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BRAINS  作者: 愛猫私


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第55話

第55話 C地点【判明】



 ウイとハジメが操作する小さなドローンが目的地に向かっている。

 

 「ウイちゃん。聞こえてるよね?」

 「うん。聞こえてる。」

 「こっちはちゃんと見えてるから安心してね。あと少しで発信源だから注意して。」

 「わかった。」


 その発信源は、巨大な橋の上だった。

 車の往来はない。ハジメが通行規制を行い、完全に相手を橋の上に孤立させたためだった。


 「あ、ハジメちゃん。」

 「うん。見えてるよ。」

 

 橋の中央付近に、一台の車が止まっており、二人組の姿が見えた。

 ハジメは内心、心配していた。こちらは戦闘力としてウイのみである。相手は二人組ということもあり戦闘力はさておき、人数不利がどうでるかわからなかったためである。

 

 「来ましたね。」

 「ノリピー、ごめんね。」

 「いいんですよ。ケイスケはやれることをしました。あなたの能力は素晴らしいものです。」

 「どうしたらいいかな?」

 「堂々としていてください。弱気になる必要はありませんよ。」


 そして、橋の上で二人と一人、そして一台のドローンが対面した。


―――――


 「えーっと。青木さんを連れ去った先を知っているのはあなたたちでよかったですか?」

 「随分と落ち着いているんですね。」

 「落ち着いてる?いや、怒ってる。かなり。」

 「はぁ。困りましたね。私たちはあまり戦闘が得意ではないので。」

 「青木さんの場所、知ってるね。」

 「ん?なぜそう思うんですか?」

 「あなたが考えてることが分かるから。」

 「!?・・・そうですか。そういう能力ですか。まずいですね。ケイスケ。車のなかにいなさい。」

 「ノリピーは?」

 「私は戦います。時間を稼げば、マリーがあなたを回収しに来るでしょう。」

 「一緒に帰れるよね?」

 「あの方が帰してくれるなら、いいんですが。」


 車の後部座席に少年を座らせ、ドアを閉めた。紫水ノリコ。

 深く息を吐くと、ウイたちの方に向き直った。


 「ちょっとお話ししましょうか。」

 「そんな気分じゃないんだけど。」

 「いいじゃないですか。あなたたちにとって有用な情報かもしれませんよ?」

 「・・・。」

 

 ウイはノリコの心を読んでいたが、車に乗せた少年を心配することばかりで、なんの情報も得られていなかった。むしろ、この人たちに人の心があることで驚いていた。


 「なんで青木さんを連れ去ったの?」

 「うーん。それは私の口からは言えません。というより、知りません。」

 「嘘はついてないみたいだね。」

 「私は残念ながら足止めするための駒です。」


 話をし始めた二人をよそに無音のドローンは、上空から車の上に着地し、二人の様子を監視している。さらに、ハジメによって車の制御権を奪っていた。


 「心を読まれるのは厄介ですね。考えたくなくても考えてしまう。」

 「でも、あなた自分の心を隠すのが上手みたい。」

 「複雑な心境ですね。喜んでいいのやら。」

 「肝心なところが読めない。青木さんの場所は知ってるみたいだけど。」

 「これは時間の問題ですね。しかし、お願いがあります。この車に乗っているケイスケだけは、どうか手荒な真似はしないでください。ケイスケはあなたたちが保護すべき対象です。」

 「何を言ってるの?そちら側にいたら問答無用で制圧するよ。」

 「やりたくてやってるとでも?」

 「無理やりやらされていたとしても、制圧して収容するのが私の仕事。」

 「子供のしたことですよ?その責任は保護者にある。」

 「だから、許せと?」

 「はい。その通りです。」


 その時、ハジメが操るドローンが、車の制御を完全に終え、「ガチャ」っとドアのロックをかけた。

 慌てて振り返る紫水ノリコ。

 

 「何をしてるんですか!」

 

 すると、ドローンから声が聞こえてきた。

 

 「申し訳ないけど、この子は戦わなくてもこちらで制圧したよ。もうこの車から出られない。」

 

 すると、さらに車のエンジンがかかりだした。

 

 「待ってください!その子は!何にも知らないんです!」

 「だとしても、関係ない。僕たちの仲間を連れ去った集団の仲間ということで連行する。」

 

 車がゆっくりと走り出した、その時だった。

 急にガクンと車が急停車した。と、同時にハジメが制御する車の権限が解除され、操作不能に陥った。

 

 「なんだ?」

 「そのまま車の中に閉じこもっててください。」

 

 止まった車に駆け寄り、紫水ノリコが不破ケイスケに言った。

 

 「まさか。この子が、僕のシステムを乗っ取ったBRAINなのか?」

 「まさに、その通りです。彼の名は不破ケイスケ。直接触った機械を自在に操ることができます。」

 「・・・。なんだそれ。」

 

 ハジメは、彼の能力がいかに危険か一瞬で理解した。

 ありとあらゆる機械を操作でき、さらには、電脳世界であれば思ったことを瞬時に行えてしまう能力。彼がいれば、電子媒体に残されているものはすべて筒抜けになり、機械仕掛けのロックなど簡単に解除されてしまう。

 今は、車の制御をしているため、偽の発信源が消失した。そう、直接操作できる機械は一つしかできないという制約があるようだった。

 その時、ウイが話に割って入ってきた。

 

 「わかった。その子はそのままにしておく。その代わり、青木さんの場所を教えて。」

 「先ほども言いましたが、それはできません。私は駒なので。」

 「じゃあ、戦うしかないけど。」

 「はい。負けるつもりはありません。」

 

 膠着した橋の上で、ウイと紫水ノリコの戦いが始まろうとしていた。

 車の中からその様子を心配そうに見守る不破ケイスケと、車の上のドローンがその行く末を見守っている。

 

 「さあ、奪えるものなら力づくで奪ってみてください。」

 

 



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