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ハイランドの新しい文化

息抜き日常パートです。

「薪に出来ない木材が多すぎる?」


「そうなのよ。道のために種類問わずに切ってるから、何か使い道が欲しいのよね」


 執務室で領内の資材備蓄録を眺めながら机をトントンするのは我が主ベアトリクス・ハイランド。


 使えない木材の太さはバラバラ、乾燥もさせていないため長く使う家には使えない。無理やり燃やせば煙が多すぎると……。


「なら使い捨ての小屋を一つ建ててみないか?」


「いいけど、何に使うの?」


「……蒸し風呂(サウナ)だ」


 ――


「というわけで、大工さんに要望を伝えて設計いただき、男衆で一気に建築したサウナ小屋がこちらになります」


「「おぉー!」」


 オレはハイランドの女性陣……ベアトリクス、アビゲイル、エルフィン、侍女のリリ、シスターミラ、遊びに来たサラサを集めサウナ小屋のお披露目をはじめた。


「こちら味わい深いハイランドの丸太をふんだんに使ったログハウスとなっております」


「味わい深いの?」 


「森の香りがします」


「材木ほぼそのままだもんな」


「中は二段のベンチで6人ほど座れるスペースをご用意しております」


「結構狭いのね」


「で、こちらが蒸し風呂に欠かせないサウナストーンとなっております」


「石が積まれてますね」


「石の中は外の窯と繋がっていて熱することができ、煙は全て外に排出されます」


「この中で暖を取れるのね!」


「ではこの熱した石に水の施しをお願いします」


「はい、施します」


 ジュワーーー


「このように熱された水蒸気……ロウリュといいますが、これで中が満たされるとあっちっちな蒸し風呂になります」


「あっちっちね」


「この蒸し風呂で体を温めてたくさん汗をかく。辛くなったら外へ出て外気浴するなり水を浴びるなり雪をかぶるなりします。それを繰り返すと……」


「繰り返すと?」


「至れます」


「どこへ?」


「至ればわかります。では皆さん沐浴着に着替えて中へどうぞ。オレは反対側の窯で火を見てますから」


「外で沐浴なんて恥ずかしいわ……」


「私は聖都で似たような風呂に入ったことがあるぞ!」


「暖かいところで身を清められるなんてありがたいですねぇ」


「アヴィも大丈夫なのです?」


「ただの水蒸気だから肌が弱い人でも長く入らなければ大丈夫だ、無理しない程度に入るといい」


「それは楽しみなのです」


「私まで一緒でなくても……」


「サラサもいいの?」


「まぁせっかく6人まで入れるのでリリもサラサも遠慮なくどうぞ」


 一番風呂にはぜひハイランド美女達に入ってもらいたい。もちろんのぞきなどするつもりはない。この空間に存在が許されているだけで僥倖である。もしかするとブルーレイなら中が見れるかもしれない。


「わぁ、いい匂いね」


「味わい深い森の香りだな」


「実際に中に入ってみると確かにいい香りなのです」


「もう既に十分暖かいですけど、これをさらに温めるんですか?」


「あぁ、慣れるまで無理しなくていいが、ちょっと熱いぐらいまで温めていい」


「ではロウリュは私が……ハイランドに仕えるリリが施します……」


 ジュワーーーーーー


「「「キャーー」」」


「あっちっちだーー」


「リリ! もっとやってくれ!」 


「かしこまりました」


 ジュワーーーーーー


「熱いよーー」


「ちょっと息ぐるしいのです……」 


「おいおい、あんまり最初から飛ばすなよ?」


「ハァ……これは体が芯から温まりますね」


「うむ、これぐらいがちょうどいいな」


「もう無理ーー!」


 はやくもサラサが飛び出してきた。


「サラサにはまだ早かったか。水もあるが、これぐらいなら外で体を冷やすといい」


「うん、涼しくて気持ちいい〜」


「アビィも少し休憩するのです……」


 続いて出てきたのはアビゲイル。


「熱かったか?」


「いえ、熱さより息が辛いのです……もう少し温まりたいので外気を吸ったらまた入るのです」


「水蒸気は上に昇るから、息が細いなら下段のほうがいいかもな」


「次はそうしてみるのです」


「エルゥ、顔真っ赤よ? 無理してない」


「何を言う……騎士たるもの……このぐらいで」


「シスターミラは顔色一つ変わりませんね」


「えぇ……火と水と風……三天使のお力を強く感じられてとても心地よいです」


「あー限界!」


「……私も」


 ビィとリリがそろって出てくる。


「外が気持ちいいわねー!」


「お嬢様、お肌が見えてしまいます」


「ねぇカケル、これ水被らないとダメなの?」


「別に外気で涼んだっていいぞ。わざわざ水を浴びなくても外は寒いぐらいだしな。終わったらいつもみたいに絞った布で体を拭くといい」


「でもこの格好で外にいるのは恥ずかしいわ……けど気持ちいいわね」


「寒くなってきたのでもう一回入るのです」


「サラサももう一回入る!」


「ミラ……そろそろ限界なんじゃないか?」


「いえ? 私はまだまだいけますよ」


「ぐ……」


「エルフィン、無理するなよ。我慢比べじゃないんだから」


「……わかった、今回は勝ちを譲ろう……」


「だから我慢比べじゃないって……」


「では私も一度水をいただきましょう」


 エルフィン、ミラの順に出てきた。


「ふぅ……これはいいな……」


 ――ザパ!


「わ……! ミラッたら躊躇なくいくわね」


「水行は日課ですから……あぁ……これは……なるほど、この先に至りが……」


「カケル! お前は入らないのか?」


「いや……オレは後でいいから女性陣で楽しんでくれ」


「何だつまらん、よしミラもう一度だ!」


「私はもうしばらくこのままで……あぁ……なにかが来る……これが至り……」


「ミラさんは初めてなのにかなり決まってるな……」


 ――


 サウナは大変な好評を得たため、増設のうえ将来的には領民用に大きいのを作ることとなった。


「サウナが出来ただけでもありがたいが、やっぱり風呂が欲しいなぁ……」


「贅沢なやつだな……やはりヤマトの王族出なんじゃないのか?」


「ヤマトは一般人でも風呂が好きなんだよ」


 オレはフレイムウルフらとサウナを満喫した。

本日2話更新予定です。まだの方は是非ブクマ登録をお願いします!

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