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普通人転生-だけど前世知識で世界を変える-  作者: NOVENG MUSiQ
焦熱に沈む罪と赦しの迷宮

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19/60

噴火の遺跡、暴走する紅蓮

 森を抜けた先に広がるのは、岩肌がむき出しの火山帯。苛烈な熱波と硫黄の臭いが、ノーランたちの体力と精神を激しく蝕んでいく。しかし、そこに眠る“紅蓮の遺跡”を王家の手から守るため、彼らは休む暇もなく灼熱の地を駆け抜けざるを得ない。

 激しい魔物との戦闘や過酷な環境が、女性陣の服を焦がしたり汗で透かせたりとハプニングを連発させる一方で、これはあくまで序章にすぎない様相を帯びている。王家の特務隊とどちらが先に“紅蓮の力”へ到達するのか、さらにその力が暴走しかけているという不穏な予感――。仲間たちが初めて味わう本格的な灼熱の戦場は、彼らの結束と覚悟を問い直す転機となるだろう。

 火山性の熱気がいよいよ強くなり、地面から立ち上る硫黄の臭いが鼻をつく。俺――ノーランは、トカリヤ、フレイヤ、クロエ、エリー、イヴ、そしてハルトと共に、荒々しい岩場を慎重に踏みしめていた。

 「こんな灼熱の場所……暑くてたまらないわね」

 剣を携えるフレイヤが軽く鎧の隙間を扇ぎながらぼやく。溶岩が地表を流れるわけではないが、岩盤の隙間から吹き出す熱気が肌を焼くように感じる。クロエは弓を握りしめ、汗が首筋を伝うのをぬぐっている。


 一行が進む先は、通称“紅蓮の遺跡”と呼ばれる火山の内部に造られた古代施設で、そこには“神々の遺産”の一つが眠るらしい。もし王家の特務隊に先を越されれば、奴らがその力を兵器化する危険性が高い。

 「ハルト、王家はもう近いのか?」

 俺が尋ねると、ハルトは険しい表情で頷いた。

 「どうやら別ルートから既に突入している可能性がある。彼らの魔導研究者が手を貸しているらしい」


 エリーが魔道書を片手に辺りを見回す。「このあたりの魔力の流れが乱れてるわ。多分、遺跡内部で何かの儀式をしている気配があるかもしれない」

 「じゃあ、急がないと……」

 トカリヤが雷を纏った杖を握りしめる。だが、その瞳には疲労の影が見えた。高温の環境で雷力を制御するのは相当きついらしく、彼女の額には大粒の汗が浮かんでいる。


 一行は火山の斜面に穿たれた大きな洞窟を発見。そこが紅蓮の遺跡への入口だと睨んで足を踏み入れる。内部は赤黒い岩壁で囲まれ、時折、床の隙間から熱風が噴き出してくる。

 「うわ……ものすごい暑さ……」

 フレイヤがうめき、クロエも「少しでも薄着しないと」と上着を脱ぎかける。エリーは着ているローブが汗で肌に張りつき、イヴは「まったく、人間は大変ね。獣人には平気ってわけじゃないけど」と嘆きつつ、比較的余裕がある様子だ。

 俺も、汗だくで息苦しいが何とか踏ん張る。ハルトは道具袋から小型の送風機らしき魔道具を取り出し、少し風を送りながら先へ進んだ。


 それほど奥へ進まないうちに、前方から騒音が聞こえた。金属がぶつかり合う音と、炎の唸るような轟音――どうやら既に戦闘が始まっているらしい。王家の特務隊が遺跡の仕掛けや魔物と交戦している可能性が高い。

 「行きましょう。あいつらが遺産を手にする前に止めるんだ」

 フレイヤが剣を抜くと、トカリヤやクロエ、イヴも備える。エリーとハルトは魔法陣や道具を構え、俺も最大限周囲を警戒して走り出す。


 ほどなく開けた空間に出ると、そこは赤熱した岩床と溶岩が湧き出す巨大なドーム状の遺跡だった。王家の特務隊と思しき兵士が十数名、火炎系の魔物と戦いながら進んでいる。

 「邪魔者が来たか……!」

 兵士の一人がこちらに気づき、即座に剣を構えて向かってくる。フレイヤとイヴが迎撃する形で一気に斬り合いになった。クロエは弓で援護し、トカリヤが雷を放つが、激しい熱気で力が乱れがち。エリーは結界で火の粉を防ぎ、ハルトは道具を駆使して魔物の攻撃を阻止する。


 「ノーラン、あまり前に出ないで!」

 トカリヤが叫ぶが、俺も何かしなければと思い、兵士の背後を狙って小さな攻撃魔法を試みる。結果は微妙だが、少しでも牽制になればいい。

 バトルの最中、服が汗で透けたり破れたりするハプニングが自然と生じる。フレイヤの鎧下のシャツが焦げ、腹部が露わになりかける。エリーは激しい結界発動で袖が焼け、肩や腕が色っぽく露出。トカリヤは薄い生地が汗で張り付き、クロエも襟元がはだけている。イヴは比較的平気そうだが、尻尾や耳元にも汗が光っている。


 「熱い……もう、限界……!」

 トカリヤが苦しげに雷撃を発射するものの、威力が落ちているのが見て取れる。ハルトが魔道具を使って冷気の結界を一瞬だけ発生させ、何とか体温を下げようとする。

 兵士たちが「紅蓮の遺跡は我ら王家のものだ!」と叫びつつ魔物を蹴散らし、さらにこちらへ襲いかかる。フレイヤが真っ向から斬り結び、イヴは獣人ならではの俊敏さで敵を撹乱していく。クロエは隙を見て弓矢を放ち、エリーが火炎を相殺する魔法を放つ。俺は足手まといながらも、ハルトと連携して兵士の背後を取るようにサポートする。


 激しい戦闘の末、兵士たちは一旦撤退するが、そのリーダー格が捨て台詞を残して奥へ向かった。「我らは先に“紅蓮の力”を手中に収める。貴様らなど敵ではない!」

 後を追おうにも、魔物がまだ残っている。さらに周囲の溶岩が活発化してきて、マグマの流れが増えているようだ。まるで遺跡そのものが大きく揺れ始めているかのように感じる。

 「遺産が……暴走しかけてるんじゃ?」

 エリーが不安げに呟くと、ハルトも「可能性はある。遺跡の封印を正しく解かずに力を引き出そうとしてるなら、破局的なエネルギーが噴き出してもおかしくない」と同意する。


 すると、洞窟の奥から轟音が響き、赤黒い光が不気味に揺らめいた。熱波が一段と強まり、壁や天井が崩れ始める。

 「ここは早く進むしかないわね。王家の連中を止めないと、本当にこの場所が崩壊するかも……!」

 フレイヤが息を切らしながら叫ぶ。クロエも頷き、イヴは「火山なんて大嫌い!」と毒づきながら、尻尾を振り払って先頭を走り出す。トカリヤは雷をかろうじて纏い、エリーとハルトが術式を準備する。俺も必死にみんなの後を追うしかない。


 こうして、暴走しつつある紅蓮の力を食い止めるため、深部への猛進が始まった。灼熱の空気で服が汗に濡れ、肌が露わになりかけの女性陣にドキリとしつつ、そんな状況を楽しむ余裕などないのも事実。

 胸の奥で警鐘が鳴る。もし王家が遺産を完全に手にしてしまえば、今まで以上に大きな脅威となる。俺たちは倒れそうになりながらも、一歩また一歩、灼熱の道を突き進んだ。

 灼熱の洞窟を舞台に、王家の特務隊との一進一退の攻防が繰り広げられる中、紅蓮の遺跡自体が崩壊の危機に瀕していることが明らかになりました。肉体的にも精神的にも、ほとんど限界に近いノーランたち。それでも、後には引き返せない理由があり、最後の気力を振り絞って“深部”へ急ぎます。

 服が破れたり汗で肌が露わになったりするハーレム的要素がありながらも、彼らが直面するのは古代の封印が生む巨大な破壊力と、王家の本格的な企み。その先に何が待つのか。己の弱さを自覚しながらも、一歩を踏み出すしかないノーランの決意が、今まさに試されるときです。次回は、紅蓮の力の封印と壮絶な結末が待ち受けることでしょう。

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