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BRAINS  作者: 愛猫私


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第9話

第9話 殺戮の序章



 「はい。特殊能力者調査部隊本部、緑川です。はい。はい。場所は?了解しました。直ちに向かわせます。」

 

 緑川は電話を切ると、黒木課長へ電話の内容を伝えた。


 「渋谷スクランブル交差点内で複数の人間が何かに囚われて動けなくなっているようです。」

「ハジメ。スクランブル交差点内の様子を映し出せるか?」

「わかりました。」

 

 ハジメは、ものすごい速度でタイピングをし、監視カメラの映像をモニターに映し出した。

 

 「は?」

 「何ですか、これは!」

 

 そこに映し出されたのは、スクランブル交差点内に無数の人がただ立ちすくんでいる姿だった。

 車のクラクションもお構いなしに、人々はただ立っていた。

 

「ん?様子がおかしいですね。」

「パントマイムか?」

「何もない所を叩いてますね。」

「何かに閉じ込められているんじゃないの?」

「目に見えない何かに閉じ込められている。だから動けないのか。ハジメ。辺りにBRAINらしき者がいないか常に監視していろ。」

「了解です!」

「白中、青木、現場に向かうぞ。」

「うっす!」

「はい!」


―――――


 赤色灯を付けた車で、どんどん街中を猛スピードで走っていく。常に進行方向は青信号だ。

 車の中では、黒木と白中がBRAINの能力について、話していた。


 「あんな人混みじゃ、誰がBRAINなのか見つけられないっすよ。」

 「最悪、白中の能力を発動させる。そうすれば、嗅覚でBRAINを探し出せるだろ?」

 「ただ閉じ込める能力だとして、なんの意味があるんですかね?」

 

 運転席から青木が言った。

 

 「ほかに目を向けさせないための陽動の場合もある。あれほどの人数を捉えることが出来る能力はかなりの能力者だ。」

 「能力者が複数いるかもしれませんね!捉えたうえで何かをするんじゃないですか?」

 「確かに、捉えるだけだと何にもないよな。」


すると、インカムの向こう側にいた緑川とハジメが血相を変えた声で話しかけてきた。


「黒木課長!囚われていた人たちが!次々に殺されています!」

「なんだと!?」

「おいおい!無差別テロかよ!」

「青木!急げ!」

「急いでるんですけど!渋滞で!」

「多少強引でも構わない路肩を走れ!」

「わかりました!」


―――――


 「ねぇねぇ!タイキくん。君の能力ってさ。そよ風を吹かせる程度だったよね?今どんな気持ち?」

 「これは、やべえ!大気で人閉じ込めて押しつぶせるんだからもう最強だろ!」

 「そうそう!そうだよねぇ!大気君の力は最強だよ!でもさぁなんでこんなことするの?」

 「そりゃあ・・・。俺のことを見下していた人間に鉄槌を下すために決まっているだろ!」

 「あははははは!そうなんだ!へぇ~。そんなこと思ってたの?ホントに?」

 「ほんとに?ってお前は俺のこと何も知らないだろ!」

 「うん!知らなーい!でも、知ってることもあるよ。君が弱いBRAINだってことはね。」

 「それこそ冗談だろ!今のこの能力をみて何が弱いだよ!大気を操って人間を潰せるんだぞ?あははははは!」

 「・・・。それがどこからきた能力か知らないくせに。」


 フードを被り顔の見えない小柄な人間と、手を大きく広げ空を仰いでいる人間がスクランブル交差の近くのビルの上で言葉を交わしていた。

 

 「じゃあ、僕はこの辺で帰るよ!捕まらないようにしてね!」

 「捕まるかよ!こんな能力みたら怯えて逃げるだろ!」

 「だといいね!んじゃ!」

 フードを被った小柄の人間は、屋上の階段を下りて行った。


 「まだまだ!これからだぜ!人が死ぬところ見て血沸き血肉踊る!結局、今の世の中全部俺のもんだ!」


 大声で叫ぶタイキと呼ばれた男。

 天を仰ぎ、下にいるものをどんどんと捕えていく。


 そこに赤色灯を付けた車が、急ブレーキをかけ止まった。

 もちろん、警察や救急車などの緊急車両も大量に止まっている。

 通行人たちも何が起きたのか理解するのに時間がかかっている様子だった。

 突然、四方を見えないもので覆われ動けなくなってしまうものが現れた。そして、徐々にその見えない壁は小さく圧縮され、最終的には閉じ込めた人間を小さな肉の塊に変えるほど小さくなり押しつぶした。


 悲鳴や、逃げ惑う人の怒号がスクランブル交差点に響き渡る。

 誰が標的になっているのかわからない状態で、皆混乱し走って逃げていく。


 「これはやべえ。サキちゃん大丈夫?」

 「・・・。おぇ。」


 青木は、血の鉄臭いにおいで顔面蒼白になっている。涙を浮かべ今にも嘔吐しそうになっている。


 「敵の居場所が特定できていない。物陰に隠れておくぞ。」

 「わかりました。サキちゃん、こっち。」


 白中に担がれるように青木たちは、ビルのなかへ入った。

 

「ハジメ。監視カメラでBRAINらしき者を特定できるか?」

「やってみます!」


大量のモニターに何百というカメラの映像を映し出すハジメ。瞬きもせず、モニターを凝視している。

その後ろから緑川もモニターでBRAINを特定しようとしている。

青木は、吐きそうになり口を手で押さえているが、惨劇のスクランブル交差点を涙目で見ている。


「あんまり無理して見んなよ。」

「なんで警察官や救急隊は潰されないのでしょうか・・・。」

「なんでってそうりゃ・・・。」

「青木、このまま発動条件の目星をつけられそうか?」

「なんとかやってみます。ここからなら現場が見渡せますし。」

「ハジメ、監視カメラはどうなっている。」

「いろいろ見てるんですけど、人が多すぎて特定できないです。」

「そりゃそうだ。すげえ人数だし、この中からBRAINを探すなんて無理だろ。」

「・・・もしかしたら。ハジメ君、屋上に取り付けられている監視カメラを中心にみてもらってもいいですか!」

「わかったよ、サキお姉ちゃん!怪しい人がいないか見てみる!」

「どうした、青木。何か分かったのか。」

「まだ確証はありませんが、ある条件の人間を複数特定して能力を発動するのであれば、このスクランブル交差点を見渡せるところにいるはずです。それと発動範囲はたぶんこの交差点内ですね。犠牲者がこのスクランブル交差点内にしかいないので。」


青木の洞察力が冴えわたり、今回の無差別テロのBRAINを追い詰めることになる。


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