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BRAINS  作者: 愛猫私


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第61話

第61話 FQ3の闇



 「ってなわけで、そのまま返されちゃったんだよ~。」

 「炎煙は見事に裏切ったと。」

 「これは僕のせいかな?うーん。しょうがないね。」

 「あひゃ!道化が無駄に追い込むからだ!」

 「無駄ではないよ。BRAINとして能力が開花したんだから。」

 「でももうここにはいないんだよ~。」

 「それもそうだね。まあ今回の件は僕に否があるな。素直に謝ろうじゃないか。メンゴ。」

 「まあいいよ~。どうせ、うちらはお払い箱だからね。ねえ、無名?」


 八咫烏、道化、脱兎の三人と顔を伏せばつの悪そうにしている無名が倉庫で話している。


 「八咫烏様が持ってきた情報はおおむね当たっております。しかし、確信したこともあります。それは会長のご子息の能力です。こちらとしても『理想を現実に変える』能力というのは行き過ぎだと感じていました。それがBRAINSの情報により確定しました。違うのだと。」

 「はあ。それを前提で動いていた僕は、まさに道化だねぇ。」

 「あひゃ!これは!脱兎のごとく逃げるとき!」

 「うちも厳しいかなぁ~。あの戦力はちょっとね~。」

 「皆様のお気持ち重々に承知しております。そこで、もう一つの情報にあった『ANIMAL(アニマル)』について詳しくお教えします。ANIMALとは、会長のご子息の能力が違った場合の予備として始まった計画の産物です。人間至上主義を掲げるFQ3として、人間よりもヒエラルキーの低い動物の力を借りるというものです。」

 「それが、動物人間ってこと~?」

 「あひゃ!人間は動物だよ!八咫烏!」

 「いやいや、ややこしくなるよ。黙って聞こう。」

 「道化様ありがとうございます。ANIMALは人間に動物の能力を付与した者をいいます。これは実験によってFQ3が独自に開発したもので、人間の武器となり、BRAINに対抗できるものだと思っております。」

 「もとは人間?」

 「零骨や黒鉄、同様に記憶を抹消された人間を母体としています。姿形は、その能力によって変わりますが、ほとんどが人間と変わらず、能力の発言により姿を変えるものとされています。」

 「BRAINSの館にさ、豚がいたんだよね~。」

 「・・・それは、アルファ世代のANIMALです。限りなく動物に近い、しかしながら脳の作りは人間のANIMALです。それが脱走したのは、知っていたのですが、まさかBRAINSに匿われているとは・・・。」

 「あひゃ!結構きちぃー!能力的にも相手の方が格上!ANIMALの情報も相手が持っている!きちぃー!」

 「脱兎の言う通りだね。こちらの手の内はほとんどわかっている状態で、こちらが何をしても勝てないだろうね。」

 「ん?二人は解散の方向に行こうとしてる~?まだうちのANIMALを聞いてないよ?」

 「八咫烏様、ありがとうございます。まさに、そのANIMALについてですが、アルファ世代という者の強化版ベータ世代が完成しています。これは、人間と動物の完全なるハイブリッドで、即戦力となります。」

 「・・・自我があるのかな?そこが気になるよ。僕は。」

 「道化様、それは命令に忠実かどうかということですね?基本的には戦闘が主体です。零骨や黒鉄を見ていただきたい。あのような疑問を持ちながらも組織に忠実である者がベータ世代と認識していただいて結構です。」

 「ふぅ~。」


 道化はため息をついた。

 完全にBRAINSに後れを取ったこと、それが覆せないほどの力の差で。

 しかし、得体のしれないANIMALという存在の提示を無名から受け、悩んだ。

 八咫烏や脱兎も同じだった。

 脱兎は落ち着きのない感じで、きょろきょろしているが、自分なりに答えを出そうとしているのだろう。八咫烏は、全く不動で何を考えているのかわからない。しかし、逃げるのであれば、この倉庫に帰ってくる前にできたはずだ。だから、劣勢だとしても組織に骨をうずめる覚悟があるのだろうと思った。


 「やりますか。」

 「そうですね~。」

 「あひゃ!まあ行くところないしね!」

 「ありがとうございます。」

 「でもね。無名。君が会長のお気に入りだからか知らないけど、今後、情報は隠さずに提供してもらいたいね。」

 「わかりました。道化様。」

 「様付けしてる割には、情報を隠してるんだから。」

 「あひゃ!また道化の悪いところが出てる!」

 「無名はわかったって言ってるよ~。ぐちぐち言わない~。」

 「そうだね。恩を売っておけば、見返りは大きいからね。」

 「ご要望とならば、何なりとお申し付けください。お三方が残留していただけるのは、FQ3にとって重要なことですので。」

 「じゃあ、一ついいかな。脱兎、八咫烏にもお願いなんだけどさ。炎煙は僕が殺す。」


 道化の一言で倉庫内が一層暗くなったように感じた。

 

 「それはどうぞ、お好きに~。」

 「どんだけ炎煙のこと好きなんだ!あひゃひゃ!」

 「僕の失態だからね。その機会をぜひとも作りたいものだね。」

 「かしこまりました。炎煙は道化様に任せます。」

 「そうしておくれよ。」


―――――

 

 「さてさて、八咫烏。もっと情報があるだろう?教えてくれないか?」

 「あひゃ!相手の人数と能力は知っておきたい!」

 「申し訳ないんだけど、能力まではわからな~い。でもね、人数はわかるよ。だいたい30~40人くらいかな。あの館にいたのは。」

 「結構多いなぁ。」

 「その全員がBRAINだって!あひゃひゃ!勝てねー!」

 「そうだけど、たぶん能力の高いものほど館ないにいたと思うから、外にいたのは弱いBRAINだと思うよ。」

 「殺傷性の高いANIMALを使えば倒せるかな?」

 「そうだね~。でも、無名が言っていたけど、ベータ世代を作るとしてもオーダーするならそれなりに時間がかかりそうだよ?」

 「自分たちの能力を補完するようなANIMALにしないと勝てない。」

 「あひゃ!うちの能力は『麻痺(パラライズ)』に合うってどんなの!?」

 「なんでもあるだろ。脱兎が麻痺らせて、ANIMALが仕留めるとか。やり方はいくらでもあるよ。人に聞く前に自分で考えたらどうだい?」

 「うざ!自分はいいよね!汎用性あってさ!」

 「さあね。どうかな?なかなか制御するの難しいんだよ?息をするのと同じくらい能力を使いこなすように努力しているからどうにかなっている代物だよ。」

 「誰がどんなANIMALを連れるかは課題だね~。そして、いつ攻撃に転じるか。」

 「炎煙以外欠けることなくBRAINSから返されたのは僥倖だったね。なにせ、青木サキはBRAINSに囚われている。そしたら、特殊能力者調査部隊は動かざるを得ない。」

 「道化の言う通り。たぶん今頃、青木サキの居場所を見つけるために頑張っているはずだよ~。さらには、東京と関西地区の合同部隊。この合同部隊がBRAINSと衝突するのは、間違いないね~。」

 「あひゃひゃ!そこで疲弊したBRAINSを狙うってことか!」

 「まぁ、それまでにオーダーするANIMALが完成するかわからないけど。タイミング的にはそれがいいかもね。」

 「三つ巴になるのは、避けたいね~。人員は限られてるから。」

 「あひゃひゃ!そう考えるとBRAINSがまだ有利!」

 「そうだね。人員も能力もすべてが上だ。」

 

三人が話していると零骨と黒鉄が入ってきた。


 「お話し中、本当にすいません。僕たちは何をすればいいですか?」

 「がはは!正直やることがない!」

 「あぁ。そうだね・・・。そうだ!この際、君たちの能力を八咫烏と脱兎に開示しておこうか!」

 「それはぜひともお願いしたいね~。道化が無駄に開示しないから、BRAINSの屋敷のとき困ったからね。」

 「それは、災難だったね。」

 「他人事とはひどいな~。道化のせいだったんだからね~。」

 「あひゃ!さっさと教えろー!」

 「あぁ。零骨の能力は『無限の(インフィニティ・ボーン)』だよ。成人の骨の数は206個だけど、零骨は、無限に骨を生成することができる。もちろんそれをつなぐ軟骨や神経も延長することができる。要するに骨で覆われた骨人間ってことだね。強度はもちろん、複数に分割することで、クッション性も上げることができるんだ。近接戦闘においては、僕と同等レベルだね。強いよ。身体に影響を及ぼすBRAINはSランクだから零骨はSランクBRAINだよ。」

 「ほえ~。気弱なのに能力は一丁前に強いんだ~。」

 「でも、麻痺ったら終わりだけどね!あひゃ!」

 「脱兎の能力も大概チートだと思うよ。」

 「で?黒鉄は~?」

 「黒鉄は、文字通り、鉄になるんだ。表皮がね。見せた方が早いかな?黒鉄できるかい?」

 「がはは!我の能力が見たいと!では!」


 そういうと、黒鉄は体に力を入れた。

 すると、体の表皮が、小さな鉄でできた鱗のようなもので覆われていった。


 「あれ?なんか・・・。」

 「鋼鉄の滑らかな感じを想像した?」

 「うん。これはなんだろう~。魚?」

 「あひゃひゃ!アロワナ!」

 「いやいや。表皮が継ぎ目のない金属になったら、動かせないだろ。この形が一番人体の可動域を生かせる姿なんだよ。」

 「要するに甲冑みたいなこと~?」

 「そうそう。中世の甲冑のように関節に可動域を持たせなければ、ただの金属の人形と化しちゃうわけ。」

 「あひゃ!どう見てもアロワナだろ!」

 「脱兎殿!馬鹿にしておられるのか!?」

 「残念だけど脱兎。君の能力は黒鉄には効かないよ。彼の鉄の鱗は、皮膚の角質と同じようなものだから破壊してもすぐに戻るし、直接触らないといけない君の能力を完封してる。」

 「あひゃ!そんなことないよ!目玉は鉄じゃないだろ!」

 「がはは!必要があれば目玉も鉄に変えられるぞ!」

 「なひゃ!それはすげー!アロワナすげえ!」

 「まぁ。こんなところだよ。零骨も黒鉄も幹部補佐としての役割だけど、FQ3は人で不足だ。主体的に動いてもらうこともあるだろう。頑張ってくれ。」

 「わかりました。非才の身ですが、一生懸命頑張ります。」

 「道化殿!承知した!」


 FQ3の幹部の道化、八咫烏、脱兎がFQ3に存続することとなり、さらには、零骨と黒鉄の能力が八咫烏と脱兎に開示された。

 さらにはまだ見ぬANIMALという、FQ3の戦力が追加されたことにより、FQ3は炎煙が抜けた以上に力を取り戻すことになる。




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