ!」




橙「春に咲き渡る橙色の花!

桜うさぎっ!ダイブロ!」




紅「寒き冬に春の訪れを!」




3人「我ら桜の戦士!

桜うさぎっ!!」




アイス「きいいっ!

感ずくのが早すぎよ!!

闇氷!やっておしまい!!」


アイスが手をバッと前にやると、

闇氷は金属音を立てながら

鍵を桜うさぎに大量に飛ばした!


戦闘開始だ!


3人「チェリブロステッキ!」


最初に動いたのはダイブロ、

ステッキを構えて魔法を放つ!




橙「桜の力よ!

我らを我が魔法で

守りたまえ!」




そう唱え、ダイブロは

黒いスイッチを押して

魔法を発動した!


ステッキの先端が淡い光を

帯び始めると、

ダイブロはステッキを

持ったまま舞い始めた。


彼女が振りまく大きめの光は

オレンジ色の大きな花ビラになり、

攻撃を受けては弾けていく。


…舞が大雑把(おおざっぱ)だ。


橙「わわっ!?

鍵一つ一つが重いから

長く持ちそうにないです!(汗)」


紅「勢い強そうだしね…

よし!私が気を引いて

あの鍵の攻撃をなんとかする!


その間にダイブロは

あいつの弱点を

探してちょうだい!」


橙「はいっ!」


黄「私は薫を助けに行ってくる、

2人とも頼んだよ。


桜の力よ!

我が足に宿り強化せよ!


加速!」


キブロはダイブロが舞を

やめる瞬間を狙って飛びだした!

同時に、ベニブロも飛びだす!


見た感じ、2人のスピードは

前より早くなったようだ。


特訓の成果がここで生きた!


紅「いっけぇー!!」


ベニブロはステッキを

物理的に使い、

飛んでくる鍵を

叩き落としながら

闇氷に突っ込んだ!


ダイブロはベニブロが

闇氷の気をそらしてくれている

内に闇氷の弱点を探す。


たまに飛んでくる鍵は

両手でステッキをしっかり握り、

思いっきり振りかぶって

1本1本叩き落す。


ダイブロ「がんばって

くださぁ〜い!

えっと、どこか弱そうな場所…」


ーーーーーーーーーーーーー


薫「えいっ!えいっ!」


一方、アイスに顔を掴まれ

必死に抵抗する薫。


ぽかぽかと目の前にいる

アイスを叩く。


アイス「蹴り以外は

全く手応えなかったわね…


さて、片手で仕方ないけど

お肌の手入れをして

坊やを始末して

桜うさぎ達を」


アイスは片手に魔法を込め、

顔を軽く塗り始ボカァッ!!


アイス「いだっ!?」


黄「いやおかしいでしょ!

優先順位が!」


急いで駆けつけたキブロに

ツッコミ混じりに

蹴り飛ばされるアイス。


黄「大丈夫?悪いけど

どっかに引っ込んでて。」


薫「は、はいっ!」


ちょっとキツめの指示に

薫は素直…ってか

うれしそうに従ったw


使われていない

掃除ロッカーを開け、

中に入る。


キブロは薫が避難したのを

見計らうと、掃除ロッカーを

壊れないよう魔法で強化した!




黄「桜の力よ!

青年を守りし箱を強化せよ!


…これで思う存分戦えるね、


お ば さ ん?


…ぷっw」


全く、この子の舌には

どれだけの毒があるんだか…w


アイス「おば…!?

むきいいぃ!!頭にきた!

覚悟しなさい!!」


アイスがダッと走り、

キブロに飛び蹴りをくらわそうと

蹴り出すと、キブロはそれを

片足で受け止めた。


アイス「…早いわね。」


黄「そりゃどうも。」


2人はふっと、一息付くと

ものすごい早さで

格闘し始めた!


常人の目では

捉えられないだろう。


頭に蹴りが入ったと思ったら

宙返りして脇腹を拳で

叩きにかかる…

もう説明が追いつかない!w


黄「どりゃあああ!!」


不意に、バキィッと音がする。


どうやらキブロの方が

押し切ったようだ。

ステッキで物理的に

吹っ飛ばした様子。


アイス「中々やるじゃない!

…私も本気を出した方が

良さそうね。


フローズンダスター!

出現しなさぁ〜い!」


黄「させるかっ!」


アイスが手に魔法を

込めたのを見て

キブロはその手に

蹴りを仕掛けたが、


アイスの手の中の魔法が

凍りつくのは早かった。


かなり小柄な武器…

どうやら氷で出来た

メリケンサックのようだ。


メリケンサックというのは、

拳による打撃を強化する

目的で使用される武器。


指の骨や関節といった

弱い部分ではなく 

拳に装着した金属部分を

使って行えるのが特徴。


多くの場合、打撃に使用する

金属部分は掌で支える構造に

なっている。


…説明長くてゴメンネ。


その後、すぐにキブロとアイスの

目に止まらない早さの

格闘が始まった。


気のせいか、

キブロの皮膚が時々

へこんでいるように見える…。


ーーーーーーーーーーーーー


橙「あっ、ありました!

色んな種類の鍵の束の中に

一本だけ錠前型の鍵があります!


ほら!水色の光ってるやつです!」


アイスの武器が姿を表す頃、

ダイブロは闇氷の弱点を発見

することが出来た。


紅「あれか…!

わかった、攻撃してみるよ!」


ベニブロは飛んでくる鍵を

弾きながら素早く闇氷の後ろに

回り込んで魔法を発動した!




紅「桜の力よ!

その力を凝縮しぶつけたまえ!」




ステッキからは光の玉が発生し

勢いよくステッキを降ると、

ベニブロの狙い通り

水色の鍵に直撃した!


闇氷はおもいっきり苦しそうに

ガチャガチャと痙攣した後、

ゴトリ。と音を立てて

崩れ落ちた!


紅&橙「やったあ!」


ベニブロとダイブロが

浄化を試みようとした…

その時、




ドッゴオオオッ!




黄「わああぁー!!」


ベニブロ達の丁度真っ正面にある

教室の扉が…飛んだ。


キブロは窓にガアアンッ!と

ぶつかってしまうが、

運良く窓は割れず、

2階からその身が

投げ出される事は

避けられた。


キブロは…身体中に

痛々しいアザを作っている。


アイス「あらあら、

早いだけであなたの力は

私のフローズンダスターでは

かなわないようね♪


まだまだ遊んでもらうわよ♡」


アイスはキブロの目の前まで

移動し、とどめを刺そうと

拳を振り上げ…


紅「させないっ!!




桜の力よ!

花ビラと共に風よ吹け!」




ベニブロはキブロを助けるために

強力な追い風を起こした!


アイスは急に吹いた向かい風に

バランスを崩し、倒れかける。


アイス「ちょ、ちょっと!?」




橙「桜の力よ!

花ビラと共に我が同類を癒せ!」




その隙をついてダイブロが

キブロを回復させた!


飛び交う優しい風と花ビラが癒し、

みるみるアザが消えて行く。


キブロはそのまま立ち上がり、

追い風を利用してアイスに

突っ込んだ!


キブロ「お返しだあっ!」


ドカッ!!


アイス「ぎゃああ!!」


アイスはかなりの勢いで

吹っ飛び、止まろうとしたが

崩れ落ちていた闇氷に

足をとられて大きく転び、

壁に激突した!


チェリー「今チェリ!

闇氷を溶かすチェリ!

今ならアイスも一緒に

倒せるチェリ!」


それを聞いたキブロは、

上に振り上げるのと同時に

白いスイッチを押した。


七色のランプが順々に光り、

最後に光った先端の宝石は

強烈な光を放った!




黄「冷えた心よ温まれ!


チェリブロラビット!

イエローフローラル

シューター!!」




キブロが勢いよくステッキを振ると、大きな黄色いうさぎの

エンブレムが輝きながら飛び出し、


アイス「なんなのよもう!

覚えてらっしゃい!」


闇氷に直撃した!




闇氷「ハルウララァー!!…」




必殺技をくらった闇氷は

色をだんだん失いながら

大量の水蒸気を出して蒸発し、

最後にはキラキラ光る

ハートのオーブが残った。


アイスは…くらう寸前に

魔法の吹雪を起こして

逃げたようだ。


橙「キブロ、大丈夫ですか?」


黄「うん、大丈夫ダイブロ。

回復助かったよw


ベニブロもありがと!

ベニブロの風がなかったら

あの勢いある体当たりは

出来なかった!」


紅「助けになれてよかったよ!

あ、そうだ!早くこの心を

戻してあげなきゃ!」


橙「えっと体は…これですね。」


そう言うと、ダイブロは

薫の隠れている掃除ロッカーのある

教室の教壇から、

眠るように座り込んだ

傷だらけの1人の

男子生徒の姿があった。


黄「早く戻してあげよっか。」


紅「あれ?この人…」


ベニブロは心を抜き取られ眠る

この生徒に心当たりがあった。


ふと、昨日の事を思い出す。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


そこには怖そうな人がいた。

まぁ一般にいうヤンキーって

奴だろう。


手には…


チェリー「錠前?

…って!?あれ鍵チェリ!


あれ薫って子の鍵チェリよ!

取り返しに行くチェリ!」


染好「と、取り返しに?

いやそれは無理だと思うよ(汗)


逆にチェリーはあの人に

「鍵返せ」って言える?」


チェリー「…怖くて言えない

チェリねw」


染好「かなり乱れてるけど…

あれはうちの学校のジャージだよ、

明日みんなに相談してみよう。」


チェリー「そう…チェリねw

こんな暗いのに話しかけるのは

ちょっと危ないチェリ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


紅「ああっ!?

この人薫君の言ってた鍵と

全く同じタイプの鍵を

持ってた人だ!」


橙「えっ!?」


黄「ってことは…

こいつが薫の鍵を!?」


そう言ってその生徒の

制服のポケットに

手を出そうとしたキブロの手を

ダイブロが掴んだ。


橙「待ってください!

この人傷だらけだし…

何か事情があると思います!


それにこうやって心を失っている

間に私たちが物を探ったら

起きた時に混乱するん

じゃないでしょうか?」


黄「あ、そうか…」


チェリー「冷静な判断チェリ!

ここは一旦変身を解いて

心を取り戻したこの人自身に

話を聞くべきチェリ!」


紅「うん、

2人の言うとおりにしよう。


それでいい?キブロ。」


黄「了解、そうすっか。」


ーーーーーーーーーーーーー


ガタンッ


薫「わ!?眩し…!」


飛岸「何してんの?w

ロッカーに入ったりして?」


薫「桜うさぎが隠してくれたの!

すっごく可愛かったよ!」


飛岸「なんだそりゃ…w」


「薫!大丈夫だったか!?」


染好の隣にいた男子生徒は

薫の元へ駆け寄り、

薫の安否を問いた。


薫「(さかえ)ちゃん!

大丈夫だった?」


栄「ちゃん付けはやめろよ…

俺はボコボコにされたが、

なんでか治ってたわw

薫が無事で良かったよ。」


そりゃそうだ、あの後

栄の心から回収した桜の力を

チェリーが栄と教室の扉に

分けたんだから。


栄「薫、これ。」


栄はポケットから

緑の錠前…の形をした鍵を

取り出すと、薫に渡した。


薫「僕の鍵だ!

見つけてくれたの!?」


染好「え?」


飛岸「は?」


里座「あれ?その人が鍵を

盗んだのでは…(もがっ!?」


飛岸「バカッ!(小声)」


染好「ごめんなさい!

私たちここの近所の公園で

栄先輩がその鍵を持ってるのを

見ちゃって…

て、てっきり盗品かと…」


栄「………。」


染好「ほっ、本当にごめんなさ」




栄「ブアッハッハッハ!!w

俺が泥棒に見えたか!w


暗いからわかんなかったのかな…

お前らがあの時見たのは

これだよw」


そう言って栄はにっこり笑って

染好達に水色の錠前型の鍵を

見せてくれた。


その顔を見て3人はホッとする。


栄「どうせ薫の事だから

別の色とか曖昧なこと

言ってたんじゃないか?」


薫「そういえば、

僕 別の色って…w」


染好「じゃあ何で…えっと…」


里座「どうしてあんなボロボロの

状態で倒れていたのですか?」


相変わらず染好や飛岸の

言いたいことを

里座は綺麗にまとめてくれる。


栄「話すと長いぞ?」


里座「いいですか?」


染好「いいよ。」


飛岸「ほら、あたしら暇だしw」


薫「大丈夫だよ。」


里座「じゃあ、お願いします。」


栄「いいぜ!

えっと…確か30分位前

だったっけな…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


栄「こうやって

ぶらぶらすんのも暇だな…w」


栄が日直の仕事である

黒板消しをサボるために

散歩をしていると、


2年生のペアに当たった。

何か話をしているようだ。


栄(何コソコソやってんだ?

趣味悪りぃな…)


暇だった栄は

盗み聞きをすることにした。


自動販売機でジュースを

買うふりをして

自動販売機の裏にあるスペースに

身を潜める。


「最近、あいつ肌カサカサに

なってきたらしいわよ?」


「ざまあみろねw

男からも女からもモテるなんて

気持ちが悪いわ!」


「アハハハハ!!」


栄(影口か、趣味悪りぃ…)


「こんな変わった鍵なら

代わりなんか見つからないわ!」


栄(鍵?…なっ!?

あれ薫の無くした鍵じゃねぇか!

あいつらの仕業だったのか!)


見ると、2人の内の1人は

鍵を摘み、投げて遊んでいた。


このままでは壊れてしまう…


「あの子、今頃泣いてるわねw」


「ウフフフw」


栄「おい!何やってんだよ?」


2人「…え?」


「あっ…!?栄先輩!」


栄は自動販売機の影から

姿を表し、鍵を奪い取った。


栄「これは俺の相方の鍵だ、

悪いけど返してもらうぜ。」


「でも…」


栄「でもじゃねぇ、

お前らこのままじゃ泥棒だぞ?

何も言わねぇから俺に預けとけ。」


「は、はい。」


栄「ありがとよ。」


そう言って栄は2人の内の1人の

肩をポンポンと叩いた。


叩かれた方は顔が真っ赤だ。


このまま解決するか…


と思われたが、




バコッ!!




栄「っあ…!?」


栄は胸に強烈な痛みを感じ、

その場に座り込んだ。


見ると…どうやらもう1人が

栄の胸をおもいっきり

殴ったようだ。


「ちょ、ちょっと!?

何してるのよ!?」


「気持ち悪い…!




女のくせに!!」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


3人「えぇーっ!!??」


染好「おっ、女なの!?」


栄「あぁ、言ってなかったか?」


飛岸「全然見えない!

絶対わかんないよ!胸ないし!」


栄「それはそれで

ひどい言い方だな…w

一応Bはあるぞ…w」


里座「どっ、どうしてですか?」


「俺の家系、かなり前に母親が

死んで兄貴3人の

シングルファザーで

過ごしてんのさ。


兄貴たちの癖とか移ったっぽいw」


薫「栄は女の息子だもんね!」


栄「…なんだそりゃ?w」


薫「だって僕は男の娘なんでしょ?

だったら栄は女の息子だ!」


栄「相変わらず単純だな薫はw


…おっと、話が止まってたな

続きを話すぞ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


矢田原栄(やたはらさかえ)こと栄は女の息子、

そのクールな性格は

薫と同じように

男女共にモテた。


だが中にはそれを

気に入らない者もいた。


いや…変わり者に

アンチ、つまり否定者は

必ず出てくるだろう。


栄は運悪くその否定者に

出会ってしまったのだ。


胸の痛みにかがんていると、

ドンっと押されて

仰向けにされる。


胸や腹を蹴られる蹴られる。


もう1人の手によって

多少威力は抑えられているが…

かなり…見苦しい…


栄「うぅ…!」


「やめて!もうやめて!!」


「ムカつくんだよ!!

男なのに女ぶったり

女なのに男ぶったり…

気持ち悪い!!」


栄「うるさいな…

どんな風になろうが自由だろ?」


「…っ!!」




ガンッ!!!




「や…!?

ひどいよ!お願いだから

もうやめて!!」


………あごを、

おもいっきり蹴られた。


口から折れた歯がポロっと落ち、

血が溢れた。


と同時に、栄の中の、

何かが、折れた。


栄(気持ち悪い…悪いか…

そこまで…)


心が冷たくなって行く…


栄(………!!?)


少し寒くなったかと思うと、

急激に胸のあたりが

痛み出した!…精神的に。


栄「…がっ……」


痛みが頂点に達した時…

栄は気を失った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


薫「僕が偶然そこを通りかかる時、

2人の女の子が逃げて行ったんだ。

化物を見つけた時は驚いたよw」


栄「化物の事は知らんが….

その後目が覚めると

薫達がいたってことさ。


夢でも見てたような感覚だったのを

覚えているよ。

なんだったんだろうなw」


里座(おそらくその時に

アイスに心を奪われたの

でしょうね。)


染好「そんなことがあったんだ…」


飛岸「差別じゃんそれ!

私が知ってるやつだったら

〆てやろうか?」


栄「いや、過ぎた話だ。

ありがとう。」


薫「僕のために…

ごめんなさい…」


それを聞いた栄は

薫の頭をポンポンと撫でた。


栄「いいんだ、薫の鍵が

見つかってよかったよ。」


薫「栄…本当にありがとう!」


そう言ってガバッと栄に

抱きつく薫。


子犬のように栄の腹に

顔をスリスリしている。


栄の顔が真っ赤になるのは

容易な状況w


栄「なっ!?や、やめろよ!

くすぐったいだろ?!」


薫「栄〜♪」


栄「や、やめとけって!///」


2人がじゃれあってると、

学校のチャイムが鳴った。


どうやら昼休みが終わったようだ。


飛岸「お、やっと

チャイムが鳴ったか。


なんか長い昼休みだったねw」


薫「うん!桜うさぎにも

会えたし幸せな昼休みだったよ♡

栄がひどい目にあったのは

許せないけどね…。」


栄「まぁ、気にすんな!

とっとと授業終わらせて

家に帰ろうぜ!」


里座「そうですね、

家に帰ってゆっくりと

休みましょう。」


染好「薫君!栄先輩!またね!」


栄「あぁ、

話を聞いてくれてありがとな。」


薫「またね!みんな!」


その後5人はそれぞれの教科を

受けるために自分たちの

クラスに戻って行った。


ーーーーーーーーーーーーー


一方、とある場所では

アイスが泣きじゃくってた。


アイス「むきぃ〜!

腹が立つわ桜うさぎぃ!」


コールド「だから言ったじゃん、

簡単にはかなわないって。

しかもあの鍵の闇氷、

あんまり役に立たなかった

ようだな…w」


アイス「なんですってぇ!?」


フリーズ「あまり言うのはよせ、

これでアイスは充分に

お前の苦労を知ったんだ。」


コールド「へいへぇ〜い。」


そう言ってアイスを見ながら

ニヤニヤとするコールド…w


アイス「なんで

そんな顔するのよぉ〜!

うわぁ〜ん!(泣)」


フリーズ「あまり泣くな、

一応お前はコールドと違い

成人だろう?

大の大人があまり

泣くものではない。」


アイス「うぅ…ぐすっ…」


コールド「ったく、アイスは

強気だけど折れると泣くよなw」


ポカッ!


コールド「って!?」


フリーズは調子に乗っている

コールドの頭を軽く叩いた。


フリーズ「お前も調子に乗るな。

次、本当はコールドを

行かせたいが…

順番的に次に行くべきは私だな。


対策を入念に練らなければな…」


ーーーーーーーーーーーーー


一方、学校では授業が

行われていた。


…が、中には授業を受けず

サボったりするものがいる。


先生のいない保健室では

1人のギャルがベットの布団に

くるまって次の授業が始まるのを

待っていた。


布団の中で書いてある和紙を

ぐしゃっと握りしめる。


「…もう、字なんか書きたくない。




私に…字を書く資格なんて…」




To be continued next time♡

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