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BRAINS  作者: 愛猫私


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第25話

第25話 対峙



 ウイとユイは学校が終わり、いつものように家に帰って支度をしていた。

 毎週欠かさずに行っている二人での格闘訓練だ。週のほとんどは筋トレや柔軟などの基礎トレーニングを自宅で行い、技の習得などは、動画などを見て学んでいる。

 実際に技を習得するには、日々の訓練が必要だが、二人の格闘センスはかなり秀でているものがあり、何度か見れば、見よう見まねでできるようになってしまう。

 

 『お姉ちゃん、ずっと何の動画見てるの?』

 『あずきっていう猫の動画。』

 『は?トミーズのワンポイント格闘レッスン観てないの!?』

 『観てない。あんなの実践でできない。』

 『ワンポイントってところがわかりやすいんじゃん!』

 『段階を踏みすぎて、結局何がしたいのかわかんない。』

 『感覚で戦ってるお姉ちゃんには向かないか・・・。』

 『まあ、猫の動画見ててもユイと互角に戦えるから大丈夫。』

 『天才に言われるとなんかムカッと来る!』

 『ユイは努力の天才でしょ。それはすごいと思っている。』


 サポーターやバンテージを巻きながら格闘訓練の準備をしている二人。

 それは実戦さながらであり、お互いの心を読みながらの激しい訓練となっている。

 だからいつも訓練の終わりにはお互いボロボロになっており、帰るのもやっとなほど疲れ切っている。


―――――


 「双子が来る公園はここだ。二人はヴァンタブラックのスーツを準備しておいてくれ。」


 弟を殺してしまった一件から声のトーンが下がり、さらに目つきの鋭くなった男が言った。

 公園の街灯は不自然なほど暗く、今にも明かりが消えそうになっている。これも目つきの悪い男が仕込んでおいた作戦の一つである。ヴァンタブラックのスーツは、光を吸収する素材でできているため、暗闇に紛れてしまえばほぼ見えない。それを最大限に発揮するために公園の街灯を壊しておいた。

 少年は木の上にするりと登り、身を隠した。屈強な男は、トンネルのような遊具のなかに隠れていた。目つきの悪い男は、少年と屈強な男の場所が見渡せる少し高台になっているところのベンチで堂々と座っていた。

 

 ウイとユイが公園に到着した。

 いつものように、ベンチに荷物を置いている時だった。


 『お姉ちゃん・・・。』

 『うん。わかってる。』


 二人は周りを見渡しだした。

 薄暗くなっている公園内を見渡し、その異変を探し当てようとしている。


 『・・・なんだ?なんであんなに警戒してる?』

 

 目つきの悪い男は、双子の挙動がいつもと違うのを察知した。

 

 『こっちの気配に気づかれている可能性がある。気を付けろ。』

 

 インカムで少年と屈強な男へ情報提供する。

 すると、ウイとユイが目つきの悪い男の方へと一直線に向かってくる。


 「あの。何を気付くって言いましたか?」

 「は?」


 ユイがいきなり目つきの悪い男に話しかけた。その時だった。

 傷だらけの少年と屈強な男は、目にも止まらない一撃必殺の奇襲をかけた。

 しかし、横薙ぎの一閃は空を切り、失敗した。

 

 「な!後ろに目でもついてんのか!?」

 「どうやらうちらを狙ったBRAIN狩りみたい。お姉ちゃん。」

 「うん。」


 ウイはスマホを取り出して、SOSコールを出した。

 戦闘は始まってもいない。しかし、人数不利な状況と明らかに異質なヴァンタブラックのスーツを見たユイとウイはためらいなくSOSコールを発信した。


―――――


「東雲姉妹からSOSコールです!場所は東雲姉妹の自宅に近い公園です。ここからだと30分ほどかかります。」

「SOS?ハジメ、何があった?」

「わかりませんが、極度の緊張状態にあるようです。」

「救難信号か。急いで現場に向かうぞ。青木、白中来い!」

「わかりました。」

「了解っす。」


 赤色灯を付けたセダンはものすごいスピードで急発進して現場に向かった。


―――――


 「あれれ?なんで避けられちゃったのかなぁ?」

 

 ヴァンタブラックのスーツを着た傷だらけの少年が言った。黒いフルフェイスマスクで顔は見えない。さらには、安っぽいボイスチェンジャーで声が割れて聞こえる。

 本人を特定されないための手段であろうが、やけに不気味に聞こえる。


『うちがあの小さいほうをやるからお姉ちゃん大きい方よろしく。』

『わかった。』


心の中で意思疎通する姉妹。


「おい!能力がわからない今突っ込むなよ!」


目つきの悪い男のいうことなどお構いなく、ヴァンタブラックのスーツを着た二人は戦闘態勢に入り、攻撃を仕掛けようとしている。

 奇襲が失敗した今、真っ向勝負で相手を殺さなければならない状態になってしまった。

 目つきの悪い男は、すぐに離れ少し離れたところから様子をうかがうことにしたが、二人の戦闘と姉妹の戦闘が自分の手に負えないことを今は知らなかった。


 「くそ!これじゃ見守ることしかできねえ。」


物陰に隠れている目つきの悪い男は、戦いの行く末を見守ることしかできなかった。

 さらには、ヴァンタブラックのスーツのせいで目つきの悪い男からも二人の姿を明確にとらえることが出来なくなっており、戦闘の優劣が見えなくなってしまった。


 「なんで攻撃が当たらなかったのかなぁ?」

 「さあね、なんでだと思う?」

 「君たちの能力に関係してるのは確かだよね!」

 「能力を見破らなければ、勝ち筋がないぞ。」

 「わかってるよ!」

 「ユイ、あんまり喋らない方がいい。」

 「うん。わかってる。」


 傷だらけの少年と屈強な男、そして東雲姉妹が対峙し戦闘が始まる。



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